スタパ齋藤のApple野郎

macOSの愉快でナイスな合成音声で遊ぶ!!!

 macOSには「スピーチ」などと呼ばれる音声合成機能(テキスト読み上げ機能/TTS)がある。ご存知のかたも多いと思うが、「画面上のテキストを読むことに問題がある場合は、キーボードショートカットを押すことで、いつでもMacにテキストを読み上げてもらうことができる」という、より多くのユーザーにとってMacを使いやすくするアクセシビリティ系の機能だ。

 macOSが表示している画面上のテキストはほとんど読み上げさせることができる。どんな感じに読み上げるのか、まずは見てみよう。

WebブラウザSafariで記事を表示させ、macOSの音声合成機能で記事の一部を読み上げさせてみた。

 AI時代の現在では「ちょっと流暢さに欠ける?」といった感じの日本語読み上げだが、まあまあ実用的。ほかの声を選べばもっと流暢に読み上げたりもする。この音声合成機能は30カ国語以上に対応し、macOSの標準機能なので無料で使える。

 使い方はmacOSユーザーガイドの「Macで画面上のテキストを読み上げる」で説明されている。システム設定から少し設定すればすぐ使い始められる。

macOSのシステム設定>アクセシビリティ>読み上げコンテンツで、読み上げ言語やシステムの声、読み上げ速度や音量を設定。「選択項目を読み上げる」をオンにすれば音声合成機能を使える。読み上げさせたいテキストを選択してOption+Escキー(デフォルトのキーボードショートカット)を押せば読み上げが開始される。途中で読み上げを中止する場合は、再度Option+Escキーを押す。
日本語読み上げに使える声の種類は現在のところ全部で9種類ある。声は「システムの声」の選択肢の「声を管理……」から追加・削除できる。

 なお上記で「選択項目を読み上げる」をオンにしているが、テキストエディットなどのアプリでテキスト未選択状態の場合、カーソル位置の直後から読み上げが開始される。カーソルがテキストの最後にある場合、テキストを最初から読み上げる。

 とまあ説明しても、使っているユーザーはあまりいなさそうな……。「へぇmacOSでも音声合成できるんだネ」って平凡な感想が出るだけかもしれない。

macOSの英語の音声合成はリッチ、しかも「スゲく遊べる声」もある!

 平々凡々に見えるmacOSの音声合成機能だが、こと英語になると豊かさがスゲいのだ。声の種類は多いわ各国独自イントネーションの英語が使えるわ、どれを使うか迷うほど。

macOSのシステム設定>アクセシビリティ>読み上げコンテンツで、読み上げ言語として「英語」を選ぶと、ヒッジョーに多彩な「システムの声」を使えるようになる。

 まあ世界的共通言語だけあって力の入りようが違う。へぇ〜インド英語ってこういう感じなのか……確かにそうかもしれない。みたいな興味深さがある。

 とか説明しても「へぇmacOSの英語の音声合成って声の種類が豊富なんだネ」ってくらいな感想かもしれない。まあ、いまどきはWebサイトでフツーに英語発音機能とか使えたりするし、スマートフォンでも同様だし、声種豊富な英語発音アプリなんかも多い。

 だがしかし!!! macOSにはずーっと以前から、アップル独自の愉快でナイスな英語の合成音声が搭載されているのだッ!!!

 って、プログラマーの人なら当然ご存知だろうし、Macを多用しているユーザーにもおなじみだと思う。だが、知らないと「えっそんなことできるんだ! やってみたーい!」となるような気がするので、まずはその愉快でナイスな英語の合成音声の一部をお聴きいただこう。

macOS音声合成機能の英語音声のひとつ。英文を歌いながら読み上げちゃうのだ。

 おもしろくないですか、コレ? かな〜り以前(いつからなのかは記憶にない)からある「アップル独自の合成音声」だ。後述するがバリエーションも豊富。独自路線の楽しい合成音声として抜きん出た存在だと思う。

「奇抜」カテゴリーにいる15人のユニークな声たち

 俺の場合、この「アップル独自の合成音声」がスゲく好き。ほかでは聴けない文字通りユニークな声は、聴いているだけで楽しくなる。

 具体的には15種類のユニークな声がある。読み上げ言語「英語」のシステムの声の「奇抜」カテゴリーから選び、すぐに使う……っていうか遊ぶことができる。

macOSのシステム設定>アクセシビリティ>読み上げコンテンツで、読み上げ言語として「英語」を選ぶ。さらに「システムの声」で「奇抜」カテゴリーを選ぶと……。
Albertから始まる15種類の「独特の奇抜な声」を利用できる。

 15種類の声は順に、Albert、Bad News、Bahh、Boing、Bubbles、Cellos、Good News、Zarvox、オルガン、ささやき声、スーパースター、トリノイド、ベル、震え、道化。どれも「とりわけ印象的な声」ではあるのだが、「仕事で使ったらひんしゅくを買いそうな声」でもある。音質的には楽曲のいちサウンドとしても使えるクオリティかもしれない。とまあ文字で説明してもナンなので、実際の音声を動画にて。

「Albert」の音声。しゃがれ声だ。
「Bad News」の音声。気が滅入る感じの替え歌。
「Bahh」の音声。Bahh……ってナニ?
「Boing」の音声。音声がビョーンと跳ねている?
「Bubbles」の音声。水中から湧き立つ泡のような音。
「Cellos」の音声。チェロのようなサウンド?
「Good News」の音声。福音な感じ。
「Zarvox」の音声。サイボーグやマシンを連想させる声。
「Organ」の音声。パイプオルガン的な声で替え歌。
「Whisper」の音声。ささやき声。
「Superstar」の音声。いまは亡き歌もダンスもすごいあのスーパースター?
「Trinoids」の音声。和音のような声。
「Bell」の音声。鐘の音が混じった声。
「Trembling」の音声。震えている感じの声。
「Clown」の音声。道化師が笑いながら話す声。

 といった感じのmacOSの「奇抜」な英語の合成音声。本日もコレでぜひ! 遊んでゆきたいッ!!!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。