DATAで見るケータイ業界
サブブランドの店舗数は減少傾向も、ワイモバイルを併売するソフトバンクショップの比率は7割弱まで上昇
2020年4月2日 06:00
MCAは、2月から3月にかけて国内通信キャリア各社の「キャリアショップ」に関する調査を実施し、その結果を調査資料「キャリアショップの展開状況と店舗一覧 2020春」として取りまとめた。本資料から店舗展開の状況を取り上げる連載の最後は、サブブランドに焦点を当てたい。
拡大が続いていた「UQスポット」も減少に転じ、サブブランドも縮小傾向に
今回の調査では、ワイモバイルの「ワイモバイルショップ」は881店舗、UQコミュニケーションズの「UQスポット」は182店舗だった。UQコミュニケーションズの「UQスポット」はこれまで店舗数を増やしてきたが、今回初めて減少に転じた。
店舗網補完に向けて進む「メインブランドによるサブブランド併売」
2000超の店舗網を持つメインブランドと異なり、サブブランドは店舗数がそれほど多くない状況にある。両ブランドとも、公式サイト上で量販店や併売店などの「取扱店」も店舗一覧の中に掲げ、キャリアショップのカバー不足を補っている。
そして補完のために進められているもう1つの要素が、メインブランドによるサブブランド併売だ。
最も力を入れてきたのがソフトバンクで、ワイモバイルを取り扱う「ソフトバンクショップ」は1593店舗と、取扱店比率は7割弱に達したことが分かった。ただし、1年前の65.4%から5%弱(店舗数では53店舗)の増加にとどまった。拡大は一巡したとみられる。
ソフトバンクがメインとサブの両ブランド併売を推し進める中で、同じく2ブランドを有するKDDIはソフトバンクほど大がかりな併売は現状進めていない。ただし今回の調査では「au SAPPORO」「au SHINJUKU」「auみなとみらい」などの直営店を中心に、全国で13のauショップがUQ取扱店となっていることが明らかになった。
サブブランドが別会社となっているKDDIは、同一会社で複数ブランドを有するソフトバンク以上に併売化のハードルは高そうだが、今後この取り組みが拡大していくのか、注視していきたい。