スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

不要だけどナゼか手が出る「な~んか便利そうなテンプレート」

ナゼか惹かれるテンプレート

 現在、テンプレートと言えば文書や表などを作るための「ひな形」を指しますが、これから言うテンプレートとは製図用なのどプラスチック製の定規。昔からやや専門的でアナログな道具だったので、最近では殊に見かけなくなりました。↓こんなヤツ。

製図用テンプレート各種。型抜きされた樹脂プレート(定規)で、型抜きの内側に沿ってシャーペンなどでなぞると正確な図形を描くことができます。※画像はマービーのウェブサイトより抜粋。

 現在の製図のことは知りませんが、CAD時代なので上のようなテンプレートを使う人は減っていると思われます。ですが、画材店や文具店では、今でもたま~に見かけますよね、テンプレート。

 そしてワタクシの場合、テンプレート売り場につい引っ掛かって立ち止まってジッと眺めてしまいます。毎回、「これは何に使うテンプレートなのだろう?」とか考えつつ、それぞれのテンプレートを眺めてしまいます。

 さらに、たいてい、「う~ん、何に使うのかよくわからない」という結論に至ります。その一方で、「このテンプレートはアレだな、アレに使うに決まっている」と思い、わかりやすいし便利そうなテンプレートに注目してしまうのでした。

 そして、そーゆー「な~んか便利そうなテンプレート」を買っちゃうんでした。たとえば認識性の高い文字を書く(というか描く)ためのテンプレートです。

シンワ測定の「66033/テンプレート TQ-1 OCR文字定規」(公式ページ)。製品名から、OCR向きの文字を描くためのテンプレートのようです。
ステッドラーの文字用テンプレート「982 25-6」(公式ページ)。英数字とカタカナを描けるテンプレートで、0.5mmシャープペンシル用です。
ステッドラーの文字用テンプレート「981 15-5」(公式ページ)。英数字を描けるテンプレートで、0.5mmシャープペンシル用です。

 どれもキレイで視認性の高い文字を描けてイイ感じです。また、くり抜けなかった文字を描かせるための工夫やメーカー独自のお約束があったりして、ジックリ眺めたりしてもちょっと愉快です。

左写真は上にシンワ測定製、下にステッドラー製のテンプレートを並べたものです。「B」は「I」「3」のような図形を合成して描くのは両社とも同様ですが、「O」「P」「Q」「R」あたりはメーカー毎に違うようです。整った英字などを描けるので、カセットテープのラベルづくりなどにも最適です……けど今の時代そういうコトはあまりしない?

 といった感じで、描いても眺めても楽しいテンプレートなんですけど、小一時間もイジっていると「ふーん」てな感じで飽きたりします。でも、また、たま~にイジりたくなりますし、相変わらずテンプレート売り場に引っ掛かったりしがちなワタクシです。

 ぶっちゃけた話、ワタクシにはぜんっぜん必要ナイんです、テンプレート。図面に認識製の高い文字を描く、という必要がありません。見ると「な~んか便利そうだな~このテンプレート」とか思うわけですが、そもそも必要がないので、便利も不便もありません。また、キレイな文字が必要なら、プリンターもありますし、ラベルライターもあります。

 で~も~、ナゼかテンプレートに惹かれてしまうのでした。んで、買っちゃったりもするんですが、「あームダだった~」みたいな気もしないんです。謎です。

マンガ用のテンプレートもある

 一時期おもしろがって買ったのが、マンガ用のテンプレートです。コレを使えばマンガを巧く描ける! という製品です。実はワタクシ、過去にマンガを描いておりまして、そのときに巧く描けなくてちょっと悩んだりしていました。現在はマンガとか描いておりませんが、このマンガ用テンプレートを見たとき「これならもう悩まずに済む! 巧く描ける!」と思ったのでした。って、巧く描けると言っても、フキダシ(セリフの枠)だけですが。

マービーのコミック用ふきだしテンプレート各種(公式ページ)。ほぼA5サイズのテンプレートで、様々なフキダシを描けます。
マクソンの「ふき出しネームテンプレート」(公式ページ)。A4サイズのテンプレートで、こちらも様々なフキダシを描けるほか、写植割付スケールまで付いています。

 これらは、けっこーオモシロさが続きます。本来は「フキダシ下描き用テンプレート」だと思いますが、ボールペンとかでイキナリ描いてもソコソコちゃんとしたフキダシが描けますので、単純に楽しいです。

 また、ちょっとした挿絵的なマンガとか、1~4コマくらいのマンガなら、カタチが整ったフキダシを添えられるので、手軽に良い見栄えにできると思います。店舗のPOPにフキダシを添えて「人気の品」「広告の品」などと使うこともできるでしょう。なので、実用的でもあります。

 とか言っても、まあやっぱりマンガもデジタル・ツール指向な時代で、専用ソフトを使えばフキダシなんか一発で描けちゃいますな。POP用フキダシなんかも、最初からそういうカタチで売られていたりもします。ので、やっぱりあ~んまり必要じゃないテンプレートかもしれないんですが、でも惹かれてしまい、さらに買ってしまうあたり、テンプレート共通の謎的な妙味があります。

一発で絵が描けるテンプレートもある

 以前に「あーっコレおもしろそう~」とか思って、見つけた瞬間買ったテンプレート(なのか?)があります。ひとつはステッドラーの「人型定規 976 14」(公式ページ)です。

ステッドラーの「人型定規 976 14」。身長175cmの1/10スケールの人型テンプレートで、関節が動くのでいろいろなポーズを取ることができます。立ったり座ったり、走ったり踊ったり、なかなか愉快。
関節部に鋲があり、重なる部分は最大3枚のプレートが重なりますので、一般的なテンプレートと比べると厚みがあり、用紙に密着しない部分も多いです。ので、人型は描けますが、うまく描かないと雑な形状になることもあります。

 正直言ってこの「人型定規 976 14」は、全然使いやすくありません。が、ナゼかおもしろく、邪魔にもならず、そこはかとなくユーモアも感じられます。その絶妙な良さから、いつかはもうひとつ、いやもうふたつくらい買いたいとまで思っています。ともかく、この何に使うのかよくわからない人のカタチのテンプレート、ステッドラーが冗談でつくったのだとしたら、その冗談はガッツリとワタクシに届いて成功していると思います。

 もうひとつ、やはり「コレもおもしろそう~」と思って買ったけどイマイチだったテンプレートがあります。コヒノールの生物テンプレートシリーズで、「FARM」(公式ページ)「OCEAN」(公式ページ)「SAFARI」(公式ページ)です。

コヒノールの動物テンプレートシリーズで、左が「FARM」、右が「OCEAN」です。いろいろな生物のテンプレートです。
左は「SAFARI」。いろいろな生物を描けますが、テンプレートの細部が細かすぎるので、細部まで正確になぞって描くのは困難です。大雑把なカタチなら描けます。それぞれの生物のスケールもバラバラです。

 これら生物テンプレートは、まあ小学生低学年向きという感じで、どちらかと言えば玩具の類だと思います。ので、ツッコミどころはけっこー満載です。

 でも、人型テンプレートや生物テンプレートを使えば、ちょっとした挿絵を描けるかもしれません。さらにマンガ用テンプレートや文字テンプレートまで使えば、マンガになるかもしれません。試してみましょう。

ナゼか猫と人のスケール感がわりと正しかったので、組み合わせてみました。フキダシや文字を描き入れたら、一応マンガっぽくなりました。

 てな感じで、な~んかオモシロいテンプレート各種。たぶん、これからも、テンプレートを見つけて「あっなんか便利そう~」かなんか言って買っちゃうような気がしております。謎なんですが、ミョーに魅力を感じちゃうんですよね~、テンプレートに。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。