スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」
PCレスでイロイロできそ~なドキュメントスキャナ
(2014/1/6 06:00)
PCレスでイロイロできそ~なドキュメントスキャナ
今回のネタはブラザーのドキュメントスキャナ「ジャスティオ」シリーズの最新型となる「ADS-1500W」。2013年11月に発売された製品だが、いくつか興味深い機能があったので試用してみた。
ADS-1500Wは、A4カラー原稿の両面同時スキャンに対応したドキュメントスキャナ。スキャン速度は毎分18枚/36面で、コンパクトサイズのドキュメントスキャナとしてはなかなか高速だ。
PCとUSB接続してスキャンできるほか、Wi-Fi機能を備えているのでPCとWi-Fi接続してスキャンすることもできる。対応OSは、Windows XP/Vista/7/8およびMac OS X 10.6.8以降となっている。
また、豊富なネットワーク系機能を備えており、PCを使わずにスキャンすることもできる。たとえば「Brother iPrint&Scan」アプリを使って、iPhone/iPod touch/iPadなどのiOS端末や各種Android端末に直接スキャンすることができる。
あるいは、スキャン結果を各種クラウドサービスに直接アップロードしたり、FTPサーバーに転送することもできる。スキャン結果をメールに添付して自動送信することも可能だ。PCを使わず、ADS-1500W単体で、かな~りのコトができるというイメージですな。
てなわけで以降、ADS-1500Wの機能や使用感について書いてみたい。なお、ADS-1500Wはヒッジョーに多機能なドキュメントスキャナなので、各機能の詳細についてはメーカーの製品紹介サイトや製品マニュアルをご参照いただきたい。
コンパクトなドキュメントスキャナ
ADS-1500Wはドキュメントスキャナ「ジャスティオ」シリーズの中では、「ポータブルタイプ」と位置付けられている。サイズとスキャン速度が、モバイルタイプとデスクトップタイプの中間というイメージ。基本的には机上に据え置きして使うが、容易に移動でき、そこそこ高速にスキャンできるドキュメントスキャナってわけですな。
てな感じで、ドキュメントを手早く電子化するにはイイ感じで使えるドキュメントスキャナですな。USBでもWi-FiでもPCに接続して使えるので、幅広い利用スタイルに対応してくれそうだ。
PC不要で各種クラウドサービスに直接アップ♪
ADS-1500Wはヒッジョーに多機能&高機能なドキュメントスキャナなのだが、個人的に「あーコレは便利~」と思ったのは、各種クラウドサービスへのスキャン結果(ファイル)の自動アップロード機能だ。まあ、こういう機能自体はほかのドキュメントスキャナにもあるが、ADS-1500Wの場合はPCを介さずにアップロードできる。
具体的な手順は、まずウェブ経由でクラウドへアップロードするための準備をする。準備と言っても、専用のポータルサイトから使いたいクラウドを選んで仮登録IDを取得し、これをADS-1500Wに入力すればいいだけですな。
その後は、ADS-1500WがWi-Fiでネット接続されていさえすれば、ADS-1500Wのみでスキャン結果をクラウドにアップロードできるようになる。スキャナ→PC→クラウドサービスという流れではなく、スキャナ→クラウドサービスという流れになるわけだ。
あ~ら便利♪ 手元の書類を電子化してクラウドに送信。あとはどこからでも自由にスキャン結果を利用できるようになる。作業の流れとして、ヒトツの理想形かもしれませんな。
設定不要でメール添付送信が可能
ほかにもPC要らずでデキることが多々あるADS-1500W。たとえば、スキャン結果をFTPしたり、LAN上の共有フォルダに入れたり、本体背面に挿したUSBメモリに書き込んだりできる。スキャン原稿とADS-1500Wがあれば作業完了となるコトがかなり多い。
個人的にけっこー驚いたのが、スキャン結果をメールに添付しての送信。ADS-1500W単体で、PDFやJPEGといったファイルをメールに添付して送れちゃうのである。
その方法は2パターンあって、ADS-1500W内に自分でメールアカウント設定をして送信先メールアドレスを入力して送信する方法と、設定不要で送信先メールアドレスだけ入力する方法となる。もちろん、後者の方法が断然ラク。これは「簡単Eメール送信」機能と呼ばれるもので、ブラザーの専用クラウドサーバーを介してメールを送信するので、メールアカウントの設定が必要ナイのだそうだ。
これまた純粋に便利ですな。ADS-1500W単体でスキャン→メールに添付しての送信が完結。前述の「簡単Eメール送信」機能を使えばメールアカウントの設定も要らないので非常にお手軽である。
ただ、常用のメールアカウント/サーバーを使いたいという場合、微妙にクセが感じられるかも。ADS-1500Wへのメールアカウント設定は、ADS-1500WのタッチパネルもしくはADS-1500W内蔵ウェブサーバーにアクセスして行うが、どちらで行ってもあまり親切な印象ではない。メールアカウントやサーバーなどについてある程度専門的な知識がないと、設定は難しいように思われる。
このあたり、ヘルプ機能やウィザード機能などで、もう少しユーザーをサポートして欲しいという印象は残った。でもまあ、とりあえず「簡単Eメール送信」機能使っちゃえばいいんですけどネ。
スマートフォンやタブレットへ直接スキャン
これまたADS-1500W単体でスキャンできる方法だが、ADS-1500W→スマートフォン/タブレットへの直接スキャンにも対応している。スマートフォンやタブレットに「Brother iPrint&Scan」アプリをインストールし、同じWi-Fiネットワーク内でアプリからADS-1500Wを探せば使える。つまり、ADS-1500Wとスマートフォン/タブレットだけで、スキャン→スキャンしたファイルの活用ができるわけですな。
スマートフォンやタブレットといった端末は、各種アプリが揃ったコンピュータ。当然、スキャン結果のファイルをメールで送るとか、クラウドに上げるとか、いろいろデキまくりなのである。そういう端末へ直接スキャン結果を送れるのはやはり便利だ。
てな感じでイロイロな立ち位置から活用できそうなADS-1500W。俺的には、ここまで活用幅が広くて実勢価格3万円前後ってのは好印象となった。スキャン速度もけっこー速いしネ♪
ただ、多機能であるからか、説明書や関連ソフトウェア類、あるいはウェブサーバー経由での設定がわかりにくい感じがする。どこをどうすればどうなるの~? みたいに迷いがち。ソフトウェアやウェブサーバー自体はしっかり作られていて実用性が高いが、それらを使いこなすにはひとつふたつハードルを越える必要があるかもしれない。
たとえば製品マニュアルとかけっこー業務用って感じのノリで、ぶっきらぼうなんスよね~。製品マニュアルに目を通せば、そのニュアンスが何となくわかると思う。
でもADS-1500W自体は非常に実用性の高いドキュメントスキャナだと感じられた。先進的な機能をたっぷり備えた全部入りドキュメントスキャナと言えるかもしれない。ので、興味のある方はぜひ一度実機に触れつつチェックしてみてほしい。