スタパ齋藤のApple野郎

iPhoneって高音質USBマイクになるんだ〜!

iPhoneのマイクはけっこう高音質、Mac用外部マイクとして使えない?

 iPhoneをMac用の外部マイクとして使えないものか? 調べてみたら、わりと簡単に使えるのであった。

 ナゼにiPhoneをMacにつないでマイクとして使おうと思ったか?

 それは久々にインタビュー仕事をしたから。聞き手となって、聞いた話を記事としてまとめるという仕事ですな。

 インタビューは苦手で、普段はあまりインタビュー仕事は受けていない。のだが、「インタビューなら、アレを使ってみたい!」と思って、今回は思い切って仕事を受けた。

 この「アレ」というのはAndroidのレコーダーアプリによる日本語文字起こし。話している内容を逐一テキスト化してくれるという凄い機能である。もともとGoogle Pixel 6やGoogle Pixel 6 Pro向けに提供されていた機能だが、現在ではGoogle Pixel 3以降の旧機種でも使えるようになっている。

 手持ちのGoogle Pixel 4aでこの日本語文字起こし機能をテストしていたのだが、驚異的と言えるレベルの認識率。話した内容がどんどんテキスト化されていくので、これは仕事に使えるな、と。

 ……いや、インタビュー苦手だからきっとあんまり使わないけど。いや〜でも仕事の現場で実際に試してみたいニャ、と好奇心が上回っていたところに、偶然インタビュー仕事が舞い込んだのでサクッと引き受けてしまった。で、インタビュー当日は↓こんな雰囲気で会話を録音。

インタビューの録音はGoogle Pixel 4aとiPhone 13 miniで行った。Google Pixel 4aで録音しつつの日本語文字起こしをし、iPhone 13 miniではバックアップ録音。このほか、GoProで「自動文字起こしからも録音音声からも何を言っているのかわからないときための予備映像」を撮影した。メモはほぼ取らず

 結果、インタビュー自体はイイ感じで進んだものの、Google Pixel 4aが途中でトラブルを起こした。自動文字起こし中のレコーダーアプリを停止し、再度録音を開始したら自動文字起こしが行われなかった(その後これに気づいて端末を再起動したら直った)。合計で40分ほどは自動文字起こしが行われなかったのだが、後日、その部分の音声をiPhone 13 miniで再生しつつGoogle Pixel 4aで録音しながらの文字起こしをさせることで解決できた。

 で、そのとき、iPhone 13 miniで録音した音声を聞いて「あーiPhone 13 miniってイイ音で録音できるなぁ」と再確認。iPhone 13 Pro Maxでも録音してみたらやっぱりイイ音であった。「iPhoneってマイクの性能が高いなあ」と再実感した次第。

 そして「この音質で録れるならMac用の外付けマイクとしてイケるよな」と。同時に「でもどうやってiPhoneをMacの外付けマイクに?」と思って調べたら、iPhoneで適切なアプリを使いつつMacにUSB接続すればいいことがわかった。

iPhoneをMacの外付けUSBマイクとして使う手順

 必要なのは、iPhoneをマイクとして使えるようにするアプリと、Lightning-USBケーブル。接続先はM1 Mac miniとしている。たぶんWindowsマシンに接続してもイケると思うが試していない。スマンす。

 アプリはいくつかあるが、無料で使える「Microphone Live」(https://apps.apple.com/jp/app/id1070812067)を使った。とてもシンプルに使えるアプリだ。

Microphone Liveは無料で使える「iPhoneをマイクとして使うためのアプリ」で、たとえばiPhoneとBluetoothスピーカーを無線接続し、このアプリを使って話すと、話し声がBluetoothスピーカーから出る。iPhoneを外付けUSBマイクとしてMacに認識させる場合にもこのアプリを使うケースが多いようだ。iPhoneの“どのマイクを使うか”“指向性はどうするか”などを設定することもできる。アプリ内課金ではコンプレッサーやピッチシフターといったエフェクトが購入でき、購入すると広告表示も消えるようだ

 ちなみに、iPhoneには3つのマイクが搭載されているそうだ。マイクの位置は以下のとおり。アプリによってどのマイクが使われるか変わってくるもよう。

動画撮影時にはカメラ近くのマイクが使われるようだ
通話時にはiPhone下部のマイクが使われるっぽい
この位置にもマイクがある。ボイスメモアプリではこの位置のマイクが使われるようだ

 さて、Microphone Liveアプリを入れたら、iPhoneとMacをLightning-USBケーブルで接続する。次いでMacの「Audio MIDI設定」で接続したiPhoneを有効にし、iPhone上でMicrophone Liveアプリを起動してマイクをオンにし、Macのシステム環境設定の「サウンド」の入力でiPhoneを選べばOK。そうしてもiPhoneの音がMacに入力されなかったら、Microphone Liveアプリでマイクをオフにして再度オンにすると直ることが多い気がする。

iPhoneとMacをLightning-USBケーブルで接続すると、Macの「Audio MIDI設定」に接続したiPhoneが現れる。ので、これを有効にする
Microphone LiveアプリのMicセクション表示の画面真ん中にあるのが、マイクをオン/オフするボタン。これをオンにすればiPhoneがマイクとなって機能し、拾った音がMacに流れるというわけだ。マイク音量はこの画面で上下にスワイプすれば調節できる
Macのシステム環境設定「サウンド」の入力でiPhoneを選ぶのを忘れずに

 その後は、iPhoneがMacの外付けマイクとして使えるようになる。ボイスメモアプリで声を録音できたり、iPhoneをビデオ会議用のマイクとして使えたり。iPhoneを汎用的なUSB接続マイクとして使えるというわけだ。

 でもMacBookにもiMacにも内蔵マイクがあり、けっこーイイ音で声を拾えたりしますな。マイク非搭載のMac機種は多くないので、この方法が必要になる人はあまり多くないような気もする。

 でも、ヘタなUSBマイクよりもイイ音で録れるiPhone内蔵マイク。スマートフォンスタンドを使えば設置位置の自由度も高い。状況によってはiPhoneのUSBマイク化が役立つことがあると思うので、上記の方法、頭の片隅に入れておいても損はないと思う。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。