みんなのケータイ
ご飯がおいしく撮れるようになった「Xperia Z2」
【Xperia Z2 SO-03F】
石野純也
(2014/7/14 06:00)
「Xperia Z2 SO-03F」は、カメラ機能が強化された。センサーやレンズといったデバイスこそ先代の「Xperia Z1 SO-01F」と同じだが、画像処理エンジンの「BIONZ for mobile」が大きく改善されているという。先日のアップデートでXperia Z1の画質がXperia Z2相当に上がったのも、ソフトウェアで対処できる点が多かったからだ。
中でも、プレミアムおまかせオートで“ご飯”を撮ったときの画質は、大きく向上している。以前、このコーナーでも指摘したとおり、プレミアムおまかせオートで撮った料理の写真は青みが目立ち、食欲をそそられなかった。これが、Xperia Z2(やアップデートされたXperia Z1など)では照明の色味をある程度残す仕様に変えられているようだ。
1カ月以上Xperia Z2を使い、その間海外出張もあって普段より写真を撮る機会も多かったため、このカメラの特性を大体つかめてきた。以前の記事と同じ被写体がないので厳密には比べられないが、同じ肉ということで、まずは上海に出張した際の北京ダックを見てみよう。ちなみに、ここからの写真はすべてプレミアムおまかせオートで撮ったものだ。レストランの照明がやや暗めだったため、写真に明るさが足りないように見えるが、色味は見た感じに近くおいしそうに写っている。
同じ肉系の写真ということで、壺に入った豚の角煮を見ても、色はきれいに出ている。みずみずしさというか、シズル感というかも、より上がっている印象を受ける。
このみずみずしさは、野菜やフルーツを撮った際によりはっきり分かる。緑やオレンジのような色がクッキリ出ており、おいしそうに見える。
同様に、アップデート前のXperia Z1が苦手だった赤みの多いお寿司も、見たままに近い色味で撮れるようになっている。
ちょっと気になったのは、全体的に白っぽい被写体(食べ物)を撮ると、仕上がりがやや暗めになるところ。きちんと撮れていて手ブレもしていないが、もう少し明るく写っていればより写真としてキレイに見えるだろう。ただし、こうした写真は明るすぎると、一部が白飛びしてしまう。また、露出を上げると、暗い場所ではその分シャッタースピードを稼ぎにくくなり、感度を上げる必要も出てくる。こうしたバランスを考え、多少暗めに仕上げているのかもしれない。
暗いなと思ったら、アルバムアプリから簡単に露出を修正することができる。お皿など、より白い被写体が飛んでしまっても構わないのであれば、明るめに修正するのもありだ。
カメラには、ノイズをより少なくする改善も施されている。驚いたのは、間接照明だけのイタリアンでもきちんと写真が撮れたこと。フラッシュなしでここまできちんと写っていれば、個人的には十分だと感じた。
ノイズが少ないのは、夜景を撮ったときも同じ。注意しないと手ブレすることはあるが、仕上がりにはおおむね満足している。
よくよく考えてみると、今まで人物写真をまったく紹介していなかったので、今回はその仕上がりも見ていきたい。以下の2枚の写真は、「COMPUTEX TAIPEI」と「Mobile Asia Expo」で撮ったもの。会場はそこまで明るくなかったが、ノイズも少なく、肌色もきれいに再現できている。
ただし、拡大するとややディテールが甘い部分もあり、ミラーレス一眼など、センサーがより大きなカメラにはかなわない印象。Xperia Z2のスペックが示しているように、コンデジに近い画質と言えるだろう。
このレベルで撮れれば、普段使いのカメラとしては十分だ。数あるスマートフォンの中でも、トップクラスと言って差し支えないだろう。欲を言えば、上で述べたように、一部の写真をもう少し明るめに処理してくれるといいのだが……。プレミアムおまかせオートでどこまで設定項目を増やすのかはソニーモバイルにとって判断が悩ましいかもしれないが、露出設定ぐらいはあってもいいのかもしれない。