スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

Apple Magic Keyboardに下駄を履かせてみたところ……?

Touch ID搭載Magic Keyboardを頑張って使ってゆくゼ!

 Appleの「Touch ID搭載Magic Keyboard」を愛用中である。Appleシリコン搭載Macで指紋認証が使えるキーボードで、俺の場合はテンキーレス・US配列のものを使用中。

 ただし、愛用中なのは、このキーボードのたったひとつのキーだけだ。使っているキーは指紋認証ができるTouch IDキーのみ。

 でも、このひとつのキーを使うだけでも便利。Macがスリープ中にこのキーを押せばスリープから復帰しつつ指紋認証ログオンができ、Mac使用中にはこのキーを押すだけでIDとパスワードなどを自動入力できたりし、さらにこのボタンを押すことでMacをスリープ状態に移行することができる。

俺的デスクトップ環境。メインに使っているキーボードは東プレ「REALFORCE for Mac TKL」。レビューはコチラ(東プレ「REALFORCE TKL for Mac」、このキーボードを待っていたンだっ!!!!
Touch ID搭載Magic Keyboardは机上の端に立て、Touch IDキーのみ使っている

 上の写真のような状態でTouch ID搭載Magic Keyboardを使ってきた。でもなんか、せっかくキーが80個近く搭載されているMagic Keyboardなんだし、やっぱり机の端に立てているとTouch IDキーを使うときに腕を伸ばさなきゃいけないし……モヤモヤするんスよね〜この状態。というわけで、頑張ってできるだけTouch ID搭載Magic Keyboardを使うようにしている今日この頃。

 だがしかし、率直なところMagic Keyboardはやっぱり使いにくい。キー自体の打鍵感はわりとイイ感じだし、美しいデザインもナイス。なのだが、低すぎるのである、高さが。

左がメインで使っているREALFORCE for Mac TKL、右がTouch ID搭載Magic Keyboard。いちばん手前のキーの机面からの高さは、REALFORCEが約26mmで、Magic Keyboardが約6mmだった。2cmも高さが異なる
REALFORCE for Mac TKLは、奥にある脚を立てて傾斜を強めにして使っている。奥のキーの高さの差は40mmほどある

 常用しているREALFORCEと、頑張って使うようにしているMagic Keyboardでは、高さの差が大きいので、Magic Keyboardにはなかなか慣れることができない。またそれ以前に、Magic Keyboardはキーボード製品全体から見ても非常に背が低い製品で、「Magic Keyboardをずっと使ってきた」という人以外は、恐らく「低っ! 低くて打ちにくっ!」という印象になると思う。

 俺もそうで、ここまで低いと、この先もなっかなか慣れそうにない。また、慣れたら慣れたで、Magic Keyboard以外は受け付けなくなりそう。

 というわけで、Magic Keyboardを高くしてみた。少し高さがあれば、たぶんグッと使いやすくハズ、と考えたんですな。

スポンジを貼るほどに使いやすさが増してゆく

 Magic Keyboardの高さを増すために、スポンジを貼り付けてみた。天然ゴムでできたスポンジで、やや滑りにくく、あらかじめ両面テープが接着されているもの。以下の写真のように使い、高さを増していった。

こんなスポンジをMagic Keyboard裏面に貼っていく。モノはAmazonで買った「NRスポンジ 5mm厚 30×1000mm テープ付」で、166円だった
まずはMagic Keyboardの裏面奥側に2枚ずつ貼り、高さを10mmアップしてみた
貼った後。10mmアップしただけで、ずいぶん高くなったような印象
これは貼る前のもの

 Magic Keyboard裏面奥側を10mm高くしてみたが、これだけで使い勝手がダイナミックに変わる。かなり打ちやすくなった。なーんだぁ〜Magic Keyboardって使いやすいじゃ〜ん、スポンジ貼れば〜。

 でも、もうちょっと高くてもいいかも。手前が低いままで、コマンドキーとかスペースキーとかの扱いにやっぱり違和感あるんスよね。ということで、さらにスポンジを貼っていく。

今度は手前も高くしてみる
キーボード裏面手前を10mmアップし、奥側を20mmアップとしてみた

 すると、さらにスゲく、Magic Keyboardが使いやすくなった。高さを増すだけで、ここまで使いやすさが変わるのか……と、けっこう驚いた。でも、もう少し高くてもいいかな……などと考えてスポンジを増し増しに追加しまくっていった。

 そしてあることに気づいた。これって……REALFORCEの高さや傾斜に近づくほど、Magic Keyboardの使いやすさが増していくって感じ?

 そうなのか? 打鍵感とかキー配列とかそういうこと以前に、高さとか傾斜が重要なのか?

 いや、考えてみれば慣れに慣れた高さ傾斜のREALFORCEだし、打鍵感は異なるもののキー配列がREALFORCEに近いMagic Keyboardだし。高さが揃えばMagic Keyboardの違和感が大きく減らせるのか、単純に。じゃあ試してみよう。

スポンジを増し増しの増し増しにして、REALFORCEとMagic Keyboardの高さと傾斜をだいたい揃えてみた。高さは、押下時にキーのスイッチが入る位置をおおよその目安としてみた

 結果、Magic Keyboardがむちゃくちゃ使いやすくなった。あとは小さめの上下カーソルキーおよびdeleteキーがないことにさえ慣れれば、Magic Keyboardだけでイケると感じられるほどだ。

 だがしかし、増し増し増し増しスポンジが非常にカッコ悪くみっともなくサイテーであって台無しである。白いスポンジを横長に貼ったりすればマシにはなると思うが、なんかこう、これから長く使おうという道具に間に合わせのスポンジってのもなぁ……。

 じゃあアレか、Magic Keyboard用の台座みたいな、スタンドみたいな、木でできたキーボード台的なアレを下に置いて、その下に高さ調節のスポンジ的なものを貼ったりすれば、ちょっとはイイ感じになるのかな?

 と思って探してみたが、ああいうキーボード置き台みたいなサポートグッズ、なんか激減してしまいましたな。入手性が非常によろしくない状態になっていた。

じゃあ木の板を重ねて……

 キーボード台座、現在は少ないんスね〜。ということで、手近にあった木の板をキーボード台座にしてみることに。以下、写真とともに見てみよう。

「桧タイルマット」という畳の上などに敷いてフローリングにする木材をキーボード台にしてみることに。角度はこのくらいでいいかな?
その上にMagic Keyboardを置いてみる
なかなかイイ角度と高さで、打ちやすい
ん〜、でもなんか〜、んんんん〜

 木をそれぞれ接着し、キーボードとの接触面に滑り止めテープなどを貼れば、ちゃんと使えるキーボード台になりそう。であるが、なーんか比較的に壮絶な「コレジャナーイ」感が漂うのであった。んむ〜むむむ……。

キーボードに傾斜を加えるグッズを使用し、俺的Magic Keyboardは完成形に

 そー言えば、去年紹介した「キーボードに傾斜を加えるグッズ」があった。アレとか使えばイイ感じにMagic Keyboardの高さを増して、使いやすさを増せるのでは? さっそく試してみたので、写真とともにご紹介。

これはHotline gamesブランドのキーボード用スタンド。キーボードの高さ調節用樹脂脚で、キーボード裏面に貼り付けて使う。机面に接する箇所は滑り止め素材。本体を回すと無段階で高さ調節可能(実測で19.5mm〜25mm)。脚はキーボード裏面に貼った台座から分離でき、キーボード携帯時などに脚の突起をなくせる。2個セットで、Amazonにて1480円。写真は黒色だが、今回はMagic Keyboardに合わせてシルバーを使った
E.Cブランドのノートパソコンスタンド。本来はノートパソコンの裏面奥側に取り付けて使う「ノートパソコンを傾斜させるための脚」だ。脚を伸ばしたときに増える高さは35mm。2個セットで、Amazonにて1200円。上記リンクの記事には登場しない「ボツのグッズ」だったが、今回は役立った
それぞれのグッズをMagic Keyboardの裏に貼り付けた。Magic Keyboardの裏面は両面テープの類が安定的に張り付く素材・質感だ
こんな雰囲気の高さに
手前の脚はシルバーなので、あまり違和感はない
高さも傾斜もちょうどよく、とても打ちやすい

 てな感じで、ひとまずの完成形となった。いや〜机面べた置きのMagic Keyboardとはぜんっぜん違う使用感。スゲく打鍵しやすくなった。ので、徐々に慣れるようにしてゆきたいっ!!!

 なお、テンキーレスのMagic Keyboardは机面に接して使う設計のため、もともと十分な剛性感が得られた。これについて「脚とか取り付けちゃうと剛性感が不足するかな〜?」と思っていたが、それは杞憂となった。机面から離れて4つの脚のみで支えられるので、僅かに剛性感が低下するものの、たわむようなこともなく、安定的に打鍵できている。

 ちなみに、↓こんなこともできた。Magic Trackpadとのイイ感じでの組み合わせ。

下駄を履かせたMagic KeyboardにMagic Trackpadを組み合わせて使ってみる。フツーにMacBookみたいな使用感に
Magic Keyboard下部の隙間を利用し、Magic Trackpadを少し押し込むことができる
Magic Trackpadを使わないときは、Magic Keyboardの下にしまえる

 てな感じで、Magic KeyboardとMagic TrackpadをデスクトップMacにてコンパクトに使うことができる。Magic KeyboardとMagic Trackpad、それからマウスを組み合わせて使えると、作業ごと状況ごとに最も快適なハードウェアUIが使えて気持ちイイかも〜♪

 ともあれ、Magic Keyboardは高さを増すだけで使用感が激変する。「Magic Keyboardの低さがイヤ」という方は上記の方法を試してみるといいかもしれない。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。