法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」

新開発のMotion Eyeカメラで進化を遂げた「Xperia XZs」

 今年2月、スペイン・バルセロナで催されたMWC 2017で発表されたソニーモバイルの「Xperia XZs」。その国内向けモデルがソフトバンク向けとして発表された。ひと足早く実機を試用することができたので、その内容と仕上がりをチェックしてみよう。

ソフトバンク/ソニーモバイル「Xperia XZ 602SO」、約146mm(高さ)×72mm(幅)×8.1mm(厚さ)、約161g(重量)、アイスブルー(写真)、ブラック、ウォームシルバー、シトラス

ハイペースで進化を続けるXperia

 2010年4月に初のAndroidプラットフォームを採用した「Xperia SO-01B」をNTTドコモが発売して以来、国内向けにも着実に支持を拡げ、安定した人気を得ているソニーモバイルのXperiaシリーズ。2013年に発表されたXperia Zシリーズは、スマートフォンやタブレットが国内外で広く販売され、2015年発表の第5世代モデルとなるXperia Z5まで、Xperiaシリーズの人気を決定づける存在として展開された。

 そして、2016年2月にはソニーモバイル自ら「Xperiaシリーズ第3章」と位置付ける「Xperia Xシリーズ」が発表された。Xperia Zシリーズで培われてきたノウハウを活かしながら、ユーザーに寄り添い、インテリジェンスな存在として進化することなどがテーマに掲げられたXperia Xシリーズは、グローバル向けにXperia X/XAなどが展開される一方、国内向けには同年6月にNTTドコモ、au、ソフトバンクから「Xperia X Performance」が発売され、同年11月には新フラッグシップに位置付けられる「Xperia XZ」の販売が開始されている。

2016年6月発売のXperia X Performance(左)、今回発売されたXperia XZs(中央)、2016年11月発売のXperia XZ。Xperia X Performanceに比べ、他の2機種はわずかに大きい。

 国内でXperiaシリーズが安定した人気を得ている理由には、積み上げてきたブランド力をはじめ、さまざまな要素があるが、やはり、カメラやオーディオなど、ハードウェアを軸にした多彩な機能がハイペースで進化し続けてきたことが挙げられる。なかでもXperia Zシリーズ以降は、およそ半年近くで『フラッグシップ』が入れ替わるほどのハイペースで進化を続け、逆にユーザーからは早すぎる更新に不満の声が挙がってしまうほどだった。

 今回、ソフトバンクから発表された「Xperia XZs」は、今年2月のスペイン・バルセロナで開催されたMWC 2017でグローバル向けに発表されたモデルの、国内向けモデルになる。Xperia XZsは従来のXperia XZをベースに、新たに開発された「Motion Eye」カメラを搭載し、デザインや仕上げ、バッテリー周りなどを強化することで、さらなる進化を遂げている。

 ソフトバンク向けに供給されるXperia XZsは、基本的なデザインなどはグローバル向けモデルと共通だが、対応バンドがソフトバンク向けに調整されるほか、おサイフケータイなどの国内向け仕様が実装されている。

 ちなみに、現時点で発表はないが、過去の例から鑑みると、国内の他の通信事業者からも同等のモデルが発表されると推察される。

 今回試用した端末は試作機であり、製品版とは差異があるかもしれないことをお断りしておく。また、開発中の試作機ということもあり、SIMカードを装着することができないため、通信関連の機能はほぼ試さないままの内容であることもご了承いただきたい。

高輝度のメタル素材を採用したボディ

 今回発表されたXperia XZsは、その名前からもわかるように、昨年11月に発売されたXperia XZをベースにしたモデルとして開発されており、基本的なボディデザインはほぼ共通で、サイズや重量もまったく同じとなっている。IPX5/8の防水、IP6Xの防じんなどの性能も継承されている。

 まず、ボディはXperia XZでも好評を得た「ALKALEIDO」と呼ばれるメタル素材を採用する。背面はサンドブラスト加工ににより、マットな質感に仕上げられており、他機種に比べて比較的、指紋などの跡も目立ちにくくなっている。背面のロゴデザインは従来のソフトバンク向けXperia同様、中央部分に「XPERIA」のロゴが配置され、グローバルモデルとほぼ共通のデザインとなっている。ボディカラーはブラック、ウォームシルバー、アイスブルー、シトラスの4色がラインアップされており、やや控えめな印象もあったXperia XZに比べると、新鮮味のあるカラーも選ぶことができる。

 ボタン類など、ボディ周りの装備もXperia XZと共通で、右側面には指紋センサー内蔵の電源ボタン、音量ボタン、シャッターボタン、上面には3.5mmイヤホンマイク端子、左側面にはSIMカード/microSDメモリーカードスロット、底面にはUSB Type-C外部接続端子を備える。おサイフケータイのFeliCaチップについては、従来モデル同様、背面ではなくディスプレイの上側に内蔵される。本体前面へのFeliCaチップ内蔵はXperia X Performance以降の共通仕様だが、公共交通機関で改札機にかざすとき、ディスプレイ面のガラスを強打しないように気をつけたいところだ。

 前述のように、ボディのサイズは従来のXperia XZと共通だが、背面に搭載された新開発の「Motion Eyeカメラ」の部分に若干の違いがあるため、ケースなど装着するときは少し注意が必要だ。Xperia XZのレンズ部はボディ背面に対して、ほぼフラットな仕上げであるのに対し、Xperia XZsはわずかにレンズ部が突起しているため、カメラ部分のくり抜きがギリギリで仕上げられているXperia XZ用ケースは、その形状によっては干渉してしまう可能性もある。できれば、Xperia XZs用としての確認が取れたケースを利用するようにしたい。

 ちなみに、ソニーモバイル純正のケースも同時に販売が開始される予定で、カバーを閉じたまま操作ができる「Style Cover Touch」、スタンド機能を備えた「Style Cover Stand」がラインアップされる。いずれも家電量販店やソニーストアなどで購入することが可能だ。

背面のデザインは従来モデルとほぼ同じのデザイン。ボディには神戸製鋼のメタル素材「ALKALEIDO」を採用する。
左側面のトップ側にはSIMカードスロットを備える。切り欠き部分に爪をひっかければ、すぐに取り出せる。
SIMカードはnanoSIMに対応。トレイにはmicroSDメモリーカードを載せて、装着する。
右側面はボトム側(写真右側)から順に、シャッターボタン、音量ボタン、指紋センサー内蔵電源ボタンを備える。
底面側にはUSB Type-C外部接続端子を備える。
上面側には3.5mmイヤホンマイク端子を備える。

 チップセットはベースになったXperia XZと共通で、Qualcomm製Snapdragon 820 MSM8996を採用する。メモリー(RAM)は4GB(Xperia XZは3GB)、ストレージは32GBを搭載し、外部メモリーは最大256GBのmicroSDXCメモリーカードに対応する。

 ディスプレイは1920×1080ドットのフルHD表示が可能な5.2インチのトリルミナスディスプレイを搭載する。従来モデルにも搭載されていたX Reality for mobileやダイナミックコントラストエンハンサーなどの高画質技術もそのまま継承されている。

 スペックとしては十分なレベルだが、他社のハイエンドモデルは解像度がWQHD(2560×1440ドット)クラスが中心になってきている状況を考えると、やや物足りなく感じてしまうユーザーもいるかもしれない。もっともそういうハイスペックを求めるユーザーには、4K HDRディスプレイを搭載したXperia XZ Premiumが発表されている。ただし、こちらはまだ国内向けの発売は何もアナウンスがない。

 バッテリーもXperia XZ同様、2900mAhのものを内蔵し、Quick Charge 3.0による急速充電に対応するが、新たに改良が加えられている。従来のXperia XZではQnovo社と共同で開発した充電の最適化技術を採用し、ユーザーの生活リズムに合わせて充電速度を調整し、バッテリー寿命の長期化も図る機能「いたわり充電」を搭載していた。今回のXperia XZsでは、学習して得られたユーザーの充電パターンに加え、本体のアラームの設定時刻も参照することで、より確実に満充電になるように改良されている。

 これに加え、従来から搭載されていたバッテリーのSTAMINAモードも進化を遂げている。学習エンジンにより、ユーザーの使用状況を把握し、バッテリーを消費する傾向を予測することで、次の充電開始までバッテリー残量が持たないと判断したとき、「スマートSTAMINA通知」で知らせて、STAMINAモードを有効にするという。

2900mAhの固定式バッテリーを搭載。3つの省電力モードが用意されている。残りの利用可能時間も表示されて、非常にわかりやすい。
バッテリーの劣化を抑え、長期間、使えるようにする「いたわり充電」を搭載。Xperia XZよりも進化している。
スマートSTAMINA通知を有効に設定しておけば、バッテリー残量に応じて、自動的に電力消費を抑えることが可能。
Android 7.0が搭載された状態で出荷されるが、ホーム画面は基本的に同じユーザーインターフェイス。
通知パネルの内容は従来のXperia X PerformanceやXperia XZなどと共通。
アプリ一覧画面の1ページ目。ソフトバンクメール以外はグローバルモデルとほぼ共通。
アプリ一覧画面の2ページ目。ソフトバンク版独自のアプリもプリセットされている。

新開発カメラ「Motion Eye」搭載

 今回発表されたXperia XZsで、従来のXperia XZともっとも大きく変更されたのは、カメラだ。

 まず、従来のXperia XZでは2300万画素CMOSイメージセンサーとレーザーAFセンサーに加え、撮影時の光源に合わせた撮影を可能にするRGBC-IRセンサーを搭載していたが、今回のXperia XZsでは新開発の「Motion Eye」カメラが搭載されている。

 Motion Eyeカメラは心臓部である1900万画素のイメージセンサーに、スマートフォン向けとしては世界初となる「メモリ積層型イメージセンサー」を採用し、デジタルカメラのαシリーズやCyber-shotシリーズで培われた技術を活かした「Gレンズ」と画像処理エンジンの「BIONZ for mobile」を組み合わせることで、従来のイメージセンサーでは不可能だった撮影を実現している。

Xperia XZsのメインカメラ(右)はMotion Eyeカメラに変更されたこともあり、レンズ部の周囲にはリングが備えられている。左のXperia XZは背面パネルとフラットな仕上げ。
Xperia XZs(上)とXperia XZ(下)を重ねてみると、レンズ部分がわずかに突起していることがよくわかる。
写真の設定はプレミアムおまかせオートを選んでいれば、項目も少なく、わかりやすい。
マニュアルに切り替えれば、露出やシャッター速度などの設定を変更して、撮影が可能。

 もっとも特徴的なのが、動画の「スーパースローモーション」の撮影だ。一般的に、スマートフォンで撮影できる動画は30fps(フレーム/秒)か60fpsだが、動画の一場面を960fpsで撮影することで、決定的なシーンのみがスローで再生される動画を生成することができる。たとえば、スポーツなどの動きのあるシーンをはじめ、人やモノの動きを撮影しながら、特徴的な部分のみをスーパースローに切り替えることで、より印象的な動画を撮影できるようになるわけだ。最近ではSNSで動画をシェアすることが増えているが、数多くの「いいね」をもらうことが期待できる機能と言えそうだ。

 撮影の流れとしては、カメラを起動し、ビデオ撮影に切り替え、録画開始ボタンの隣に表示されているスーパースローボタンを押して、スーパースローモーションに切り替える。録画ボタンを押すと、録画が開始されるので、ここぞというタイミングでスーパースローボタンを押すと、そこから約200ミリ秒間(0.2秒間)、スーパースローモーションで撮影し、その後、通常の録画に戻る。こうして撮影された動画の内、スーパースローボタンを押してからの約0.2秒間を32倍の約6秒間にまで拡大することで、スーパースローモーションのシーンが途中に組み合わさった動画が生成される。

 また、最初からスーパースローモーションで撮影する「スーパースローモーション(ワンショット)」も用意されており、設定画面から切り替えることができる。

 撮影した動画は一般的なMP4形式の動画なので、SNSに投稿したり、メールなどで送信してもそのまま再生することが可能だ。ちなみに、スーパースローモーション(ワンショット)で撮影した約6秒間の動画(撮影時は約0.2秒間)のファイルサイズは8MB前後だった。

道路脇から行き交うクルマの下の部分を狙って撮影。目視で見えている状態に合わせて、スーパースローボタンを押すが、なかなかタイミングがうまく合わない。タイミングが合うと、クルマのホイールのデザインなどもわかるくらいで再生可能。
コップに落ちる水滴をスーパースロー(ワンショット)で撮影。スーパースローらしい映像が撮影できた。

 実際にスーパースローモーションで撮影をしてみたところ、スマートフォンで撮ったとは思えないユニークな動画を撮影できたものの、実際の利用シーンではシチュエーションを選びそうだという印象も残った。

 例えば、水がいっぱい入ったコップの上に、水滴の落ちるシーンなどを撮影すると、テレビCMなどでよくスローモーションの映像として見かけるような、なめらかなスローモーションの映像を撮ることができたが、走行中の電車などを撮ってみると、まるで電車が急停止したように見えるため、印象的ではあるものの、今ひとつ面白みに欠ける映像になってしまった(鉄道好きの人はうれしいかもしれないが……)。

 逆に、人の動きなどを撮影してみると、細かい表情の変化などを楽しめるが、どのタイミングでスーパースローモーションボタンを押すのかの判断が難しい。子どもやペットなどを被写体として撮影すれば、今までにない表情を見ることもできそうだが、一発で撮るのではなく、くり返し何度も撮って、決定的なシーンを撮れるように心がけた方が良さそうだ。

スーパースローは3つのモードが用意されている。
チュートリアルの内容は非常にわかりやすい。
スーパースローは明るいところで撮影した方がきれいに撮影できる。
録画ボタンを押して、撮影を開始する
ここぞというシーンでスーパースローボタンを押すと、スーパースローで撮影される。
スーパースロー(ワンショット)のガイド画面。すぐに960fpsでの動画撮影が可能。

 また、Motion Eyeカメラには「先読み撮影」という静止画の撮影機能も搭載される。MWC 2017での発表時には「Predictive Capture」という名前で取り上げられていた機能だが、被写体の動きを検知し、1回の撮影で最大4枚の写真を撮影し、決定的なシーンを逃さないようにするというものだ。撮影の流れは、カメラを起動し、動きのある被写体に対してカメラを向けると、自動的に画像の一時保存(バッファリング)が開始され、シャッターボタンを押したタイミングで最大4枚を賢くピックアップして表示、ユーザーが気に入った画像を保存する。

 この他にもゴルフのスイングなど、動きの速い被写体を撮影したとき、従来よりも約5倍の速度でスキャンできるメモリ積層型イメージセンサーの特徴を活かし、画像信号の読み込みで生じる時差を最小限に抑え、ひずみの少ない写真を撮影できる「アンチディストーション」なども組み込まれている。

 ところで、前述のように、今回のXperia XZsには新開発の1900万画素「メモリ積層型イメージセンサー」が採用されている。従来のXperia XZが2300万画素であったことを考えると、スペックが抑えられたような印象を持つかもしれないが、1画素のサイズが従来の1.12μmに比べ、19%大きい1.22μmになっているため、従来より明るく撮影できるようになっている。センサーそのもののサイズも、他製品が1/3インチや1/2.6インチのものを採用しているのに対し、Xperia XZsのセンサーは1/2.3インチと大きく、より多くの光を取り込むことができるため、細部まで繊細に撮影できるとしている。

 今回も実機でいくつか撮影してみたが、いつも筆者が試している暗いバーでの撮影でもやや暗さが残るものの、ライバル機種にも負けない写真を撮ることができた。今回試用した実機は試作機であるため、最終的な製品版については少し差異があるかもしれないが、従来モデルよりも暗いシーンでの撮影に強いようだ。

※以下の5枚は撮影サンプル。リンク先は5504×3096ドットなど無加工のデータ

被写体の写真に寄って撮影。背景もうまくぼけている。
バラの花びらに小さい虫が止まっているのがよくわかる。
小田急線経堂駅に隣接するショッピングモールの階段。周辺部が暗くなったり、乱れたりすることなく、写真を撮ることができる。
おなじみの薄暗いバーで撮影してみた。光源のキャンドルがいい味を出している。
同じくバーで縦方向に持った状態で撮影。ガラスの材質感も含め、うまく明るく撮影できている。

 Xperia XZsに搭載されるMotion Eyeカメラは、メモリ積層型イメージセンサーの特徴を活かしたスーパースローモーションなど、今までにない撮影を楽しめるようになった。イメージセンサーからレンズ、画像処理エンジンなど、スマートフォンに搭載するカメラシステムを自社ですべて開発できる強みを活かし、ソニーのαシリーズやCyber-shotシリーズのノウハウも取り込むことで、非常に完成度の高いカメラに仕上げられたと言えるだろう。

 ただ、その一方で、この方向性だけでいいのかという疑問も残る。たとえば、最近の他社のスマートフォンには、インカメラでの自撮りを美しく補正するモードが搭載されているが、Xperia XZsには、Xperia XZやXperia X Performanceから受け継いだ「美肌モード」が提供されているのみで、その効果も限定的だ。思いきり“盛った写真”には賛否両論があるところだが(笑)、「お、少し若返ったね」と言われるような、自然な補正ができてもいいのではないだろうか。

 このあたりは、ソニーモバイルと他メーカーとで、スマートフォンに搭載するカメラに対する考え方が異なることに起因しているようだ。つまり、最近の多くのスマートフォンは、スマートフォンで撮影するシチュエーションや楽しさ、面白さ、共有するときのウケなどを追求した方向を目指しているのに対し、Xperia XZsはこれまでのXperiaシリーズ同様、ソニーのαシリーズやCyber-shotシリーズで撮影するような「写真」を、スマートフォンでも手軽に撮影できるように、デジタルカメラとしての進化を重視している印象だ。

 そのどちらかだけが正しいというわけではないが、一般的なコンパクトデジタルカメラでもディスプレイを反転させて、自撮りを可能にする機種が相次いで登場している状況などを鑑みると、被写体を忠実に撮影するという現在のXperiaシリーズの『デジタルカメラ』的な方向性だけでなく、スマートフォンのカメラだからこそできる、遊びゴコロのある『楽しむカメラ』の可能性を拡大していって欲しいところだ。

スーパースローモーションなどの撮影機能を楽しみたいなら「買い」!

 Xperiaシリーズは国内でも人気の高いスマートフォンのシリーズであり、シェアについても、集計によって違いがあるものの、最大シェアを持つiPhoneを追いかける強力なシリーズのひとつと言えるだろう。その強みは、カメラやオーディオなど、ソニーが持つさまざまな資産をスマートフォンに取り込み、他社にはないブランド力と機能性を特徴として打ち出してきたことにある。

 今回のXperia XZsは、世界初のメモリ積層型イメージセンサーに、ソニーのGレンズ、画像処理エンジンのBIONZ for mobileを組み合わせた新開発の「Motion Eye」カメラを搭載することで、今までにない写真や動画を手軽に撮影できる環境を実現している。その他にも、2年使っても劣化しにくいと謳うバッテリー、ユーザーの利用状況に合った節電を可能にする「スマートSTAMINA通知機能」など、実用面での機能向上も図られている。

 前機種のXperia XZの発売から約半年というスパンの短さは、従来モデルを購入したユーザーにとって、あまりうれしくないところだが、タイミング的には2015年発売のXperia Z5やXperia Z4以前のユーザーが買い換え時期に近付いており、これらのユーザーにはちょうどいい買い替え候補になりそうだ。ぜひ、店頭のデモ機などで、Motion Eyeカメラの機能を中心に試していただきたい。

Xperia XZ(左)の発売から、わずか半年で登場したXperia XZs(右)。Motion Eyeカメラを搭載したことで、カメラをもっと活用できるスマートフォンへと進化を遂げている。

法林 岳之

1963年神奈川県出身。携帯電話・スマートフォンをはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。「できるゼロからはじめる iPhone 7/7 Plus超入門」、「できるゼロからはじめるAndroidスマートフォン超入門」、「できるポケット HUAWEI P9/P9 lite基本&活用ワザ完全ガイド」、「できるWindows 10b」、「できるゼロからはじめる Windows タブレット超入門 ウィンドウズ 10 対応」(インプレス)など、著書も多数。ホームページはこちらImpress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。