みんなのケータイ
ついにAndroid 11になったSIMフリー版「Xperia 1 II」
【Xperia 1 II】
2021年3月26日 06:00
au版、ドコモ版に続き、ようやくSIMフリー版の「Xperia 1 II」にAndroid 11へのアップデートが配信された。最速だったau版は1月19日にアップデートが始まっていたため、ちょうど2カ月間待ったことになる。実は前回の本コーナーで、Android 11になったSIMフリー版Xperia 1 IIを取り上げようと思ったが、配信が一向に始まらなかったため、泣く泣く見送っていた。かつてのAndroidのように、バージョンが1つ上がっただけで劇的に機能が向上するわけではないものの、最新OSになり、かゆいところに手が届くようになった印象を受ける。
OSそのものとは直接関係ないが、もっとも嬉しかったのは、Photograpy Proに「MR」モードが加わったことかもしれない。ダイヤルをMRに切り替えると、あらかじめ登録しておいた設定をまとめて呼び出せる。筆者は主に「P」モードや「S」モードを使って撮影することが多いが、「D(ダイナミック)レンジオプティマイザー」と「オートHDR」は、シーンに応じて切り替えていた。ただ、この切り替えが少々面倒。「MENU」を開き、「露出/色」をタップしてから、「DRO/オートHDR」を選んで、どちらか一方を選ぶ必要があり、手順が複雑だ。
そこで、「MR」には「P」でオートHDRをオンにした状態を登録しておくことにした。こうすれば、オートHDRが必要なときだけ、MRに切り替えればよくなる。シンプルな操作でオートHDRにたどりつけるというわけだ。ネオンなどの強い光源がある夜景や、逆光気味の人物撮影では、オートHDRの方が白飛びや黒つぶれを減らせる。Photograpy Proは、シーンに応じて設定を切り替えながら撮影できて楽しいが、そのぶん、設定には手間がかかる。よく使う設定を登録しておけば、いざ利用する時に、スムーズな操作が可能になる。
Android 11で追加された機能の詳細は、Webのヘルプガイドに記載されているが、ここに掲載されている以外の細かな変更点も多い。使い始めてすぐに気づいたのは、スクリーンショット取得時の挙動。Android 11の「Xperia 1 II」は、スクリーンショット取得直後にサムネールが画面左下に表示される。ここには、「共有」と「編集」のボタンも用意されている。Android 10のときは、通知から呼び出さなければならず、少々面倒だったが、指の届きやすい場所にボタンが移り、操作性が上がった。
アプリのバブル表示にも対応している。例えば、音声通話時にホーム画面に戻ると、通話相手が画面上に小さな丸で表示される。通話の終了やスピーカーへの切り替えをしたいときには、ここをタップするだけだ。同様のユーザーインターフェイスは、Facebookのメッセンジャーなどに実装されていたが、OS標準の機能になったことで、対応アプリが広がった格好だ。
SIMフリー版ならではなのが、デュアルSIMの設定方法が変更になったところ。元々は、「設定」→「ネットワークとインターネット」をタップしたあと、デュアルSIMの設定は「SIMカード」、それぞれのSIMカードの設定は「モバイルネットワーク」で行っていたが、Android 11では、「ネットワークとインターネット」直下から、それぞれのSIMカードの設定にアクセスできるようになった。どちらのSIMカードで通信するかの設定も、その中に用意されている。
そのほかにも、アップデートで改良、変更になった部分は多い。ただ、対応周波数がどうなるのかは、本稿執筆時点で分かっていない。例えば、au版はAndroid 11へのアップデートと同時に、3.5GHz帯の5Gが加わっている。端末は異なるが、同じソニーモバイルの「Xperia 5 II」は、ソフトバンク版が700MHz帯、1.7GHz帯、3.4GHz帯の5Gに対応した。同じように、SIMフリー版でも、4Gから転用した5Gの周波数帯に対応してくれればエリアが広がってうれしいが、残念ながらこうした計画は公表されていない。
そもそも、本稿はAndroid 11へのアップデートが始まった日に執筆しているが、現時点では、アップデート情報がソニーモバイルのサイトに載っていない。そのため、具体的にどこが強化されたのかが不透明だ。過去のアップデートも、配信が先行し、情報掲載が翌日だったため、明日、その中身が分かる可能性は高い。ただ、心の準備もあるため、アップデートの可否や中身、実施日は、前もって知っておきたいユーザーが多いはずだ。ソニーモバイルのSIMフリー端末は、実際の配信と告知の順番が逆になっているため、今後の改善に期待したい。