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もっと自動文字起こし! ワイヤレスマイクを導入した結果

 Prime Dayってすごいなあと思うのだ。いつか買いたいなあと思っていたアレとかコレとかが、普段の値付けは一体なんだったんだってくらいの価格で売り出されたりする。そりゃ買うでしょ。いつもは2万4000円くらいしているのが1万5000円になってたらそりゃ買うでしょ。

リアルタイム文字起こしにワイヤレスマイク(スピーカー)を導入

 そんなわけで、効果が本当にあるのかどうか不安で購入をためらっていた、インタビュー時にリアルタイム文字起こしするためのワイヤレスマイクをついに手に入れた。

 モノは「eMeet OfficeCore M2」という製品。Bluetooth接続対応のワイヤレスマイク兼ワイヤレススピーカーだ。どちらかというと会議室にモニターやWebカメラと一緒に置いて、オンラインミーティングに使うことが多いのかもしれない。

本来は会議室に置いてオンラインミーティングで使うことの多そうなアイテムだが、あえてマイクとしてしか使わない
スマートフォンと接続するときは、念のため「メディアオーディオ」の再生に使われないように設定しておく。使うのはマイクだけ

 が、筆者としてはこれを会話のリアルタイム文字起こしに使うのが目的だ。イベントやインタビューなんかでは、高精度な文字起こし用アプリ「UDトーク」を使うことがあるのだけれど、これまではスマートフォン「LG V30+ L-02K」のマイクで直接話し手の声を取り込んでいた。これをOfficeCore M2にすることで、いくつかの課題を解決できるかもしれないと思ったのだ。

 たとえばスマートフォンのマイクだと、スマートフォンの置き方によって音声入力のレベルが変わったりするので、スマートフォンの向きや置き場所を慎重に決めないとならない。

これまではスマートフォンを横置きにしていたが、スタンド(ケース)の構造上、マイクのある右方向にしか向けられないという欠点が

 基本的には話し手に近ければ近いほどいい。でも、まさか相手の目の前に自分のスマートフォンを置くわけにもいかないし、しゃべった内容がどんどん文字化されていくのを相手や周囲の人に見られてしまうとなんか気まずい。また、イベントだと置き場所を選べないことの方が多い。

 ワイヤレスマイクならスマートフォンからある程度離しておけるので、スマートフォンは向きなどを気にせず、手元に置いておける。

 ワイヤレスマイクが小さければ話し手に圧迫感を与えることもないだろう。OfficeCore M2のサイズは直径12cmほどあって、すごくコンパクトとは言えないのだけれど、平べったいからそれほど邪魔には感じないはずだ。

あらかじめUDトークの設定で「Bluetoothマイクを有効にする」をチェックしておく

 で、結果的にUDトークとOfficeCore M2を組み合わせてみてどうだったかというと、便利になったとも言えるし、取り込み精度が高くなったとも言えるけれど、ケースバイケースだなあというのが正直なところ。マイクの感度はかなり上がったとは思う。自分の目の前にOfficeCore M2を置いていても、1〜2メートル離れた相手の声をしっかり聞き取ってUDトーク上で文字起こししてくれる。

直径12cmとまあまあ存在感はあるが、平べったいのでさほど邪魔にはならないと思う

 ただ、声の大きさにもよるけれど、会議室みたいなところだとむしろマイクの感度が良すぎて、反対に精度が落ちるようなこともあった。相手が小声で話すと変換精度が上がるというような具合だ。なので、かなり正確に文字起こししてくれることもあれば、スマートフォンのマイクで直接取り込んだ方が良好な結果が得られることもある。

 声の大きさに応じてOfficeCore M2の置き場所を調整するか、声が大きいときは付属の携帯ポーチに入れてあえて音を減衰させる、みたいな工夫が必要だ。マイク感度をソフトウェア的に調整するような機能は、残念ながら、ない。OfficeCore M2と組み合わせて使える専用のアプリも一応用意されているが、特に文字起こしに役立つ機能も見当たらない。

付属の携帯ポーチに入れたまま使ったりすることも。どれくらい音声が減衰しているのかははっきりしないが……

 しかし、取材時の使い勝手としては、スマートフォン単体だけのときより抜群にいい。一度スマートフォンとペアリングしておけば、一般的なBluetoothスピーカーなどと同じように電源オン直後に接続が完了するし、4つの内蔵マイクのおかげで向きも気にしなくていいので、取り出したらテキトーにそのへんに置いておくだけでOK。マイク感度が上がったこともあり、置き場所の自由度はものすごく広がった。

 一方のスマートフォンは画面が見やすいように手元に置いておけるから、UDトークが文字起こししている様子をしっかり確認できる。もちろん連携しているノートパソコン上のUDトークでもチェックできるのだが、まれに通信状況が悪化してサーバーへの接続が途切れ、変換がストップしてしまうこともあるので、その対処もしやすい。

ノートパソコンの画面に立てかけておけば見やすい

 それでも、値引きされていたとはいえ1万5000円だ。清水の舞台とまではいかずとも、2mの高さから飛び降りるくらいの思い切りは必要な値段ではあった。その値段なりの価値があったかと問われると……文字起こしという用途だけで考えると微妙かも。いずれは広い会議室でオンラインミーティングするのに使ってみたいところだ。