みんなのケータイ
どっちがiPhone? どっちがXperia? 注目2機種でランチ写真を撮り比べた
【iPhone 12 Pro/Xperia 1 II】
2020年11月26日 06:00
発売日と同時に「iPhone 12 Pro」を購入し、「Xperia 1 II」と併用している。iPhone 12 Proは、内蔵される「A14 Bionic」による機械学習の処理や、明るくなったF1.6のレンズのお陰で、カメラの画質がiPhone 11世代より向上した。機械学習でのシーン検出ができるようになったためか、特にご飯を撮ると、色が鮮やかに出て、油の照りなどもキレイに表現されているような気がしている。
これに対し、以前から使用していたXperia 1 IIも、メインのカメラのセンサーサイズが1/1.7インチと大きく、マニュアルで撮れる「Photography Pro」も利用でき、カメラ性能が比較的高い端末だ。秒間20コマの高速連写や瞳AFなど、iPhone 12シリーズにはない機能も多い。
そこで試しに、iPhone 12 ProとXperia 1 IIで同じ料理を取り、Twitterにアップして「どちらがiPhoneか」をフォロワーにたずねてみたところ、そこそこ大きな反響があった。正解率は五分五分よりちょっとよかったぐらいだが、各フォロワーがそれぞれの観点で理由を推測していたのがおもしろかった。それならば……と思って、ランチに出るたびに、iPhone 12 ProとXperia 1 IIで写真を撮りためておくことにした。
あらかじめ言い訳をしておくと、食べる前の数十秒で急いで撮ったため、構図が違ったり、手ブレしてしまっていたりするものもある。しかしながら、2つの端末で撮った写真は、同じシーンとは思えないぐらい、仕上がりの傾向が違うものもあり、写真に対するソニーとアップルの考え方の違いがうかがえた。実際、以下に写真を掲載したので、どちらがXperia 1 IIで撮ったものかを当ててみてほしい。
なお、iPhone 12 Proは標準のカメラアプリ、Xperia 1 IIはPhoto Proで「Pオート」にして、露出を+0.3から+1.0の範囲で少しだけ調整、ISO感度はオートに設定してあるが、最後の生姜焼きだけは手ブレが起きやすかったため、手動でISO800まで上げている。
それでは、まず第1問。これは、比較的分かりやすいかもしれない。
答えは 下がXperia 。iPhoneの方が色がコッテリしていて、ボケが少なめなのに対し、Xperiaはあっさり目で、センサーサイズが大きいためか、後ろ側のボケが大きく出ている。
第2問はハンバーガーだ。
こちらは、 上がXperia 。傾向としては上の牛丼と同じで、バンズやチーズの色がかなりコッテリしている。Xperiaはあっさり目だが、こちらの方が現物に近い印象もある。ポテトのあたりが盛大にボケているので、これも分かりやすかったかもしれない。
第3問は、天丼だ。
正解は、 上がXperia 。色の傾向が近いため、ぱっと見では少々分かりづらかったかもしれないが、ボケの量で判断できる。iPhoneの方は、タレの照りがかなり強調されていて、少し味が濃そうだ(笑)。
第4問はカキフライ。これは、自然光が割と多く当たっている関係で、ちょっと分かりづらいかもしれない。
Xperiaは上 。よく見比べると、iPhoneの方が衣の彩度が高い。揚げ物は同様の傾向があるようで、第5問のトンカツでも似たような結果になった。先に答えを明かしてしまうと、下の2枚は 下がXperiaだ 。
第6問はマーラータン。
これは、かなり難しかったかもしれない。自分でも、間違えて同じ端末で撮ったものを並べてしまったのかと思い、EXIFまで確認したが、 下がXperia だった。
あとは、まとめてドン。以下はすべて、 左がXperiaで、右がiPhone 。傾向は大体これまで説明してきたとおりだが、iPhoneは白いお皿に引っ張られて、全体が少々暗くなってしまう傾向もある。逆にXperiaは、料理の中身を明るくしようとすると、お皿が少し白飛びしてしまう。このへんは、どちらの端末でも、仕上がりを考えながら露出補正すればいいだろう。
Xperiaは、PオートでISOをオートにしていると、ISO感度が低いままでシャッター速度を落としてしまう傾向があり、手ブレを抑えるのが少し大変だった。ISOを上げるか露出を下げれば、シャッター速度が上って解決する問題だが、オートでももうシャッター速度が上がるようにチューニングしてくれてもよかった気がする。料理を食べる前に、設定をあれこれいじって撮るのは大変だからだ。
逆に、iPhoneはシャッターボタンを押すだけで、バシッと決まった写真が撮れる。発表会では「コンピュテーショナルフォトグラフィー」を強調していたが、まさにといった印象。ただ、全体的に色味が濃くなりすぎてしまう傾向はある。“映える”写真は撮れそうだが、少し好みは分かれるかもしれないと感じた。