本日の一品
IoTにも最適、モバイルWi-FiルーターになるUSBドングル「PIX-MT100」
2018年2月28日 06:00
外出先でPCを使うとき、ネット回線はモバイルWi-Fiルーターを使うことが多いが、自分だけしか使わない電波を飛ばすことになるのは無駄に思えるし、バッテリー残量を管理する端末が1台増えて手間にもなる。そこで、昔ながらのUSBに装着するタイプの通信アダプターを探していた。
USBドングルタイプのデータカード、NTTドコモでは2014年発売の「L-03F」以来、新製品が登場していない。事実上、絶版の状態で、中古で良品が手に入る機会も少ない。その前の機種の「L-03D」はLTEでBadn1のみ対応と、対応エリアに難がある。さらにその前の「L-02C」は、Windows 10では動作が不安定ときた。となれば、ドコモブランド以外で探すことになる。そんなときに見つけたのが、ピクセラのLTE対応USBドングル「PIX-MT100」だ。
名称からUSBポートに差し込んで使うモデム的なものと思っていた。ところが、実態は全く違っていて、これはUSBからの電源供給で動作するモバイルWi-Fiルーターだ。USBポート経由の通信も使えるが、機器の設定はWebブラウザーから行うという、まさにモバイルルーター仕様。一般的なモバイルルーターとの違いといえば、バッテリーを内蔵しないというところかもしれない。
電源のオン・オフは、USBに電源を供給するかどうかというシンプルさ。不要なときはUSBから抜いてしまえば電源オフになり、意図せず電源がオンになる心配もない。無線LANの電波を止める設定にして、USBポートで通信すれば当初の目的も達成する。バンドは2GHz帯(バンド1)のほか800MHz帯(バンド19)と1.8GHz帯(バンド3)に対応するので、ドコモの無線ネットワークを使う上でエリアの問題もない。
がぜん興味が湧いてきて、早速購入して使ってみたが、出先での使う通信モジュールとしては十分。何よりも電源オフの分かりやすさが便利だ。また、パソコンに直挿ししない場合は、その日の使用時間によって、組み合わせるモバイルバッテリーの容量を調節することもできる。
本当にPIX-MT100が有効なのは、通信回線のない場所にIoT機器を置いておくような場合。長押しで電源をオンにする、一般的なモバイルルーターのようと比べると、電源オンの確実性は数段上がる。汎用の電源タイマーと組み合わせれば、一定時間だけ通信をオンしておくこともできる。同様のデバイスにはNECプラットフォームズの「Aterm HT100LN」もあるが、PIX-MT100はUSBで電源供給できて圧倒的に小型なので活用範囲が広い。
たとえば、ネットワークカメラを動態監視設定にしておいて、格安SIMとこの機種を組み合わせれば、ネット回線のないところに設置できる監視カメラになる。Raspberry Piや同等の小型パソコンと周辺機器を組み合わせる遠隔制御の回線としても使えそうだ。
また、自動車の車載IoT通信機器と組み合わせた場合にも、自動車用のUSB電源アダプターを使えば、エンジンを始動すると通信回線が有効になり、エンジンを切ると通信も切ることができる。ただし、車種によってはエンジンをかけるときにアクセサリー電源が不安定になるものもあるので、ピクセラでは「エンジン始動時にはシガーソケットから外してください」としている。そこは注意すべきだろう。
パソコンに接続するとき以外は、ACアダプターが一体となったモバイルバッテリー「Anker PowerCore Fusion 5000」と組み合わせて使っている。これなら電源があってもなくてもシームレスに使えている。よく調べてみると海外ではファーウェイの「E8372」といった同様でより安価な製品もある。日本でもこのタイプのモバイルルーターが流行ってほしいものである。
製品名 | 販売元 | 購入価格 |
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LTE対応USBドングル PIX-MT100 | ピクセラ | 1万2517円 |