本日の一品
タダで台所が電車になる!? けど課題もちらほらなデジタルサイネージ「T-STATION」
2018年3月28日 06:00
タダでもらえるなら、もらっておこうじゃないの。そんな軽い気持ちで申し込んでゲットしたのが、この家庭用デジタルサイネージ「T-STATION」。2018年6月30日まで実施されている実証実験用の、先着1万名までに配布される端末だ。タダとは言っても、モニターとして(おそらく後日)アンケートに答える必要があるのと、利用にはいくつか前提条件がある。
まず、東京ガスの都市ガスまたは電気の契約世帯であること。東京ガスの会員サービスmyTOKYOGASに登録していること。そしてTカードを所有していてYahoo! JAPAN IDと連携していることが必須。端末はWi-Fi経由でネット接続して利用するので、自宅にWi-Fiが使えるインターネット回線も必要だ。
端末の入手方法も、当初は少し面倒だった。3月26日現在、Webサイトを見ると「申込後、2週間程度でお送りいたします」という記載があるので手間はかからなそうだが、少し前までは都内の一部TSUTAYA店舗に出向いて受け取るのが基本で、フォームから問い合わせることで宅配による送付依頼が可能、となっていた。一度はわざわざ指定の店舗まで足を運んだのだが、Tカードを見せる必要があり、そのとき携帯していなかった筆者はすごすご退散するしかなかった。なので、結局送付してもらうことに。
そんな幾多のハードルを乗り越えて、ようやく我が家に届いたT-STATION。専用サービスしか使えない端末とはいえ、見た目としてはちょっと小さめのタブレットという感じだ。ボタン類は電源のみのシンプルな作り。充電用のACアダプターとUSBケーブル、専用スタンド、画面保護フィルムが付属していて、簡単なマニュアルもあるが、セットアップは電源コンセントと接続するだけなので迷うことはない。起動したらWi-Fi接続の設定をして、Yahoo! JAPAN IDでログインすれば使い始められる。
バッテリーは内蔵していないので、電源ケーブルは常時接続の状態。つまり据え置きで使うことが前提となる。ということで、我が家ではT-STATIONをなんとなくキッチンに置いてみた。付属スタンドのおかげで、料理や洗い物をするときに自然に目に入る位置だ。このポジション、あまり深く考えずに置いたとはいえ、実はけっこう便利だったりする。
トップ画面に最新ニュースが次々表示されるものだから、気になってほとんど常時点灯で見てしまうのだ。ニュースの配信元が共同通信ということもあり、見た目としては山手線電車内のデジタルサイネージであるトレインチャンネルそっくり。家庭にいながら電車に乗っているかのような気分……というと大げさだが、雰囲気はある。ちなみに、画面は常時表示が通常の使い方で、電源ボタンで一応オンオフできる。指定時間帯だけ自動でオフにする設定で消費電力を最小限に抑えることも可能だ。
天気予報も表示されるので、毎朝キッチンに立つと、確実にその日の天気と世の中の出来事を知ることができる。いちいちテレビをつけたりスマートフォンを使ったりすることなく、最低限必要な情報が簡単に手に入るのはなかなか便利だ。朝、忙しくて天気やらニュースやらをチェックするのが難しい人にもおすすめできる。
その他にもいろいろ機能・コンテンツはあるのだが、なかでも東京ガスの利用状況を確認できる機能は、ぜひ活用したいところ。ガス・電気の直近の使用量・料金を確認できるほか、過去の使用量・料金をグラフで見ることもできる。ただ、活用したいとは思うものの、ちょっとその気になれない“仕様”が問題だ。なにしろ画面をタップしてから情報が表示されるまで、少なくとも30秒はかかる。おそらく過去分の大量のデータを全部読み込み終わってから表示するのが原因の1つと思うのだが、とりあえず直近の使用量を知りたいだけなのに30秒も待たされるのはさすがに耐え難い。
近所のスーパーなどのチラシを閲覧できるチラシサービス「Shufoo!」と連携した機能も面白いのだが、文字が極小の最適化されていない画面でチラシを選ぶ必要があって、なんだか中途半端な作り。実証実験期間であるにしても、せめて東京ガスとの連携部分は主要機能の1つなのだから、レスポンスは改善してほしいものだ。なので、我が家では現在、専らニュース受信用端末として活躍しているのである。
製品名 | 提供元 | 価格 |
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T-STATION | CCC/東京ガス | 無料(モニター) |