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プリセットの「HDオーディオレコーダー」がかなりいい件

【V20 PRO L-01J】

 スマートフォン片手に取材しまくる本誌編集記者にとって、そのスマホの録音機能はかなり気になるポイントです。この春からの相棒である「V20 PRO」には、HDオーディオレコーダーというアプリがプリセットされており、ちょっと使ってみたところ、予想以上に満足のいく出来でした。

 「HDオーディオレコーダー」はステレオ録音に対応しており、ノーマル(NORMAL)、コンサート(CONCERT)、カスタム(CUSTOM)という3つの録音モードがあります。ノーマルは録音の開始/停止ボタンと、音量レベル、録音時間の3つの要素だけが表示され、とても手軽に使えます。いわゆる会議の録音や、筆者の業務上(プレゼンテーションの録音)はこのうち「ノーマル」で事足りると踏んでいます。

 「コンサート」では、設定メニューでファイル形式やビット深度)、サンプリングレート)を選べます。ファイル形式で3GPを選ぶと、ビット深度、サンプリングレートは限られたものになりますが、WAV形式やFLAC形式にすると、いわゆるCD音質~ハイレゾから好みの音質で録音ができます。音量レベルは調節できませんが、ノーマルと比べると、ぐっと小さな音量になり、その名に適した録音ができるよう調整が効いている印象です。

HDオーディオレコーダーのコンサート/カスタムで選べる録音設定
ファイル形式ビット深度サンプリングレート
3GP16bit44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz
WAV16bit、24bit44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz、176.4kHz、192kHz
FLAC

 「カスタム」では、GAIN(音量の調節)、LCF(ローカットフィルター、ノイズ低減)、LMT(リミット)と3つの要素の調節も可能になります。

 録音時のマイクは「V20 PRO」本体のものか、イヤホンマイクのもののどちらかになります。たとえば、会議の場合、話し手が3mほど先で、「V20 PRO」の近くでパソコンを使ってメモを取る……といったシーンの場合、「V20 PRO」をパソコンの近くに置くと、どうしてもキーをタイプする音のほうが目立ちます。また無音状態になっても録音は続きますので、授業の録音といった用途は専用機のICレコーダーのほうがずっと使い勝手がいいところもあるでしょう。

 「コンサート」や「カスタム」で同梱品のイヤホンマイクを繋げていると、録音前からマイクで拾った音を確認できます。カスタムモードで録音する際には、これで録音レベルを調節してみると、聴きやすい音質で記録できそう。

スマホ内にあった音源(wma形式)を取り込んで録音してみたところ

 「カスタム」で面白いのは、「V20 PRO」内にある音源の上に、さらに録音を合成できるという「スタジオモード」です。これといって今すぐ何かに使えるわけではないのですが、フリー素材のBGM用の音楽に、ちょっと喋りを重ねてラジオっぽい音声を作れるのかも……? と想像がふくらみます。「V20 PRO」には動画編集アプリ「キネマスター」もプリインストールされているので、動画編集用の音声を「HDオーディオレコーダー」で、といった遊び方もできるかもしれませんが、これはまたおいおい。

 とまれ、インタビュー取材やプレゼンの録音、囲み取材のコメント収録といった用途では、「V20 PRO」の「HDオーディオレコーダー」はかなりいい感じです。