本日の一品

スマホ連携する自転車ライト「SYNC」シリーズが持て余すほど便利

SYNC CORE・SYNC KINETIC

 筆者は自転車通勤をしている。交通量の少ない時間帯にのろのろと走りたいので、必然的に暗がりのなかを行くことになる。通勤ルートは街灯が多く、夜でもほどほどに見通しが良い。フロントライトが何ルーメンだとか、配光がどうのとかは気にしなくてよいレベルだろう。夜間走行における不安材料が一つ解消されると、フロントライト・リアライトのバッテリー残量のチェック、点灯・消灯の手間という、細かい部分が面倒で気になってくる。わがままである。

フロントライト「SYNC CORE」とリアライト「SYNC KINETIC」のセットがパッケージされている
USBケーブル2本、フロントライト・リアライト用のブラケットが付属している

 キャットアイの自転車ライト「SYNC」シリーズは、その煩わしい手間をほんのり省いてくれる。本シリーズはフロントライト「SYNC CORE」、リアライト「SYNC KINETIC」、クリップで留めるライト「SYNC WEARABLE」の3製品がリリースされている。筆者は「SYNC CORE」(以下、CORE)と「SYNC KINETIC」(以下、KINETIC)のセットを購入した(記事執筆時点では、この2製品の単品販売はしていない)。

「SYNC CORE」は実測92g
「SYNC KINETIC」。こちらの実測は42g
2製品ともにバッテリー駆動で、microUSB端子で充電する。なお、充電中に点灯はできなかった

 CORE、KINETICはAndroid/iOSアプリを通じてBluetooth連携可能で、一度ペアリングを済ませたライト同士の動作は連動するようになる。COREの電源をオンにすればKINETICの電源も自動でオンに、KINETICの電源をオフにすればCOREの電源も自動でオフになる、ということだ。

 このライトの連動機能は気に入っており、出発時、駐輪時にライトをオン・オフする手間が若干楽になるし、リアライトを点け忘れる、消し忘れる事態も起こりづらくなる。ペアリング後はライト同士がつながっており、スマートフォンがなくても動作が連動するのもポイントだ。あと、トンネル内を走る際、わざわざトンネル前で一度降りてリアライトの操作を行わずに済むのはメリットだと思う。

検出されたライト名の右側の「追加」をタップすれば、ライトのペアリングを行える
アプリ上で、ペアリングしたライトのバッテリー残量が表示される
あまり目立ったラグもなく、ライトの動作が連動する

 アプリ上では、先述のペアリングのほか、ライトのバッテリー残量の確認、電源のオン・オフ操作、ライトを点滅させて位置を知らせる「探す」機能などが利用可能。

ライトの詳細画面で「探す」をタップすると、該当のライトが点滅する
充電が完了したときや、バッテリー残量が少なくなったときなどに、スマートフォンに通知が表示される

 さらに、COREの場合、利用する点灯モードの編集もアプリ上で行える。COREは点灯時に電源ボタンを押すたびに5つの点灯モードが切り替わるのだが、指定したモードをオフにすると、電源ボタンを何回押しても該当モードは動作しなくなる。普段使わないモードをオフにしておくことで、ボタンを押す回数を減らせる、というしくみだ。

 なお、COREの点灯モードは以下の通り(カッコ内は公称の明るさ/点灯時間)。

  • ハイ(約500ルーメン/約2時間)
  • ミドル(約150ルーメン/約9時間)
  • ロー(約100ルーメン/約15時間)
  • デイタイムハイパーコンスタント(約100ルーメン+約500ルーメン/約18時間)
  • 点滅(約100ルーメン/約130時間)
筆者の場合は、補助灯用途であるデイタイムハイパーコンスタント、点滅のモードはオフにしている
COREの天面には、電源ボタンと円状のインジケータを搭載している。インジケータの発色によってバッテリー残量がざっくりわかるしくみ
COREの配光は中央に集中しているように見える。ハイモードは夜間の街中では明るすぎるし、そもそも電源ボタンを2度押すと呼び出せるので、削ってもいいと思っている
COREのボディ側面からも光が見えるような構造で、被視認性を高めている
COREは、付属のフレックスタイトブラケットで装着する。同社のベル(別売)も同時に着けられる

 一方、KINETICのモード編集はできないようになっている。KINETICの特徴としては、内蔵の加速度センサーが減速を検知すると、約2.5秒の間、50ルーメンで点灯するキネティックモードが搭載されている点だ。ブレーキ動作と完全に連動するわけではないが、自動車のブレーキランプのような役割を果たすので、良い機能だと思う。加速度センサー付きのリアライトは本製品だけではないが、まだまだ少ない。もっと増えてほしい。

アプリでキネティックモードのオン・オフ切り替えが可能。バッテリーの消耗を少しでも抑えたいときは、オフにするという選択肢もアリかもしれない

 ちなみにKINETICで使える点灯モードは、以下の通り(カッコ内は公称の明るさ/キネティックモード不使用時における点灯時間)。

  • ハイ(約40ルーメン/約1.5時間)
  • ロー(約5ルーメン/約15時間)
  • 点滅(約30ルーメン/約50時間)
  • ラピッド(約50ルーメン/約20時間)
  • グループライド(約40ルーメン/約15時間)
  • デイタイムハイパーフラッシュ(約50ルーメン/約30時間)

 見慣れないグループライドというモードは、点滅モードよりも点灯・消灯の周期が緩やか。後続の自転車乗りの目の負担軽減を考えたモードなのだと思う(個人的にはローの方がまぶしくないと感じるが)。また、デイタイムハイパーフラッシュモードも、(おそらく)新しい発光パターンだ。その名の通り日中に使うモードなのだと思うが、点滅周期が非常に短く、非常に明るい。日差しが強いときに役立つのかもしれない。

KINETICのブラケットは、下部に向かうほど厚くなる独特な形状をしている。これにより、ライトが下を向きすぎないようになる
デイタイムハイパーフラッシュモードの様子。動画にすると迫力に欠けるが、間違っても夜に使いたくないと思わせるほど激しく光る

 かゆいところに手が届く「SYNC」シリーズは、COREとKINETICのセットだと1万4500円(税抜)。ポンと出せない、高い製品だ(筆者はお金もないのにノリで買ってしまったが)。というよりも、自分のような普段使いの用途だと、価格と性能に見合った使い方ができていない気がする。とくにCOREのライト性能は持て余し気味で、街中ならミドル程度の光量が上限でも十分。そういった廉価版を出してくれるとうれしい限り。ともかく、もっと本製品が活躍しそうな使い方ができるよう、久しぶりにサイクリングや旅行を計画してみようかな、とぼんやり考えている。

製品名発売元価格
SYNC CORE・SYNC KINETICCATEYE1万4500円