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ソフトバンク版のMate 10 Proを考えている人に向けたあれこれ
【Mate 10 Pro】
2018年6月7日 06:00
ソフトバンクの夏モデルとして「HUAWEI Mate 10 Pro」がラインナップされた。筆者を含めて、昨年末のSIMフリー版の発売時に飛びついた人達からすると、旬を逃している感じがなくはないのだが、関係者によると、発売後の売れ行きはかなり好調という。SIMフリー版ではかなり高額なハイエンドモデルとして登場したこともあり、大手キャリアの割引も魅力が大きいのかもしれない。
そこで、概ね半年ほどのMate 10 Proの先輩(?)として、ソフトバンク版を含めてMate 10 Proを考えている人に向け、ユーザー目線でこの端末のポイントを振り返ってみたい。
「SuperCharge」対応の充電器
筆者が一番最初に手を付けたのは、追加のACアダプターの確保だ。この端末は4.5V 5Aという超高速充電規格「HUAWEI SuperCharge」に対応しているが、対応するACアダプターはパッケージに同梱されるもののみで、一般に流通していない。ソフトバンクでもオプション品として販売予定はないとのことで、SIMフリー版の発売の頃と状況は変わらないようだ。もちろん端末は一般的な急速充電のACアダプターでも充電できるが、「SuperCharge」の急速充電はとにかく早くて低発熱。自宅用と職場用といったように、拠点にあわせて2個目が欲しくなるのだ。
パッケージ同梱品である「SuperCharge」に対応したACアダプター(2000円)と、5A対応を明確にうたっているUSB Type-Cケーブル(1500円)は、ファーウェイのサポートから入手できる。銀座と梅田にあるファーウェイのカスタマーセンターではその場で購入できるほか、現在ではオンラインでもファーウェイの「アフターサービス商品販売」というページから購入できるようになっている。
ライカのダブルレンズカメラ
「HUAWEI P20 Pro」が発表されたことで、ライカのブランドを冠するカメラに改めて注目が集まっている。Mate 10 Proのダブルレンズカメラは、超高感度による暗所撮影や夜間撮影、ズーム撮影の性能こそP20 Proのトリプルカメラに譲るものの、現行のスマートフォンとして相当高いレベルにあることは間違いない。
筆者が気に入っているのは、カラー写真なら青空の描写で、いわゆる“記憶色”に近い、気持ちのいい鮮やかな青空に描写してくれる点。またAIによる補正は、例えば逆光で黒く潰れてしまいそうな部分も、破綻のない範囲で持ち上げて描写され、ゆるいHDRのような効果がある。
一方、モノクロ写真はモノクロ専用のセンサーを使うとあって、よくあるような、粒状のノイズを付加してフィルムの描写を再現する方向性ではなく、シャープでダイナミックレンジに優れた、かなりストイックな仕上がりになる。これはデジタル時代だからこそ到達できた、新たなモノクロ写真の世界ともいえる。
半年ほど使っていると、苦手な部分も見えてきている。具体的には、オートモードにおける電球色の光源下でのホワイトバランスとダイナミックレンジで、電球色であることは伝わる描写であるものの、利用シーンとマッチしないことがしばしば。特に料理の写真では、電球色の光源では暖色はそのままに、退色したようなコントラストが低めの描写になりがちで、“美味しそう”という雰囲気を外してしまうことが多い印象だ。
“裸”で運用、知られざる課題が?
製品パッケージにはクリアケースが同梱されているものの、筆者は、薄いボディ、背面にも2.5Dガラスが使用されているといった特徴を肌身で感じるべく、剥き身で使用している。保護ガラスは基本的に端まで覆えないので使用していない。幸いにもこれまで地面に落として傷が付くといった深刻なアクシデントには見舞われていない。
この剥き身ので裸運用、唯一にして最も気をつけたいのは、ディスプレイ面に加えて、背面ガラスの表面も非常に平滑なため、恐ろしいほどに“滑る”という点だ。持った手の指がすべるということではなく、机や服の上などで、とにかく滑る・滑り出すのである。背面にガラスを使った端末はどれも似たようなものかもしれないが、2.5Dの曲面処理により周囲に立ったエッジが存在しないことが、この滑りやすさを加速させていると思う。
たとえば、少しでも傾斜している机にこの端末を置くと、ゆっくりと、しかし確実にススーッと動き出す。机がツルツルとかでなくても、木の地肌の天面でもそうだ。机でなくても、例えばソファの上や、ちょっと脱いだ洋服の上にポンと乗せた場合などでは、すこしでも斜めになっていれば確実に、ゆっくり、ス~ッと動きだす。目を離してしばらくしたら床に落ちていた、などということが何度もあった。
さらに気をつけたいのは、ズボンの前ポケットに入れていてさえも、椅子などに座る角度によっては、いつのまにかポケットから出てきて落ちる、ということがあること。落とすまではいかなくても、半分くらい出ているという状況は何度もあった。
ここまで滑りたがり・出たがりだと逆に微笑まし……いと思えるかどうかは分からないが、あと剥き身で運用したい人がどれほどいるのか不明だが、端末の補償サービスへの加入は精神的安寧のためにもオススメしておきたい。