みんなのケータイ

 前回書いたとおり、Androidを搭載したフィーチャーフォン(ガラホ)「AQUOS K SHF31」を使っている。1カ月も経過すると、良くも悪くも当初とは違う印象を持つようになったので、今回はその話。

 まずは良さ。これはスタミナが第一。フィーチャーフォン風とはいえAndroidである。フィーチャーフォンとまったく同じのようにはいかないだろう、という予想だったのだが、モバイルデータ通信をオフにした状態で閉じたまま、という端末に大変有利な条件ではあるものの、放置したままでも2週間ほど電池が残っていた。省電力設定を施したスマホでもこれは無理じゃないですか。

最後の充電から13日後……まったく使わなければ2週間は平気で電池が持つ
通信速度もチェックしてみたが、横浜駅周辺で15Mbpsと、LTEの実測値としてはスマホと同程度だと分かった

 では普通に使って電池の消費はどうか。これは電車で毎日30分使うと3日で40%弱の減少。このペースなら1週間は持ちそうだ。もちろん、たかが電車で30分だから、スマホ並にブラウジングでもすれば、あっという間に減るだろう。

 だが、そうはならない。それが実はこのガラホの“弱点”でもある。ブラウジングをしていても、タッチパネルではないから、操作がだんだんと億劫になっていく。PCサイトの表示が多いから画面が小さく、さらに文字が小さい。かといって拡大をするとスクロールが面倒だ。もちろんかつてのフルブラウザとかPCサイトビューアーなどよりもはるかに快適ではある。Webページの表示も早い。

 それでも画面をタップするという、直感的なスマホの操作を知った今では、ガラホの操作は面倒なのだ。記事を深く読むことは無くなり、見出しをざっと読み流すようになる。使用時間を自然と抑えられるのでスマホ中毒の“解毒”には良いかもしれないが、快適にWebページをいつまでも見る、それによって情報を多く得られる、楽しめるという利便性は無い。

 もう一つ、これは盲点だったのだが、外出先で便利なはずの「au Wi-Fi SPOT」に全然つながらない。というのも最近のスマホなら5GHz帯の無線LANスポットにもつながるのだが、SHF31は2.4GHz帯の無線LANにしか対応していない。そのせいでつながらないスポットが多いようだ。

 スマホのテザリングやモバイルWi-Fiルーターが無いなら、外出先ではやっぱりモバイルデータ通信を有効にしたほうが良さそう……。というわけで、夢のパケット定額500円生活のハードルが上がった。

他にもこの1カ月でいろいろ試した。auのスマホ(非VoLTE)のSIMを挿してみると、ちゃんと通信が可能。さらに64GB microSDXCを挿してみた(それもキングストンのUHS-I、スピードクラス3、4K動画撮影可能という高機能過ぎのmicroSD)。……もちろん認識すらしない。ええ、分かってましたが

 カメラも遅い。最近のスマホが早すぎるのだろうが、ピント合わせに、シャッターを切るのに、時間がかかる。フィーチャーフォンと比べれば悪くないんだろうけど……。

 スタミナ以外の良さとしては、「安定感」が◎。「Android OS=不具合頻発」というネガティブなイメージを、Androidスマホを使ったことが無い人(あるいは使っている人もか)は持っているかもしれないが、ほんと使っていて何も起きない。

 筆者の持っているAndroidスマホと比べたらまさに雲泥の差で、勝手に再起動することも、固まることも無い(筆者のスマホではよく起こる。昨年の発売から1年ちょっとだというのに)。発熱もせいぜいが「温かい」程度。小さく片手操作で使えるのは、ラッシュ時の電車内で便利(使うな、という意見もあろうが)だ。しっかり握って操作できる安心感は素晴らしい。

 Android搭載とはいえ、ガラホはやっぱり圧倒的にフィーチャーフォン。スマホのように使うことは期待できないが、フィーチャーフォンの良さはしっかり受け継いでいる。“ガラケー”の良さを理解している人なら、ガラホもちゃんと使いこなせるし、オススメだと言える。