スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

もうすぐ、Macが、iPadが、変わるッ!

安定感のあるタブレットスタンドを探して

 今秋に正式版が公開予定の新macOS「Catalina」(公式ページ)。さらに、それと同時期に公開予定のiPad用の新OS「iPadOS」(公式ページ)。iPadはよりパソコン的に使えるようになりそうですし、Catalinaの新機能「Sidecar」によりiPadがMacのタッチ対応サブ画面として使えるようにも! 東京駅前に日本最大のアップルストア「Apple 丸の内」(公式ページ)が間もなく(2019年9月7日)オープンしたりもして、アップル界隈がザワつく今日この頃ですが、筆者は淡々とタブレットスタンド探しをしております。

 もうすぐCatalinaだしSidecarだしiPadOSだし~手持ちのiPad3枚がズギャッ! と使いやすくなるハズ! 今のうちにiPad活用環境をビシッと整えなきゃ!

 iPadをMacと連携させたり、複数のiPadと平行利用するとなると、好ましい位置にiPadを自立させる必要がある。Smart Cover的な簡易スタンドだと物足りない。やはり頑丈で安定感があり、画面向きや高さをある程度自由に調節できるスタンドが必要だ! というわけです。

現在わりと気に入って使用中のiPad向けスタンド×3種。どれも安定的で、Mac・iPad融合時代に便利に使える予感!

 そんなわけで今回は、現在使用中のiPad向けスタンド×3種をご紹介。上の写真のものですね。順番にレビューしていきます。

12.9インチiPadにも対応する2関節のスタンド

 まずはサンワサプライの「iPad・タブレットアームスタンド 100-LATAB013W」(公式ページ)から。2つの関節を持つアーム式のスタンドで、台座やアームはアルミ製。直販税込価格は3980円。

 ホルダー部は樹脂製で、6~13インチの端末を保持できます。12.9インチiPadにも対応。ちなみに、ホルダー部にセットできる端末幅は148~225mmで、厚み18mmまでの端末ならセットできます。総耐荷重は約1kg。

 スタンドの質量は約990gでずっしり重いです。底部には滑り止めのシリコーンゴム足があるので滑りにくく、ホルダー部の要所要所にも同様の滑り止めがあり、かなり安定的に端末を保持できます。関節部の硬さも自由に調節可能。以下、どんなスタンドなのか、写真と説明文で見ていきましょう。

iPad・タブレットアームスタンド 100-LATAB013Wの全体像。安定感のあるスタンドで、2箇所に関節があるアーム式。下部関節は水平方向に360°回転し、前後方向に180°動きます。上部関節はアーム軸周囲360°動かせます。さらにホルダー部は360°回転させられるのに加えて前後左右方向にもある程度動かせます。ですので、バランスを崩さない範囲でかなり自由度の高いタブレット設置が可能です。関節は硬さの調節が可能です。
ホルダー部は、端末が当たる部分にシリコーンゴム製の滑り止めがあります。挟む力は強く、まず端末がずり落ちることはありません。ただしその分、端末をセットするときに少々力が要ります。底面の4箇所にシリコーンゴム製の滑り止めがあり、スタンド質量が約990gと重いことも併せて、高い安定性が感じられます。
左は11インチiPad Proをセットした様子。右は12.9インチiPad Proをセットした様子。どちらも、短辺を挟むことはできませんので、挟んだ状態で第二世代Apple Pencilの吸着・充電はできません。
左はiPad miniを、右はiPhone XS Maxをセットした様子。どちらもケース付きの状態ですが、ケースなしでも挟めます。また、どちらも長辺は挟めません。iPhoneの方は、画面をなるべく前にするようにセットしないとクリップが邪魔して顔認証できなくなります。iPhoneをなるべく前に挟むと、iPhone背面とホルダーの間に隙間ができますので、そこにQi充電プレート的な物をセットすると便利になるかもしれません。なお、クリップ部には穴があるので、ケーブル充電しながらでもセットしておけます。
具体的なサイズはこんな感じ。ホルダー部と台座部を組み立てて使いますが、組み立てに工具は要りません。付属の六角レンチは下部関節の硬さ調節用です。※タブレットアームスタンド 100-LATAB013W説明書より抜粋。

 全体的な使用感ですが、安定感がありアームの動きも良好で、作りもいいし塗装なんかもキレイで、かなりイイ感じです。ただ、上部関節の硬さを調節するための手回し式ネジの締め込みが甘いと、徐々に画面の向きが変わってきたりします。その点はちょっと注意。

 それから、11インチや12.9インチのiPad Proは、端末の長辺を挟む形になります。なので、第二世代Apple Pencilの吸着・充電ができません。第二世代Apple Pencilって単体で充電する方法がありませんので、ホルダーに挟んだ時に充電できないのはジワジワ来る不便さです。

 でも、他はイイ感じ。実用的ですしモノとしても好印象です。けっこうオススメ。

3関節タイプを買ってみたら……こっ! これはッ!

 続いて前出の製品とよく似た、3関節タイプのアーム式のタブレットスタンド。Amazonで購入したZenCTブランド品で、3799円でした。

 台座やアームがアルミ製で、各部の構造や関節の硬さ調節方法など、前出の製品とソックリです……というか、ほぼ同じと思えるくらい共通部が多い。ホルダー部の関節の機構なんかは違いがわからないほど。もしかするとこのタイプのスタンドは、同じメーカーが生産していて、販売店の需要に応じてカスタマイズして出荷しているのかもしれません。

 実は、前出のタブレットアームスタンド 100-LATAB013Wが非常に便利で「さらに画面を上にセットできればiPad miniなんかを使うときに便利なのにな~」と思って探してみたら、このZenCTブランド品をAmazonにて発見。見ると「これって関節とかのしくみ同じだよな~」と。そして「たぶん互換性があるハズ、使い勝手も似ているハズ!」と思って購入したら、そのとおりになりました。

 ただ、一部のスペックは異なり、関節数も異なります。たとえばこのZenCTブランド品のホルダーには、幅113~190mmの端末を挟めますので、11インチiPad Proは挟めても、12.9インチiPad Proは挟めません。また、厚み12mmまでの端末に対応します。ので、前出のサンワサプライのスタンドのホルダーのほうが、対応端末幅が広いことになります。

 でも、ホルダー部の関節の構造が同じなので、試してみるとホルダー部だけ交換できちゃいます。なので、必要に応じてホルダー部を交換しつつコレと前出ホルダーを並行的に活用できるというわけです。ともあれ、以下に写真と説明文でZenCTブランド品スタンドを見ていきましょう。

Amazonで購入したZenCTブランドのタブレットスタンド。商品名は「ZenCT タブレットスタンド 携帯スタンド 頑丈な金属製台座 角度調整可能 持ち運びやすい4~11インチのスマートフォンとタブレット対応 — 白 WH038」でした。関節の部分や台座部分など、前出のスタンドと非常によく似ていて、ほとんど同じと思われるパーツが使われています。スタンドの重さは約1.3kg。関節については、下部関節は水平方向に360°回転し、前後方向に180°可動。中間関節は220°可動。上部関節はアーム軸周囲360°動かせて、ホルダー部は360°回転させられ、前後左右方向にもある程度可動します。前出のスタンドよりさらに自由度の高いタブレット設置が可能。各関節は硬さ調節ができます。
ホルダー部のクリップ調整幅は113~190mmまで。11インチまでのタブレットやスマートフォンなどをセット可能です。ホルダー各部や底部にシリコーンゴム製の滑り止め付き。
左は11インチiPad Proを、右はiPad miniをセットした様子。どちらも短辺側を挟む形でしかセットできません。なので、11インチiPad Proをセットした状態では、第二世代Apple Pencilの吸着・充電ができません。
左はiPhone XS Maxを、右はGoogle Pixel 3 XLをセットした様子。どちらもケース付きの状態ですが、ケースなしでも挟めます。これら端末の長辺側は挟めません。ホルダーのクリップ部があまり大きくないので、iPhone XS Maxの顔認証は問題なく機能します。ホルダーのクリップ部には穴があり、ケーブル充電しながらでもセットしておけます。

 全体的な使用感は良好です。作りや塗装もよく、頑丈で安定的。アームや関節の可動幅が広いので、端末の高さや位置をより幅広くセットできて便利です。

 ただ、前出のスタンドと同様、11インチiPad Proをセットした状態では第二世代Apple Pencilの吸着・充電ができないという不便があります。また、3つの関節がありアームも長い分、前出のスタンドよりは端末が揺れやすいという印象です。ただ、関節部の硬さ調節を行えば、徐々に傾いてくるようなことはありません。

 どちらかと言えば小型の端末向けのスタンドですね。時にはスマートフォンを、時には10インチ前後のタブレットを、と使い分けたい人にはかなりオススメです。

タブレットを立て掛けるだけのスタンド

 最後に、Amazonで購入したParbloブランドのスタンドを。4399円でしたが、コレ、液晶ペンタブレット用のスタンド。書見台のように机上に置いて使う、タブレットを立て掛けて置くための台座です。以下に写真と説明文で見ていきましょう。

Parbloブランドの品で、製品名は「Parblo PR100 タブレットスタンド 角度調整可能 モバイルスタンド 10~16インチ用 液晶 ペンタブレット スタンド」。タブレットを「立て掛けて置くだけ」のスタンドです。10~16インチのタブレットに対応。もちろん、それより小さな端末を立て掛けてもOK。台座底部と背面にある脚にラバー製の滑り止めがあり、安定感はかなり良好です。
背面にある脚は約15~90°の範囲で角度を変えられます。かなり細かく角度調節が可能。スタンド手前部分と机面にあまり段差が生じないので、わりとスムーズに画面へのペン書きやタッチタイピングができます。
11インチや12.9インチのiPad Proを置いてみました。どの角度にしても端末がほぼ揺れないので、ソフトウェアキーボードやApple Pencilをガンガン使うようなスタイルでも問題ありません。
左はiPad miniと11インチiPad Proを置いた様子。こういうスタンドなら第二世代Apple Pencil吸着・充電問題とも無縁です。右はキーボードカバー付きの11インチiPad Proを置いた様子。キーボードカバーのレビューはコチラに書きましたが、キーボードカバー付きのタブレットを一瞬だけ縦画面で使いたいときに、このスタンドならカバーを外す一手間が省けて非常に実用的です。

 誰にでもオススメって感じのスタンドではありませんが、筆者の環境ではけっこー役立ってくれています。前出2品のスタンドのように「ホルダーに端末を挟む」というアクションが不要なので、ちょっと使いたいときにサッと使えるのが便利。いろいろな端末を置けますので活用幅も広いです。

 でも、ひとつ、難点が。もしかすると筆者が買った個体の問題なのかもしれませんが、スタンドの角度を変えるときに使うレバーの動きがミョーに悪いこと。悪いというか……使うのにコツが要るレバーです。

 そのまま単にレバーを上げたり下げたりするだけだと、角度固定ロックが外れなかったり、動きがガクガクしたり、あるいは固定した角度が変わってしまったりします。そうならないようにする「コツ」は、背面から見て「レバーを左上に引き上げるようにして角度調節を行う」とスムーズで、さらに「角度調節後にレバーを押し込むようにして戻す」と設定した角度が不意に変わることもありません。

 まあ、微妙に完成度が低い角度調節レバー機構って感じなんですが、コツを掴めばとても便利に使えます。机上で滑りにくく、わりと頑丈でシッカリした使い心地で、角度調節幅も広く、まずまず薄く畳める。汎用的なタブレとスタンドを探している方は、一度チェックしてみるといいかもしれません。

 以上、タブレットを安定的に自立させられるスタンド×3種。もうすぐ到来するiPad新時代に備えて、おひとつ、いかがでしょう?

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。