みんなのケータイ

毎週あるラジオの収録、Slackで関係者と情報共有

 筆者は普段はライターだが、ラジオパーソナリティとしてラジオNIKKEI「スマホNo.1メディア」という番組を毎週木曜日22時から放送している。毎年、年末年始には本誌の湯野編集長にもゲストとして出演していただき、その年のケータイ業界の動向を振り返りつつ、新しい年を展望するのが恒例企画となっている。

 その番組で、毎週、頭を悩ませるのが、収録日の調整だ。メーカーやキャリアなどの新製品や新サービス担当に話を聞くのが番組のメインコーナーで、このゲストに声をかけるというのが自分の仕事なのだが、ゲストと出演者、スタジオ、そして自分のスケジュールをすり合わせるのが、結構と手間なのだ。

 まず、優先されるのは当然のことながら、ゲストのスケジュール。ただ、このあたりは調整してくれる広報さんが無理をしていただいているようで、何とか融通が効くことが多い。

 続いて、調整が必要なのが、出演者とスタッフのスケジュール。自分だけでなく、普段、MCやアナウンスの仕事をしているアシスタント、フリー的に働くラジオのディレクター、さらにラジオNIKKEIの社員で、いろんな仕事を兼務しているプロデューサーという4名のスケジュールを調整しないといけない。

 さらにやっかいなのが、収録スタジオの確保。ラジオNIKKEIには4つの収録スタジオが存在するのだが、結構な割合で満室となっており、スタジオの空きを確保するのが難しいのだ。しかも、スタジオのスケジュール管理は、紙のカレンダーに手書きで埋めていくという超アナログであるため、プロデューサーが毎度毎度、目視で確認して、空いているところに手書きで予約をおさえるということをしなくてはいけないのだ。

 番組は毎週あるため、ゲスト、スタッフ、スタジオの調整を日々追われているという感じだ。

 実は番組が始まって、まもなく丸4年、もうすぐ200回を迎えるのだが、つい4カ月ほど前まで、スケジュール管理はすべてスタッフ全員へのメールでこなしていた。しかし、返事がなかなか返ってこなかったり、その間にゲストのスケジュールが埋まってしまったりと、調整がかなり煩雑で、メールに代わるツールを探していたのだった。

 LINEやFacebookメッセンジャーなどがあるなか、とりあえず、お試しで使ってみて、意外とうまくいっているのが「Slack」だ。Slackであれば、複数人のメッセージのやりとりを、いくつかのスレッドにわけて管理することが可能だ。

 自分たちの場合、「スケジュール」と「構成台本」という2つのスレッドがメインとなっている。スケジュール調整は「スケジュール」のスレッドで管理し、ゲストが決まると、ディレクターが台本を書き、Wordファイルとなって「構成台本」というスレッドにアップしていく。番組でどういったことを聞けばいいのかという疑問も、このスレッドで解決していく。また「久々に飲み会しましょう」という時には別のスレッドを立てたりする。

 単純なのだが、このスレッドを分けて議論を展開できるというのが、後々、振り返って情報を確認するというのに最適だったりするのだ。これまではすべてメールで管理されていたため、過去のスケジュールや台本を探すのに苦労させられ、多くの時間を無駄にしていた。その点、Slackになって、スッキリとした印象がある。チャット形式なので、参加者の返事が速いというのが何より重宝だ。

 こうした業務用のコミュニケーションツールとなると「社内で一括導入」というイメージがあるが、今回は、フリー的に働く3名と、会社員1名というチームでの連絡手段として役立っている。社内と社外をつなぐツールとして、とにかく無料で、アプリを入れて設定すればすぐに始められるというのが気に入っている。

 これから、働き方改革として、様々な働き方をする人が増えてくると思うが、こうしたコミュニケーションツールの需要はますます高まっていきそうだ。