スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」
一足先にBOSCHのe-bike用新型ディスプレイを試す
2019年8月21日 06:00
VektronのIntuviaをPurionへ換装!
もうアレですね、「Vektron」「Intuvia」「Purion」といった単語が並んじゃうと、普通は意味不明ですね。すみません。e-bikeこと電動アシストスポーツ自転車の話です。
具体的には、Ternの「Vektron S10」(レビュー記事)というe-bikeに装着されている「Intuvia(イントゥービア)」というディスプレイを、近々日本でも発売される「Purion(ピュリオン)」というディスプレイに交換してみたヨ! てな話。
BOSCHのe-bike用のドライブユニットは世界的に有名ですが、そのうちMTB向けの「Performance Line CX(パフォーマンス ライン シーエックス)」がフルモデルチェンジして世界同時発売され、日本でも2020年に発売が予定されています。また、同時期にPurionも日本国内でも発売されるとのこと。
そのPurion、小型で良さそう。現行のIntuviaは操作ボタン部とディスプレイ部が個別になっていますが、Purionは一体化されていて、省スペースでスッキリしています。
ちょっとイイなぁ、Purion。小さいし一体型だし、ハンドル周辺にスペースが確保できるので、アクセサリー類の取り付け自由度が高まるし。
ん〜Purion、試してみたいな〜。とか思っていたらe-bike部メンバーが極秘ルートで調達してくれたっていうか、BOSCHの人から借りてきてくれました。試してイイよ、と。
えっでもPurionってPerformance Line CXドライブユニット用じゃないの? と思ったら、Performance Line CXにもActive Line Plusにも装着可能だそう。筆者の愛車Vektron S10にも取り付け可能なのね! じゃあVektronのIntuviaをPurionに換装してみましょう♪
実際に換装してみる
IntuviaからPurionへの換装は、ドライブユニット部のプラグの抜き差しだけで行えるそうです。また、BOSCHのドライブユニット内にオドメーター(Odometer;積算走行距離計)のデータがあるので、ディスプレイを換装しても走行距離がリセットされることはないそうです(時計は再設定する必要アリ)。
で、どこにつなぐのか? と考えていたら、BOSCHの人が極秘データを手渡してくれたっていうか、販売店用のマニュアルの一部を見せてくれました。Active Line Plusドライブユニットの配線図です。
なーんだ簡単そう! Purionさえ入手できれば、自分でディスプレイの換装はできちゃいそうですね。
ただし、こういうパーツ交換を行うと、e-bike完成車が取得した型式認定外となってしまいます。型式認定が外れるとどうなるか? 完成車メーカーの保証を受けられなくなる可能性があります。厳密に言えば、ハンドルやサドルなどのパーツ交換を行っても型式認定から外れるわけですが、実際このあたりはわりとグレーゾーンで、「サドルを交換してあるからメーカー保証外です」となるかどうかは、状況によると思います。
なお、型式認定が外れることについては、法律違反ではありません。ただし、アシストユニットの出力を変えたり、ホイールサイズやタイヤ周長を変えたりすると、電動アシスト自転車として法律違反になりますので注意してください。もちろん、法律違反になると同時に型式認定も外れます。
話が逸れましたが、さっそくディスプレイの換装を。手間はかかるかな?
Purionにしたら、予想以上のスッキリ感です。ハンドル上に新たなアクセサリーを装着できる余裕が増えました。
ディスプレイの換装ですが、上の写真だとササッと換装しているふうに見えます。でも実際は、ドライブユニット上部のフレームにある穴からドライブユニットへとディスプレイ用ケーブルを通すのがちょっと厄介。単にケーブルを押し込んだだけでは通らず、最終的には細い針金を使ってケーブルを引っ張るようにして通しました。
ちなみに、Purionディスプレイは完成車販売店向けのサービスパーツとして11月頃から取り扱いが始まるそうです。IntuviaからPurionへの換装を行いたい場合、完成車販売店に相談してみるのが近道ですね。なお、現在のところPurionの販売価格は未定ですが、ヨーロッパなどでは1万2000円相当(工賃別)で売られていますので、日本でもそのくらいの値段になると思われます。
Purionディスプレイの使用感は?
さて、IntuviaからPurionへの換装が済んだので、Purionを使ってサイクリングしてみました。Purionをひと通り使ったので、その使用感について見ていきましょう。
Purionディスプレイの使用感を述べますと、コンパクトかつシンプルで操作性も悪くなく、ハンドル周辺がスッキリすることも含めて好印象ではあります。ただ、従来のIntuviaディスプレイのほうが操作性も視認性も情報表示の細かさも勝っています。
例えばPurionは長押し操作が多めで、表示を切り替えるのに一手間かかる感じがありますが、Intuviaはクイックかつスムーズに表示を切り替えられます。距離表示などは、Intuviaでは10〜100m単位まで表示されますが、Purionはkm単位。
また、そもそもIntuviaのほうが表示できる情報が豊富です。Intuviaで表示でできる情報は、走行距離/時計/最高速度/平均速度/走行時間/航続距離/オドメーターですが、PurionではTRIP(走行距離)/TOTAL(オドメーター)TRIP(走行距離)。また、Intuviaではアシストモードが常に表示されますが、Purionではアシストモード切り替え時に一定時間表示されるだけです。ご参考までに、Intuviaでの表示をひととおり見てみましょう。
視認性がよく、表示項目も多く、ボタン操作もしやすいIntuvia。快適に使えますが、でもハンドル上のスペースを多く取って、なーんか邪魔。一方で、省スペース性に優れたPurion。どちらも一長一短あるわけですね。
もうひとつ、両ディスプレイともハンドルにネジで固定しますが、Intuviaはディスプレイ部を外すことができます。ディスプレイ部を外すとActive Line Plusの電源を入れられませんので、+αの盗難防止にもなります。Purionは実質上外せず、いつでも電源オンにできますので、駐車時は施錠を徹底するなどより注意深い盗難防止策が必要です。
こんなふうに、いろいろ異なるPurionディスプレイとIntuviaディスプレイ。どちらを選ぶか迷うところですが、でもこういった部分の選択肢は多いほうが愉快ですよね。
てな感じで、もうじき日本でも発売されるPurionディスプレイを試用してみたという話でした。ご参考になれば幸いです。