みんなのケータイ

 画面が見やすいことはうれしいが、片手では操作しづらいiPhone 6 Plus。それは、買う前から承知していたことなので、さほど不満にはなっていない。されど、ときどきは片手で操作したい状況に出くわすこともある。

 片手での操作を容易にする方法として、最近、僕が気に入っているのが「AssistiveTouch」だ。主に身体にハンディキャップを持つ人向けに用意されている「アクセシビリティ」機能のひとつで、指1本のタップでさまざまな操作が実現する。

 AssistiveTouchをオンにすると、画面の端にグレイのアイコンが表示され、それをタップすると「ホーム」「Siri」「通知センター」といったメニューが表示される。「ホーム」をタップすると、ホームボタンを押すことなくホーム画面に戻れて、「通知センター」をタップすると、画面をスワイプすることな、通知センターにアクセスできる仕組みだ。

「設定」→「一般」→「アクセシビリティ」→「AssistiveTouch」をオンにすると有効になる
ホームボタンを3回クリックすることでオン・オフを切り替えられるようにも設定できる
AssistiveTouchをオンにすると、画面にグレイのアイコンが現れる。画面の端であれば、アイコンはどこにでも配置できる。アイコンは半透過が表示されるので、慣れてしまうと気にならない
アイコンをタップすると専用メニューが画面中央に表示される。片手しか使えない状況で重宝する

 iPhoneにこの機能があることは以前から知っており、iPhoneの“隠れ技”として記事に書いたことも何度かある。しかし、従来のiPhone 5sなどを使っているときには、個人的に必要性を感じることはなかった。このAssistive Touchが、実はかなり便利かもしれないと気づいたのは、甥が使っているのを見たのがきっかけだ。

 大学生の甥はiPhone 5を使っているのだが、長く使っているうちにホームボタンの反応が鈍くなり、ついには反応しなくなってしまったらしい。「ホームボタンが使えないと不便だろ? iPhone 6に買い替えたほうがええんちゃう?」という僕の質問に対し、甥が「そんなんもったいない。ここからホームボタン押せるから平気やで」と見せてくれたのが、AssistiveTouchをオンにした画面だった。ホームボタンが壊れたiPhoneを、それを感じさないくらい軽快に操作する様子を見て、これはiPhone 6 Plusの操作にも役立つのでは? と思った次第だ。

 iPhone 6 Plusは、片手持ちではホームボタンが押しづらい。通知センターやコントロールパネルを開いたりといった操作も片手ではしづらい。されど、AssistiveTouchを使うと、どの操作も画面中央に表示されるメニューをタップするだけで行えるのだ。メニューの「デバイス」を選択すると、マルチタスクを表示させたり、表示中の画面のスクリーンショットを撮ったりという操作もできる。ちなみに、スクリーンショットを撮る際、画面に常時表示されるAssistiveTouchのアイコンは写らないので安心だ。

AssistiveTouchのアイコンをタップすると最初に表示されるメニュー
「デバイス」を選択すると、音量調節や画面回転などを行えるメニューが表示される
さらに「その他」を選択すると、スクリーンショットも撮れる。ちなみに「ジェスチャー」を選択すると、複数の指での操作を1本の指でできる。地図の表示を傾かせて視野を変えたいときなどに役立つ
「よく使う項目」には、指1本でピンチイン&アウトが行える機能が初期設定されている。2本の指でスワイプなど、自分で決めたジェスチャーを登録しておくことも可能

 iPhone 6 Plusの片手操作で苦労している人がいたら、だまされたつもりで一度は試してみてほしい。また、甥がそうであったように、ホームボタンや音量調節ボタンなどが故障した際の代用としても役立つのではないかと思う。