スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」
全部入りじゃ~ん!! なモバイルルータ「AtermMR03LN」
(2014/3/3 06:00)
全部入りじゃ~ん!! なモバイルルータ「AtermMR03LN」
今回のブツはNECアクセステクニカのモバイルルータ「AtermMR03LN」。発表当初からヒッジョォ~に気になる存在であった。ので「例のBluetoothテザリングとかWi-Fiブリッジ接続とかに対応しているというアレ使わしておくんニャさい」とかメーカーに言ったら試用できる機会をゲット!! ラッキー♪ てなわけでズギャッと試してみたのであった。
ナゼこの「AtermMR03LN」に興味を持ったかと言うと、率直なところ「全部入りモバイルルータ」だと感じたから。フツーにWi-Fi接続のモバイルルータとして使えるほか、電池がよく保つBluetoothテザリングにも対応し、さらに公衆無線LANへのブリッジ接続も可能で、クレイドルにセットすれば自宅やホテルのLANへブリッジ接続できるWi-Fiアクセスポイントとして機能する!! ちなみにBluetoothテザリング時のバッテリー持続時間は24時間!! スゴ!!
さらに!! 今後ソフトウェアアップデートによりSIMロックフリー化まで予定されているッ!! スペック的に、もしかしたら神モバイルルータかもしれニャい!! とか興味津々だったのである。
てなわけで以降、「AtermMR03LN」の機能や使用感についてレポートしてみたい。が、ザッと使った俺的結論から言えば、多くの面で突出したモバイルルーだであった。ほほほ、ホントに神モバイルルータかもしれニャい!! みたいな。最強に良いと思った。
ちなみに、Shop@Atermでは2万9800円で売られている。が、なーんか現在品薄中みたいですな。ともあれ、以降、レポを。
軽い~薄い~♪ でも超時間使える!!
まずは「AtermMR03LN」の概要から。ドコモMVNOのmicroSIMを挿して使えるモバイルルータで、クアッドバンドLTE(2GHz/1.7GHz/1.5GHz/800MHz帯・下り最大150Mbps)に対応する。ルータ側の無線インターフェイスはIEEE 802.11ac/n/a/b/gおよびBluetooth 4.0となっている。オプション品のクレイドルを使えば、Gigabit Ethernet対応有線LANにケーブル接続し、「AtermMR03LN」を11ac対応Wi-Fiアクセスポイントとして利用することもできる。
電源は3.8V/2300mAhのリチウムイオンバッテリーで、交換できる。充電はMicro USB端子もしくはクレードル経由で行なう。なおバッテリー持続時間は、LTE/3G利用時に「AtermMR03LN」とクライアント(子機)端末がWi-Fi接続の場合は約12時間、Bluetooth接続(Bluetoothテザリング)のときは約24時間となっている。
なおこの「AtermMR03LN」、既に「BIGLOBE LTE・3G」や「@nifty do LTE」、「ぷららモバイルLTE」といったサービスのセット品として購入できる。また、Shop@Atermからも購入できる。
さておき、「AtermMR03LN」に触れた印象としては、軽くて薄いということ。サイズは約幅6.4×高さ11.1×厚み1.1cmで、バッテリーを含む質量は102g(実測値)。小型のスマートフォンや小容量のモバイルバッテリーより小型軽量というイメージですな。胸ポケットに入れても違和感がないサイズと質量だと思う。これで最長24時間駆動というのは、なんか信じられない感じ。
電池の保ちに関する印象を先に言ってしまえば、徹底したロードテストをしたわけでないが、Wi-Fi利用時で12時間保つというフレコミは「なるほど」という感覚。MacBook Air 13インチ(2013年モデル)と併用していると、「MacBookと同程度もしくはそれ以上のバッテリー持続時間がある」という印象になり、これなら1日中使えるなあ、と。
また、iPad AirやiPad miniからBluetoothテザリングを利用しているときの印象は、わりと頻繁にテザリングしたつもりでも、「あら~なんか全然電池減ってないなあ」という感じ。1日余裕で使いまくれますな。
Wi-Fiテザリングで使ってもBluetoothテザリングで使っても、フツーに朝から晩まで電池が保つという感じですな。「電源オフをせずに使い続けられるモバイルルータ」と言いきれそう。
ちなみに「AtermMR03LN」は、USB充電中でもデータ通信ができる(クレイドルにセットした場合も同様)。なので「AtermMR03LN」にプラスしてモバイルバッテリーを持ち歩けば、さらに大安心であり、出張なんかでも余裕で活用できると思う。
それと、上記のようにバッテリーが交換可能なので、予備バッテリーを用意しての運用も現実的。ただ、バッテリー交換のために本体背面のフタを開く必要があるが、これがミョーに硬い。複数の爪で閉じられているフタだが、「開くときに爪が折れるのでは?」ってくらい硬い。これは残念な難点ですな。
難点ツイデにもうひとつ言えば、押せているか押せていないかいまいちハッキリしない電源ボタンの押下感もイマイチ。たびたび押すボタンでもないので大きな問題はないが、もうちょっと明確な押下感が得られる電源ボタンにして欲しかった気がする。
ただ、ほかは難点ナシという印象。機能も操作感も上々で、個人的には今まで使ってきたモバイルルータのうち最も使いやすいと感じている。
設定は容易、本体UIも実用的
さて、「AtermMR03LN」の設定面での使用感だが、全体的に容易だと感じられた。どういうユーザーレベルから見て「容易」なのかであるが、何度かWi-Fiルータの設定をしたことがあれば「ああココに設定するのか」という箇所がすぐ見つかると思う。付属の説明書類(つなぎかたガイドなど)もコナレたデキなので、これらの手順に従って設定すれば、初心者でもつまずかずにセットアップできるだろう。
あと、NECアクセステクニカのルータ類を使ったことがあれば、「いつものアレね」という感じで設定を進められる感じ。設定の方法はいくつかあるが、「AtermMR03LN」にワイヤレス接続したスマートフォンやタブレットやPCなどのウェブブラウザーから設定すると、そう感じられる。「AtermMR03LN」の設定用ウェブサーバー「クイック設定Web」にアクセスすれば、NECアクセステクニカのAtermシリーズとほぼ同様の感覚で設定を進められるんですな。
設定が済めば「AtermMR03LN」をモバイルルータとして使い始められる。のだが、「AtermMR03LN」はWi-FiでもBluetoothでも使えて、さらに公衆無線LANや家庭内ネットワークへのブリッジ接続もできる多機能ルータ。じつは、その多機能さがわかりにくさや使用感の悪さにつながっていないか、とか少々危惧していた。
しかし、本体のタッチパネルにより、そういう不安は解消された。「AtermMR03LN」には、2.4インチのLCDタッチパネル(静電感応式/320×240ドット)が搭載されているが、これがなかなかツカエルのだ。タッチした反応もまずまず良好だし、表示もわりとわかりやすい。もちろん各種状態表示が行われるが、設定やモード変更の操作もスムーズに行える「操作するためのタッチパネル」として十分な完成度があると感じられる。
個人的には、ショートカット機能が大役立ち。表示のトップ画面から、ショートカットというボタンをタッチすると入れるモードだが、ここから、ワンタッチで「AtermMR03LN」の動作モードを変更していける。
ショートカットで具体的に何ができるかと言うと、公衆無線LAN接続のオンオフ、エコモードのオンオフ、LTE/3G接続のオンオフ、ルータ動作とブリッジ接続の切り替え、Wi-FiテザリングとBluetoothテザリングの切り替えとなる。これが実際使うとヒッジョーに便利。状況に応じて「速度はあまり必要じゃないからBluetoothテザリングにしよう」とか「公衆無線LANアクセスポイントが多いエリアだから公衆無線LANをオンにしよう」といった切り替えを、意識的に、かつスピーディーに行えるのがイイ。
個人的な使い方では、なるべく「Wi2 300」などの公衆無線LANサービスにつなぎ、それらの通信状況が悪いとかアクセスポイントがないという場合にはLTE/3G回線を使ったりする。「AtermMR03LN」の場合、公衆無線LANをオンにしていれば、自動的に公衆無線LANのアクセスポイントに接続してくれる。
が、公衆無線LANって場所によって「電波は掴んだけど使い物にならない」みたいなことあるじゃないスか。そんなときは公衆無線LANはオフにして、LTE/3G回線につなぐ。その操作が画面タッチ一発で行えるので、非常に快適なんですな。
あと、「AtermMR03LN」を前述の別売クレイドルにセットして有線LANへのブリッジ接続ができること。たとえばホテルのEthernetポート(LANポート)に、PCなどを有線接続してインターネット接続できるシチュエーションは多いが、「ケーブル接続じゃなくて、Wi-Fi接続にしたい」という人向けにポケッタブルな無線LANルータが多々発売されている。「AtermMR03LN」の場合、その役割も果たしてくれる。「AtermMR03LN」に充電しつつホテルなどのLANを無線化できるので、一石二鳥感が高いクレイドルですな。
てな感じの「AtermMR03LN」。モバイルルータとして、Wi-FiテザリングにもBluetoothテザリングにも対応して、自動で公衆無線LANサービスを捕まえてくれる機能もあり、電池もバッチリ保つし、電池交換対応だし、設定Webページや本体画面UIも使いやすいし、充電にもホテルWi-Fiルータ的にも使えるクレイドルが用意されているしで、このモバイルルータはも~すニャらしいっ♪ と思いましたよええマジで。
前述のとおり、今後はソフトウェアアップデートによりSIMロックフリーのモバイルルータとして使えるようになるとも言う「AtermMR03LN」。それ以前に、まあドコモMVNOのSIMの多くを挿せて使えるので、通信料金を抑えつつ使えるモバイルルータに興味のある方は、ぜひ一度「AtermMR03LN」をチェックしてみてほしい。