みんなのケータイ

クラウドストレージの同期、どれが一番高速なのか

【arrows 5G F-51A】

クラウドストレージは同期速度にも注目すべき!?

 契約しているサブスクリプションサービスを見直していくなかで、複数あるクラウドストレージをメイン1つに絞って移行しようかな、と考えた。お付き合いのある会社によって許可されているサービスは異なるので、1つを残して他を一切使わない、ということはできないのだけれど、個人的にメイン以外のプランを最小限にするくらいならできるかもしれない。

 しかし、ファイルの移行を進めていくうちに、サービスによって同期がスムーズだったり、そうじゃなかったりすることに今さらながら気が付いた。コスト削減を前提に移行しようとしていたが、もしかするととんでもないミスを犯そうとしているのかもしれない。支出は少し減ったけれど仕事が全然はかどらない、なんてことになったら元も子もないぞと。

 そこで、代表的なクラウドストレージサービスについて、実際のところどれくらいの速度で同期してくれるのか比較してみることにした。試したのはAmazon Drive(プレミアム会員)、Dropbox(Dropbox Plus)、Google ドライブ(Google Workspace)、OneDrive(Microsoft 365 Personal)の4種類で、いずれも有償契約している。

 テストの内容は2パターン。1つは、各サービスのスマートフォンアプリで20枚の写真(計約14MB)を手動アップロードし、同期しているパソコンのフォルダにそれらのファイルが表示されるまでの時間。もう1つは、そのアップロードしたファイルをパソコン上で一括削除し、スマートフォンアプリ上から消えるまでの時間(手動のリロード操作が必要なので時間は目安)。短時間で完了するほどスムーズに同期できる、と考えていいだろう。

20枚の写真ファイルを一括アップロード、削除したときの同期完了までの時間を計測した

 なお、テストにあたっては同一のWi-Fi 5のLAN環境下で、arrows 5G F-51Aとデスクトップパソコン(Windows 10)を使用した。サービスごとに5回ずつ計測している。有償のなかでもプラン種別が他のものだったり、無料アカウントだったりすると通信帯域が変わる可能性があり、ネットワークやクラウド側の混雑状況によっても結果が異なる場合があるので、あくまでも参考に止めてもらえると幸いだ。

クラウドストレージサービス 同期速度比較グラフ

気になる結果は…

 最も高速かつ安定していたのはDropbox。5回計測したすべてで30秒かからず同期が完了しており、1ファイルを1.5秒以内で処理している計算になる。老舗クラウドストレージの面目躍如といったところだろうか。削除にかかる時間には幅があるものの、いずれにしても低速というわけではない。とにかく複数端末でサクサク同期させながら使いたいなら、Dropboxが間違いないだろう。

 次いで好成績だったのがOneDrive。30~40秒程度の時間であれば、ほぼ待たされているような感覚はない。ファイル削除についてはDropboxよりも高速。ただし、筆者の環境ではスマートフォンアプリの挙動がやや不安定で、時々ファイル一覧を表示するときにローディング中表示のままになることもあった。

 Amazon Driveは、高速なときと低速なときの差が大きい。びっくりするほど速く同期してくれるかと思えば、1分以上かかることもある。他のサービスがファイル1つ1つを順次同期していくのに対し、Amazon Driveだけはある程度複数ファイルのキューが溜まったところで同期しているような見え方で、ちゃんと同期処理が走っているのか不安に思ってしまうところもある。

 同期が最も遅かったのはGoogle ドライブだった。スマートフォンからファイルを1つアップロードしたら同期して、次をアップロードしたら同期して、という感じで1個1個処理していくようなイメージ。そのため、アップロード完了と同期完了のタイミングにあまり差がない。快適とは言いがたく、複数端末で素早くファイル交換する用途では使いにくそうだ。

 というわけで、同期のスムーズさを重視するのであれば、DropboxかOneDriveを選ぶのが無難だ。役割的に重複するクラウドストレージサービスをいくつも契約するのはコストが余計にかかるので、できるだけ必要最小限のサービスに絞りたくなるが、その場合はこういった同期速度などの快適さに直結する部分も考慮に入れながら選ぶべきだろう。