満足度は十分だけどやっぱり高い？　ドコモ専売ガラスフィルム「DOME GLASS」

カーブしているディスプレイにもきれいに貼れる「DOME GLASS」

　市販のスマートフォン用ガラスフィルムより、よほど最近のディスプレイに使われているCorning Gorilla Glassの方が硬いわけで、「ガラスフィルムなんていちいち貼る必要なんかないわ」と思っていたものの、LG V30+ L-01K購入から2カ月でディスプレイ表面に引っ掻き傷ができ、慌ててガラスフィルムを購入しに走った筆者であった。

　でも、せっかくなら特徴のあるガラスフィルムを貼りたいなと思った筆者は、5月のNTTドコモの発表会でデモをしていた、ドコモ専売の「DOME GLASS」を試してみることにした。すでに5月18日から全国の一部店舗で販売、施工が開始されている。詳しくはこちらの記事をご覧いただきたいが、液体状の接着剤を垂らしたところに専用の治具を使ってガラスフィルムを貼り、紫外線を当てて接着剤を硬化させ強固に固定、美しい見栄えと高い保護性能を発揮する、というものだ。

　最近の縁がカーブした2.5Dガラスとも呼ばれるディスプレイをもつ端末では、通常のガラスフィルムだと接着力が足りず、カーブした部分でガラスが剥がれて浮き上がることもあるようだ。このDOME GLASSでは、強力に接着できる分、そうした問題が発生することなく使い続けられるのもメリットだという。発表会のデモでは、接着剤がガラスフィルムに均一に広がっていく様子や、紫外線を当てるユニークな機材を目にしていて、アトラクションとしても面白いものだった。5940円という決して安くない価格でも、この施工作業をもう一度見られるならいいか、という気になったのである。

　というわけで、DOME GLASSを購入できるドコモショップをチェック。トレーニングを積んだスタッフが特殊な治具を使って施工する必要があるため、どこの店舗でも購入できるわけではない。この記事の末尾に記載したドコモのWebサイトでは対応店舗が一覧になっているので、そこから近所の対応店舗を見つけることができる。

ドコモのDOME GLASSの公式サイト

　ただ、対応店舗一覧がPDFファイルになっていたこともあって、実はこの時点で少し嫌な予感がしていたのだ。なぜか一切使われていないのに設けられている備考覧も気になる。しかしここは、あえて問い合わせることなく、表に記載されている対応店舗にぶっつけで行ってみることにした。ガラスフィルムを貼ろうと思い立ったのが前日の夜で営業時間を過ぎていたのもあるが。

対応店舗一覧がPDFで提供されている。何も書かれていない備考欄の謎

　翌朝9時50分、10時の開店前から並び、シャッターが開くとともに受付へ。DOME GLASSをつけたい、と話すも、「在庫がない」との返事。まだ機種名を言っていないのにどういうことだろう。人気爆発で全機種のDOME GLASSを売り切ったんだろうか、と少し疑問に思いながらも、機種名を告げて、近くの店舗で在庫のある店を教えてください、とお願いする。

　15分ほど待って店員が持って来たのは、店舗名だけが書かれた手書きボード。しかも、「近くの取扱店はこちらになります」というだけで、在庫があるかどうかはわからないという。こちらとしては、対応店舗はWebで調べれば自分でもわかるのだから、ユーザーがすぐには知りようのない在庫の有無を教えてほしかったのだが……。その店舗からは（理由はわからないが）他店舗に問い合わせることができないので、筆者自身が電話をかけて確かめてほしいという。

　せめて他店舗の電話番号を教えて、と改めてお願いしつつ、本当に全機種の在庫がないんですか、と聞けば、現在取り扱いを休止しているとのこと。だったら対応店舗として名乗ってはいけないのでは、とか、一覧のPDFファイルから感じた嫌な予感がやっぱり当たったなあとか、こういうときこそ備考欄を活用して「休止中」とか書いておくべきではとか、いろいろ思うところはあったけれども、他店舗の電話番号をもらって、無事在庫を確認できた6駅先のドコモショップへ。

　その店舗ではスムーズに購入を済ますことができ、待つこと10分、無事施工が完了したが、貼り付け作業はバックヤードで行っていたため、残念ながらその様子を見たり、撮影したりすることはかなわなかった。店内に施工するのに十分なスペースがないとか、専用治具を見せられないとか、そういうのが理由ではなく、担当の方からはきちんと納得できる回答をいただけたのだが、価格が価格だけに、施工作業を見学するという経験込みでの値段だと思っていたので、ちょっと残念。ぜひともいずれは購入者や来店者が見られる場所で施工するようにしてほしいものだ。

　ちなみに製品としては、ガラスフィルムの0.33mmという厚みが気になるかもしれないと思ったけれども、実際に自分のV30+に貼られているのを見る限りでは全く気にならなかった。専用治具を使っているだけあってズレなくきれいに貼られているし、指先の滑りも良い。1本入っていた引っ掻き傷が、液体接着剤でうまく埋められたのか、全く見えなくなったのはうれしい副作用。すでに画面が傷だらけで今さらフィルムなんて……と思っている人も、もしかするとDOME GLASSを貼れば傷が目立たなくなるかもしれない。

施工前のV30+

DOME GLASS施工後

カーブしている端まできれいに貼られている

当然ではあるがインカメラ周りもズレなし

普段使っているカバーの装着も問題なし

　1つだけ気になったところを挙げるとすれば、施工直後は接着剤がわずかにはみ出て、不完全に固まっている場合があること。スマートフォンをポケットに入れていると、ガラスフィルムの縁にホコリが付着しやすかったり、縁をマイクロファイバーで磨いたときに接着剤のカスが出てきたりする。つまようじでちまちま取り除いたけれど、あまり力を入れるとフィルムが剥がれてしまう恐れがあるので注意したい。施工直後はできるだけ端末に触れず、電源を切ったまま、日光の当たるところに置いて完全に乾くまで待った方がいいかも。

施工直後はフィルムとディスプレイの境目に接着剤のカスが出てくることがある

　それを除けば、製品としての満足度はとても高いのだが、施工している様子を見られなかったのが返す返すも残念。あと、賢明な読者のみなさまにおいては、面倒がらずに購入前に在庫の有無を必ず問い合わせてから店舗に向かっていただきたい。