法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」

「Xiaomi 13T」、カメラやエンタメにも強い、お手頃価格のフラッグシップ

au/UQモバイル/シャオミ「Xiaomi 13T XIG04」、162mm(高さ)×76mm(幅)8.7mm(厚さ)、197g(重さ)、メドウグリーン(写真)、アルパインブルー、ブラックをラインアップ

 国内市場への本格参入から丸3年が経過したシャオミ。ウェアラブル端末やIoT製品のラインアップも拡大しているが、スマートフォンも魅力的な製品を揃える。今回は昨年11月に発表され、auで販売が開始された「Xiaomi 13T」を試用することができたので、レポートをお送りしよう。

auとも良好な関係が続くシャオミ

 2019年12月に国内市場に参入して以来、スマートフォンだけでなく、ウェアラブル端末やIoT製品などのラインアップを拡充してきたシャオミ。スマートフォンについてはグローバル市場と国内の市場性の違いもあり、当初はオープン市場向けの製品が中心だったが、auやソフトバンクといった国内携帯電話会社でも取り扱われるようになり、着実に存在感を増している。

 各携帯電話会社で扱われることは、ある一定数の販売が期待できるというメリットがあるが、これに加え、多くの消費者の目に触れるようになり、スマートフォンだけでなく、他製品への周知にもつながっていくという副次的なメリットもある。特に、シャオミの場合、「Xiaomi SmartBand」シリーズをはじめとしたウェアラブル製品がたいへん好調な売れ行きを記録しており、なかには「シャオミのスマートフォンは持ってないけど、バンドは使っている」という人も居るくらい認知度は高い。

 今回、発売された「Xiaomi 13T XIG04」は、前々回、本コラムで取り上げた「Xiaomi 13T Pro」と同時に発表された端末だが、「Xiaomi 13T Pro」がオープン市場向けとソフトバンクでの取り扱いであるのに対し、「Xiaomi 13T」はauとUQモバイルのみで取り扱われる製品となっている。スペックの違いは後述するが、外観やディスプレイ、カメラなどの仕様は共通となっており、「もうひとつのフラッグシップ」的な存在と言える。

「Xiaomi 13T」(左)と「Xiaomi 13T Pro」(右)の前面。出荷時のアイコンの配列は異なるが、ディスプレイの仕様やボディサイズは基本的に同じ
「Xiaomi 13T」(左)と「Xiaomi 13T Pro」(右)の背面はまったく同じデザイン。キャリアのロゴや型番のプリントもないため、見分けが付かない

 ほぼ同スペックで複数のフラッグシップモデルを発売するラインアップとしては、Googleの「Pixel 8 Pro」と「Pixel 8」、シャープの「AQUOS R8 Pro」と「AQUOS R8」などが挙げられるが、外観のデザインを共通にしながら、微妙にスペックの異なるモデルを複数の販路で販売するという取り組みは、あまり見かけない。

 また、auは2020年に「Mi 10 lite XIG01」を販売して以来、2021年には防水防塵対応やFeliCa搭載などの日本仕様をサポートした「Redmi Note 10 JE XIG02」、2023年にはFeliCa搭載の『ちょい上モデル』の「Redmi 12 5G XIG03」を採用しており、今回の「Xiaomi 13T XIG04」は4機種目のシャオミ製端末となっている。これらに加え、昨年12月からはシャオミ製のスマートテレビ「Xiaomi TV A Pro」をau限定で販売しており、年末には一部で在庫切れになるほどの人気ぶりを見せている。「Xiaomi TV A Pro」はチューナーレスという仕様だが、一般的な家庭用テレビに比べ、かなり価格が割安なうえ、NetflixやDAZNなどの映像配信サービスと組み合わせた料金プランを展開するauにとって、販売しやすい商品となっている。

 1月31日までは両製品を購入することで、最大1万6000円のキャッシュバックを受けられる「Xiaomi 13T発売記念キャンペーン」を展開していたが、春の新生活シーズンではテレビとスマートフォンを揃えたいユーザーも多いことから、auひかりや5Gホームルーターなどと組み合わせた販売施策が展開されることも期待される。

ヴィーガンレザーとガラス仕上げを展開

 まず、外観からチェックしてみよう。「Xiaomi 13T Pro」のレビューでも触れたように、今回の「Xiaomi 13T」はフラットなデザインの「Redmi 12 5G」と違い、従来のシャオミ製端末で採用されてきた背面をわずかにラウンドさせた形状に仕上げられている。

右側面にはシーソー式音量キー、電源ボタンを備える。カメラ部の突起は実測で約4mm程度
本体左側面はボタン類がなく、フレームの継ぎ目やアンテナ内蔵部分の樹脂パーツなどもない
上部のカメラ部のすぐ上には赤外線ポートを備える。[Miリモート]アプリを利用すれば、テレビなどの家電用リモコンとして利用できる
本体下部にはUSB Type-C外部接続端子を備える。右側はSIMカードスロット

 なかでも特徴的なのが背面の仕上げで、ボディーカラーによって、2種類の仕上げが展開されている点だ。アルパインブルーは環境に配慮した素材を採用し、革のような仕上がりを実現したヴィーガンレザーであるのに対し、メドウグリーンとブラックは光沢感のあるガラス仕上げを採用する。このカラーバリエーションによる仕上げの違いは、「Xiaomi 13T Pro」とまったく同じで、今回試用した「Xiaomi 13T」はメドウグリーンだったため、ガラス仕上げとなっている。

 ガラス仕上げは光沢感が美しいが、指紋や手の跡などが目立ちやすいのに対し、ヴィーガンレザーは表面が革のようなしぼ感があり、柔らかな質感で手触りも良い。どちらを選ぶのかはユーザーの好みだが、見慣れた感のあるガラス仕上げに比べ、ヴィーガンレザーの方が新鮮な印象を受ける。ちなみに、パッケージにはクリアタイプの保護カバーが同梱されているため、それぞれの仕上げが気になるときはカバーを装着して利用するのも手だ。

パッケージには本体とクイックスタートガイドのほかに、クリアタイプの保護カバーも同梱される

 耐環境性能についても「Xiaomi 13T Pro」と共通で、IPX8の防水とIP6Xの防塵に対応する。au向けのシャオミ製端末としては、「Redmi Note 10 JE XIG02」以来の本格的な防水防塵対応であり、安心して利用できる。同製品からの買い換えにも適したモデルとも言えそうだ。

15分で半分チャージの67W急速充電対応

 本体には5000mAhの大容量バッテリーを搭載する。カタログでは最大16時間の動画再生、最大5時間の1080p動画撮影が可能としているが、今回試用した範囲ではかなりバッテリー持ちはいいという印象だ。

 同時発表の「Xiaomi 13T Pro」も同容量のバッテリーを搭載しているが、「Xiaomi 13T Pro」が最大120Wの「Xiaomiハイパーチャージ」(ソフトバンクでは『神ジューデン』)に対応しているのに対し、「Xiaomi 13T」は最大67Wのターボチャージ(急速充電)に対応する。バッテリー残量がない状態から約15分で半分程度まで充電でき、約42分間で100%まで充電が可能だとしている。120W急速充電ほどのインパクトはないが、それでもこれだけの急速充電ができるのであれば、朝の支度時間や昼休みなど、数十分の空き時間で充電すれば、バッテリー残量に困ることはなさそうだ。

 ひとつ残念なのは、パッケージに充電器が含まれていないことが挙げられる。ちなみに、急速充電に対応する「Xiaomi 67W ターボチャージ対応急速充電器・ケーブルセット」は、au Online Shopやシャオミ公式オンラインストアで4490円で販売されている。充電器のプラグ部分が折りたためないため、どちらかと言えば、自宅用での利用がおすすめだが、急速充電を必要とするなら、ひとつ買っておいてもいいだろう。

約6.7インチ有機ELディスプレイを搭載

 ディスプレイは2712×1220ドット表示が可能な約6.7インチのフルHD+有機EL(AMOLED)を搭載する。標準輝度で1200nit、ピーク輝度で2600nitと、非常に明るく、「サンライトモード」を利用することにより、太陽光の下でも十分な視認性を確保する。

 リフレッシュレートは出荷時設定で30/60/90/120/144Hzと変わる可変リフレッシュレートに対応し、表示内容に合わせ、なめらかな表示を可能にする。設定を切り替えれば、60Hzと144Hzの固定に設定することも可能で、動きの激しいゲームなどを楽しみたいときは144Hzに切り替えるのがおすすめだ。ディスプレイのガラス面には実使用が可能な保護フィルムが貼られているため、前述の保護ケースと合わせ、購入時はそのまま使いはじめることができる。

ディスプレイのリフレッシュレートは「デフォルト(推奨)」を選ぶと、表示内容に合わせ、30/60/90/120/144Hzで動的に調整される。「カスタム」を選ぶと、60Hzと最大144Hzを選ぶことが可能

 ディスプレイ内には光学式指紋センサーが内蔵されており、指紋認証によるロック解除が可能だ。指紋登録時には「画面保護フィルムやガラスを使うときは、Xiaomi公式フィルムのご使用をおすすめします」といった主旨の画面が表示されるが、これはグローバル向けの表示をそのまま訳したもので、国内ではau Onlineshopでもシャオミ公式オンラインストアでも『Xiaomi公式フィルム』なるものは販売されていない。より幅広いユーザーに製品を展開していくのであれば、こうした細かい部分も含め、国内市場に合わせた内容に修正していく必要がありそうだ。

指紋登録時、「画面保護フィルム・ガラスのヒント」が表示されるが、「Xiaomi公式フィルム」という製品はau Onlineshopでも販売されていない。出荷時には保護フィルムが貼られているが、市販品に貼り替えたときは指紋を再登録するのがおすすめ

 生体認証は指紋認証のほかに、インカメラを利用した顔認証にも対応する。製品仕様には明記されていないが、今回試用した限りでは、マスク装着時でも顔認証でロック解除が可能であることが確認できた。ただし、顔認証は外見が似た人物や顔写真などでもロックが解除できる可能性があるため、よりセキュアに使いたい人は指紋認証のみを利用するのがおすすめだ。

 ディスプレイ内の指紋センサーについては、「Xiaomi 13T Pro」同様、心拍数を計測することもできる。[設定]アプリの[追加設定]-[心拍数]を選び、光学式指紋センサーに指先を当てると、心拍数を計測できる。ただし、この計測は一時的なものなので、連続的に計測したいのであれば、Xiaomi Smart Bandなどを購入することをおすすめしたい。

[設定]アプリの[追加設定]-[心拍数]を選ぶと、ディスプレイ内の指紋センサーを指で覆うことで、心拍数を計測できる

Dimensity 8200-Ultraを搭載

 チップセットはMediaTek製Dimensity 8200-Ultraを採用し、8GB RAMと256GB ROMを搭載する。RAMについてはメモリ拡張機能を利用することで、5GBを追加し、最大13GBまで利用できる。チップセットについては「Xiaomi 13T Pro」がMediaTek製Dimensity 9200+を搭載し、米Qualcomm製Snapdragon 8 Gen2と同等以上の性能をベンチマークで示しているが、Dimensity 8200-UltraはDimensity 9200+と同じくTSMCの4nmプロセスルールで製造されており、ベンチマークテストのスコアではこれに次ぐ性能を記録している。GPUについてはDimensity 9200+に及ばない部分もあるが、ゲームなどの処理が重いアプリの利用にも十分応えられる性能を持つ。動画閲覧やSNSなど、一般的な用途については申し分なく、画面のスクロールなどもスムーズで、快適に利用できる。

 ネットワークは5G NR/4G LTE/3G W-CDMA/2G GSMに対応し、5GについてはSub6までの対応となるが、auが転用で利用する「n3」(1.7GHz帯)もサポートしており、auとUQモバイルでは問題なく、利用できる。NTTドコモのみに割り当てられた5Gバンド「n79」(4.5GHz帯)はサポートされていない。SIMカードはnanoSIMとeSIMのデュアルSIMに対応する。

本体下部にピンで取り出すタイプのSIMカードスロットを備える。nanoSIMカードを1枚のみ、装着可能。2枚目のSIMカードはeSIMを利用

 Wi-FiについてはIEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax準拠で、2.4GHzと5GHzでの利用が可能で、Bluetooth 5.4にも対応する。衛星による位置情報は米GPS、欧州Galileo、露GLONASS、中国Beidou、印NavIC(IRNSS)に加え、日本のQZSS(みちびき)にも対応する。

 プラットフォームはAndroid 13ベースのMI UI 14を搭載する。日本語入力はAndroid標準の「Gboard」を採用している。ユーザーインターフェイスはAndroid標準に準拠しており、ホーム画面モードはホーム画面にアプリアイコンが並ぶ「クラシック」、上方向にスワイプして、アプリ一覧を表示する「アプリドロワー」、アイコンを大きく表示する「シンプルモード」から選ぶことができる。ホーム画面の動作については、操作時のアニメーション速度、レイアウトの固定、テキスト(キャプション)の表示など、細かい部分を設定することもできる。

ホーム画面は左上に「時刻と日付」、右上に「天気」のウィジェットがそれぞれ配置されている。下方向へのスワイプは一般的なAndroidプラットフォームと違い、左半分が通知、右半分がクイック設定パネルがそれぞれ個別に表示される
[設定]アプリの[ホーム画面]-[ホーム画面モード]では、ホーム画面モードを選ぶとができ、細かい表示もカスタマイズ可能
[ホーム画面モード]で[アプリドロワー]を選ぶと、上方向にスワイプしたときにアプリ一覧が表示される。左右にスワイプすると、アプリのカテゴリーを切り替えることができ、右上の歯車アイコンをタップして、[アプリドロワー]のカスタマイズも可能。表示するカテゴリーの追加や削除、並べ替えもできる
ホーム画面の右半分で下方向にスワイプすると、クイック設定パネルが表示される。ディスプレイは明るさと自動調整のON/OFFも操作可能。「Google Pay」(ウォレット)も起動できる

 MI UI独自の機能については、[設定]アプリの[追加設定]にまとめられており、よく使うアプリをすぐに起動できる[サイドバー]、端末のジェスチャーで各機能を起動できる[ジェスチャーショートカット]など、実用的なものが用意されている。

[設定]アプリの[追加設定]-[フローティングウィンドウ]-[サイドバー]で、サイドバーの表示を設定できる
「サイドバー」ではよく使うアプリや機能を登録しておくことが可能。ゲーム中や動画再生中にそれぞれの特殊機能を表示させることもできる
[設定]アプリの[追加設定]-[ジェスチャーショートカット]では、さまざまな機能をジェスチャーで起動できる設定が可能。出荷時には電源ボタンの2回押しで「au PAY」を起動できるように設定されている。画面では「懐中電灯をオンにする」にも同じ動作が割り当てられているが、これは無効になっている。この画面内で「有効/無効」を見分けられるようにして欲しいところだ
近くのシャオミ製端末と写真などをやり取りできる[Miシェア]。OPPO製端末の「OPPO Share」とも互換性があり、相互接続が可能。AndroidプラットフォームやWindowsで利用できる「ニアバイシェア」にも対応する
[設定]アプリの[追加設定]-[メモリー拡張]で、ストレージを占有して、2/3/5GBのRAMを追加できる。変更時は再起動が必要

5000万画素イメージセンサーによるトリプルカメラを搭載

 冒頭でも触れたように、今回の「Xiaomi 13T」は「Xiaomi 13T Pro」とほぼ同じ仕様を採用した『兄弟モデル』(姉妹モデル)という位置付けになる。ここまで説明したように、大きな違いとしては、急速充電、チップセット、通信対応などが挙げられるが、意外なことに、カメラについてはまったくの共通仕様となっている。

 こうした2モデル展開のラインアップの場合、「Pixel 8」シリーズや「AQUOS R8」シリーズなどを見てもわかるように、多くの機種ではディスプレイやカメラで差別化を図っているが、「Xiaomi 13T」は「Xiaomi 13T Pro」は一括価格で3万円以上の価格差がありながら、カメラについては基本的に性能差がない。細かい点を見れば、チップセットが違うため、撮影から保存までの時間に多少のタイムラグがあるかもしれないが、仕上がった写真を見る限り、どちらも同じレベルの写真が撮影できると見て、差し支えない。

 具体的な仕様としては、メインの広角カメラ(24mm)は5000万画素/F1.9のソニー製IMX707(1/1.28インチ)を採用し、7枚構成レンズで光学式手ぶれ補正を搭載。望遠カメラ(50mm)は5000万画素/F1.9のOmniVision製OV50D(1/2.88インチ)を採用し、5枚構成レンズで最大20倍のデジタルズームにも対応。超広角カメラ(15mm)は1/3.06インチの1200万画素/F2.2を採用し、5枚構成レンズで固定フォーカス対応となっている。フロントカメラはディスプレイ上部のパンチホール内に内蔵し、2000万画素イメージセンサーにF2.2の5枚構成レンズという構成で、78度の画角に対応する。

カメラは背面にトリプルカメラを搭載する。広角と望遠に5000万画素イメージセンサーを採用

 撮影モードは一般的な「写真」「ビデオ」「ポートレート」「夜景」のほかに、領収書や書類に適した「ドキュメント」、シャッタースピードや露出などを細かく設定できる「プロ」などが用意されている。撮影モードで「写真」や「ポートレート」を選ぶと、基本的に4つの画素を1つの画素として撮影するピクセルビニングで撮影されるが、撮影モードの「もっと見る」で「50MP」を選ぶと、広角カメラと望遠カメラに限り、ピクセルビニングを使わず、5000万画素のイメージセンサーのフル画素で撮影ができる。同じ「もっと見る」では「スローモーション」「タイムラプス」「長時間露光」の撮影も楽しめる。

ホテルの窓越しに夜景モードで撮影。広い街並みを遠くまで明るく撮影できた
薄暗いバーで撮影。全体的に明るく、背景も自然にボケて、撮影できている

 「夜景」モード(ナイトモード)については「1X」(広角)だけでなく、「0.6X」(超広角)や「2X」(望遠)に切り替えても撮影ができるため、夜景をワイドに撮ったり、夜間に離れた被写体を撮るときなどに便利だ。フロントカメラでも「夜景」や「ポートレート」の撮影が可能で、ファインダー上段の[△]をタップして表示される設定画面で[手のひらシャッター]を有効にすれば、手のひらを見せて、3秒後にシャッターが切れるタイマー撮影も利用できる。

 撮影した写真はシャオミ独自の[ギャラリー]アプリで閲覧できるほか、Googleの[フォト]アプリも利用でき、Googleフォトに写真や動画をバックアップすることも可能だ。[フォト]アプリではGoogleフォト標準の編集機能が利用できるのに対し、シャオミの[ギャラリー]アプリでは写真内のテキストを認識させたり、保護用透かしを加えたり、AIによる背景のボケ具合調整、撮影した人物の美肌や顔などの補正などの編集機能も利用できる。設定したGoogleアカウントでGoogle Oneを契約していれば、フォトアプリ内でPixelと同じような「消しゴムマジック」などが利用できるが、シャオミ独自の[ギャラリー]アプリも編集機能が充実しているため、こちらを積極的に利用するのも手だ。

撮影した写真はシャオミ独自の[ギャラリー]アプリで確認できる。下段の[すべて]と[カメラ]で表示を切り替えたり、右上のボタンから「ビデオエディター」や「コラージュ」の機能を起動できる。Googleフォトの[フォト]アプリもインストールされており、自動バックアップも可能

7万円台で購入できる日本仕様も充実したお買い得フラッグシップ

 ここ数年、半導体不足や輸送コストの上昇、急激な為替レートの変動などにより、スマートフォンの価格は全体的に高騰してきた。フォルダブルスマートフォンをはじめとしたプレミアムラインなど、新しいジャンルも確立されつつあるが、フラッグシップに位置付けられるモデルはいずれも十数万円クラスが当たり前となっている。

 今回発売されたauのシャオミ製端末「Xiaomi 13T XIG04」は、シャオミのフラッグシップモデル「Xiaomi 13T Pro」とほぼ同じスペックを搭載しながら、auとUQモバイルでの一括価格を7万円台半ばに抑えたモデルとなっている。チップセットや急速充電は「Xiaomi 13T Pro」に比べ、ややスペックが抑えられているが、全体的なパフォーマンスは遜色なく、カメラについては夜景やポートレートなどを中心に、ライバル機種を上回る性能を示している。これだけの内容が7万円台半ばで購入できるのは、かなり魅力的と言えるだろう。特に、auでの購入については「スマホトクするプログラム」を利用することで、実質負担額を2万円台に抑えることもできる。『コスト』だけでなく、『パフォーマンス』もしっかりと充実したお買い得フラッグシップとして、一度、試してほしいモデルと言えるだろう。