みんなのケータイ

至高のラーメンタイマーと化す「Google Home」

【AXON 7】

 10月6日に発売されたスマートスピーカー「Google Home」。すでに本コーナーでも使用感がレポートされているが、筆者も気になっていたので発売日に購入した。音声での操作や案内だけなら「Google Home mini」を待つという手もあったのだが、音楽を再生するとかのフル機能を試してみたかったので、まずはminiよりもしっかりしたボディサイズの、ノーマルなモデルを入手した。ちなみに住環境はワンルームのアパートである。

 最初に感覚的なところを挙げると、常時待機しており、一切手を使わずに音声で操作できるというのは、頭では理解できていても、自分の生活の中に入ってくると驚きも多い。天気、気温など毎日チェックしたいものごとは、やはり便利。わざわざ手で操作をすることなく、朝起きで目が開いてなくても「ねぇ~ぐーぐる~ きょうのてんきわぁ~?」と聞けばいいだけ。メニューを操作する、遷移するという概念がなく、欲しい機能をダイレクトに取り出す感覚は、GUIに慣れきっている昨今では新鮮だ。近くにいない場合の音声認識率もなかなかで、周囲がうるさくなければ、ボソボソしゃべっても認識してくれる。

 次に便利なのは、両手がふさがるシチュエーションでのタイマー設定、つまりラーメンタイマーだ。これまでは、3分の砂時計とかスマホの時計アプリのタイマー設定とか、いろいろ準備していても(キッチンタイマーを持っていないだけなのだが……)、なぜかお湯が沸くとそれらをすっかり忘れて「かやくヨシ、粉末スープヨシ、さぁ熱湯いれちゃうぞ~」とすぐにお湯を注ぎはじめてしまい、フタを閉じた後に「固めが好きだし2分30秒で……ポチ」などとアバウトな計測になってしまうことが多かった。

 しかし「Google Home」が導入された現在は、台所でヤカンを手に持ち、今まさに熱湯を注がんとしている危険なその瞬間にタイマー設定の存在を思い出しても、「ちょっとねェグーグルッ! タイマー3分ッ!」と唱えれば、ハンズフリーで、熱湯が麺に注がれ始めるその瞬間にカウントダウンを開始できるのだ。ラーメンタイマーの開始が注ぎ始め・中頃・終わり頃なのかについては議論があるところだろうが、それも「Google Home」ならすべて自由。たとえお湯を注いでいる最中であっても、声を出すだけで好きなタイミングでタイマーを開始できる。その仕様上、一部細麺系の2分、うどん系の5分にも柔軟に対応できるのは言うまでもない。注湯作業を終え、つかの間の待機中に不安に襲われても大丈夫。「タイマー、あと何分?」と聞けば残り時間を教えてくれる。

至高のラーメンタイマーと化す「Google Home」

 音楽の利用に関しては、対応しているSpotifyを使用中。無料アカウントでも、ラジオ的に聞くなら十分だ。Spotifyの特徴である膨大なプレイリストは、曲を限定しない、雰囲気をキープしたラジオ的な使い方とは相性が良い。どういうリクエストの仕方だと思うようなプレイリストにたどり着けるのか、そのロジックがわからない面もあり、試行錯誤が続いているが、「ジャズボーカル」「昭和歌謡」とかなら安定して絞りこめる印象だ。

 音声コマンドは、利用が頻繁になると、毎度「ねぇグーグル」と起動コマンドを言うのが煩わしいと感じる場合もある。このあたり、LINEの「Clova WAVE」が、7秒間ぐらいはコマンドを待機しているという設定がうらやましいと思った。もっとも、試行錯誤しているうちは、思うような結果にならないと連続して音声コマンドを入れがちで、余計に煩わしいと感じやすいのかもしれない。

 課題らしい点は、ソースによってボリュームがけっこう違うこと。ボリューム操作自体は、本体天面をなぞるか音声コマンドでもでき、もちろんアプリでも可能で、簡単に行えるが、ニュースをリクエストしてラジオが再生されると思いの外大きな音で再生されるということがある。聴感上で同じぐらいに揃えてくれるとありがたいのだが……。

 音楽再生などの音質に関しては、ボディが小型でも低音域がしっかりとした、多分パーティーサウンド(?)なノリ。低音域がややブーミーな音ともいえるが、BGMとして小さめの音で聴く場合や、ほぼ音声だけのラジオコンテンツなら相性は悪くない。意外だったのは、スピーカーに前方・後方がしっかりとあること。円柱形なので全方向に音が出ると勘違いしていた。机の真ん中ではなく壁際などに置くのがよさそうだ。

至高のラーメンタイマーと化す「Google Home」 スピーカーユニットは背面向きには搭載されていない
至高のラーメンタイマーと化す「Google Home」 スピーカーユニットは背面向きには搭載されていない
スピーカーユニットは背面向きには搭載されていない

 「Google Home」は単純なBluetoothスピーカーとしてスマートフォンとペアリングすることもできるが、ここも「ボリュームの差」問題があり、たとえばBluetoothスピーカーとして音楽再生に最適なボリュームにしておくと、「Google Home」の音声応答では音が大きすぎる、といったギャップが起こる。結果、アラームや「音泉」アプリを聴くのに使っていた小型のBluetoothスピーカーはまだ仕舞わずに動かしている。

 願望としては……「音泉」が対応して「としたいを聴きたい」とか言うだけで再生してくれたりしないでしょうかね? Chromecast連携も便利だが、ここもやはりアプリの対応次第で印象は大きく変わりそう。筆者は「dアニメストア」のヘビーユーザーになってしまっているので、「血界戦線の最新話を再生して」とか言うだけで表示して再生してほしい。

 家電の操作などまだまだ試せていないことは多いが、対応サービス次第ではかなり生活の中に食い込んできそうな予感がしている。