本日の一品

アナログスピーカーをBluetoothスピーカーに変身させられる「Anker Soundsync」

本体は手のひらサイズ。裏面は滑り止め加工が施されているが、いかんせん軽量なのでケーブルに引きずられがちだ

 Bluetoothトランスミッターと言えば、テレビやCDプレーヤーなどBluetoothを内蔵しない機器に接続し、Bluetoothスピーカーやヘッドホンに音声を飛ばすための製品だ。アナログな家電製品やオーディオ製品はBluetoothを搭載していないことがほとんどなので、こうしたトランスミッターがあれば組み合わせの幅も広がり、かつ機器を延命させられる。

 今回紹介するAnkerの「Soundsync」もそんなBluetoothトランスミッターのひとつなのだが、本製品はこれに加えてレシーバー機能、つまりトランスミッターとは逆に、Bluetoothスピーカーなどに取り付けて、パソコンやスマホからBluetoothで飛ばした音声を再生する機能も備えている。

同梱品。ほとんどが送信時(TX)で使う場合のもので、受信時(RX)で使うのは給電用のUSBケーブルくらいだ

 手順としては、側面のスイッチをTXからRXに切り替えたのち、市販のスピーカーを本製品に接続するだけ。これにより、パソコンやスマホなどBluetoothを搭載した機器の音声を、スピーカーから出力できるようになる。いわば「手持ちのスピーカーをBluetoothスピーカーに変身させられるデバイス」というわけだ。

今回はスピーカーをBluetooth化するので、スピーカーから出ているケーブルをAUXに差し込む
側面のスイッチを受信モード(RX)に切り替える
接続完了。あとは電源を入れてBluetoothでスマホなどの音源に接続するだけ
電源とペアリングを兼ねたボタンを押す

 ペアリングは本体の丸ボタンを押すだけで行えるほか、現在のステータスもLEDで判別できるためわかりやすい。電源オン・オフもこの丸ボタンで行えるなど、シンプルな操作性にかけては、同等製品の一歩も二歩も先を行っている印象だ。接続と解除をひんぱんに繰り返す使い方では、とくに重宝するだろう。

スマホ(iPhone)で認識された。タップしてペアリングを完了させる
iPhoneで再生中の音楽を本製品経由でスピーカーから出力中。出力先の一覧には「Soundsync」と表示される

 また本製品はaptX LL対応で音声の遅延が少ないのを売りとしており、動画の音声を飛ばしても画面とのズレをほとんど感じない。音質自体はスピーカーに依存するが、組み合わせによっては市販のBluetoothスピーカーを超える、遅延なしで音質にも優れた最強スピーカーが作れる。

 唯一ネックとなるのが、USBケーブルから給電を行いながらの駆動に対応しないことだ。本製品はバッテリーを内蔵しており、2時間の充電で17時間(送信モードでは25時間)の駆動が可能だが、今回のような据え置き利用ならばバッテリー自体使わずに、USBで常時給電しながら使いたいのが本音だ。

 しかし残念ながら本製品は、公式にはこうした使い方はNGとされている。もちろん自己責任で使うこと自体はできるが、むしろ最初から常時給電を想定した設計のほうが、ウケたように思えてならない。その点さえ許容できるようであれば、受信と送信の両方に対応し、使い方も容易、かつ性能も高いトランスミッターとして、おすすめできる製品だ。

製品名発売元実売価格
Anker SoundsyncAnker3999円