みんなのケータイ

リアル取材で感じた「Xperia PRO」×「α7c」の使い心地

【Xperia PRO】

 6月28日より、世界最大級の通信関連見本市「MWC」が開催される。ここ数年はスペイン・バルセロナで行われているが、昨年はコロナ禍で直前に中止。例年、2月開催であったが、今年は6月に変更されている。ヨーロッパではコロナも落ち着き始めているようだが、NTTドコモを始め、多くの企業がMWCへのリアルでの参加は見送っている状態だ。

 筆者もMWCに関しては、Mobile World Congressという名称の前から10年以上、通い続けていたが、今年はバルセロナに行けても、帰国時に14日間の隔離を強いられるので、断念せざるを得なかった。

 実はMWCでは毎年、ライターのなかやまさとるさんと共に、最終日あたりに「振り返り」の動画現地から行っていた。MWCで発表されたばかりの製品を紹介しつつ、ライターさんや知り合いの業界関係者にも出てもらい、あれこれMWCの総括を配信していたのだった。

 スタート当初はプレスルームにカメラとノートパソコンを設置して配信していたが、その後、メーカーのブースの端っこを借りて配信したり、最近はスマホを持って会場をぶらぶらと散歩しながらレポートしていた。MWC会場の通信環境が年々、改善されたことで、「スマホで歩きながらのLive配信」が可能となったのだ。

 そんななか、ソニーが「Xperia PRO」を発売した。HDMI端子を搭載し、デジカメからの映像を入力し、5G通信経由でストリーミング配信できるのが売りだ。

 価格は25万円と高価だが、早速購入し、Xperia Proとソニーのデジカメ「α7c」を接続。今年は行けなかったが、来年の準備として、この組みあわせを使って、NTTドコモの夏商戦向け発表会のタッチアンドトライ会場をレポートしてみた。

 NTTドコモの新製品タッチアンドトライ会場は当然のことながら5G完備だ。Xperia PROのアプリでチェックしてみると時々、4Gになってしまうが、かなりの時間、5Gをつかんでいる。

 実際に50分弱、現場から配信してみたが、確かにα7cを使っているだけに、背景のボケなどが出ており、スマホカメラにはない画質に仕上がっている。ただ、個人的な撮影スキルが追いついておらず、ちょっとピントが合わなかったりすることが多かった。こればかりは、もうちょっとカメラになれておく必要があるかもしれない。

 また、後で見返してみると、全体的に画像がカクついている感じがした。5Gでつなぎ、なめらかな高画質になるとか思いきや、このあたりは期待外れであった。実際に何が原因で、あまりスムーズな映像になっていないのか、検証が必要かもしれない。

 なかやまさんもデジカメとXperiaをつないで中継をやったのだが、二人の感想としては「タッチアンドトライ会場をだらだらと歩き回って、動画配信レポートするなら、スマホの方がいいかも」ということだった。

 デジカメ+スマホという組み合わせは、どちらもどんなに軽量でも、結構、片手で持つには負担が大きい。また、ピントを意識しながら動画撮影するよりも、スマホで何も考えずに撮影したほうがはるかに楽という結論になってしまった。

 ただ、モバイル環境で、あまり動かないような動画配信であれば、「Xperia Proとα7c」という組み合わせは、画質もよく、かなりクオリティの高い動画配信ができると確信した。

 やはり、動画配信は、いろいろと現場で試した経験を積む必要があるのあらためて実感したのだった。