スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

穴のないマグライトを吊してゆきたい!

多くの丸棒に使える「ヒモの小技」をご紹介♪

マグライトが邪魔! てか、各種丸棒が邪魔!

 以前、マグライトに凝っていました。米国製の堅牢なハンドライトですね。大きいのから小さいのまで多々持っていました。ただアレ、保管にちょっと悩まされました。とくに大きめのマグライトだと、横倒しで置いておくと邪魔ですし、立てておくと倒れやすいんです。また、ストラップホール的な穴がないんで、吊しておくこともできません。

手持ちのマグライト。小型のマグライトだと後端にストラップホールがあったりしますが、大きめのマグライトにはそういう「吊すために使える穴」がありません。大きめのマグライトは立てて保管するのが省スペースで好都合なんですが、うっかり倒すと「ドタン!」と大きな音が出るわ転がるわ机や床が傷つくわ……なかなか保管方法が悩ましいです。

 ……ていうか、丸棒状態のモノって全部そうですね。短い丸棒ならいいですが、長くなるほどに邪魔! 立てにくいし倒れやすい! そして吊して省スペース状態で保管するのも難しい! あーもぅ! この長年続く「丸棒問題」を解決したい!

 などとイラつき、マグライトをはじめとする各種丸棒を「うまく吊す方法」をアレコレ考え続けたことがありました。丸棒の吊るし方に凝っていたわけですが、一連の成果を獲得済みですので、今回は「多くの丸棒を吊せるヒモの小技」をいくつかご紹介したいと思います。

結束バンドとヒモで一発解決!

 まず、いちばん簡単な方法から。結束バンドを使う方法です。ロックタイとかタイラップとかイロイロな製品があり、ヘラマンタイトン社の「インシュロック」がとくに有名ですが、「キュッと引くだけで強固に締まるナイロンバンド」です。

 そんな結束バンドで、マグライトなど丸棒とヒモをまとめてキュッと束ねちゃいます。それだけで、ストラップホールなどがない棒状のモノを吊せるようになります。た~んじゅん♪

必要なモノは結束バンドとヒモとペンチ。今回、ヒモは3mmの化繊ヒモを使っています。ペンチは「結束バンドをガッチリ締め込む」のに便利です。結束バンドの余剰分はハサミでも切り落とせますが、ニッパーを使うとより確実です。
左はバンドの端にリング(壁などへのネジ固定用)がある結束バンド。これで丸棒を締めればストラップホールとなり、丸棒を吊せます。右は丸棒とヒモを束ねて締めただけですが、これで丸棒を吊せます。結束バンドをペンチで強く締めれば、まずヒモが抜けることはありませんが、心配なら結束バンドを2本以上使うといいでしょう。
ヒモを二重にして通して結束バンドで締めれば、そのままストラップになります。丸棒の両側にヒモが通るようにすれば「上からまっすぐ吊り下げられるストラップ」になります。写真では、ヒモの端がただ結束バンドで締めてあるだけで「なんかヒモが抜けそう」に見えますが、結束バンドを十分に締めれば「けっこー頑張って力を入れても抜けない」という状態になります。心配ならヒモの端を結んでコブを作ってもいいでしょう(ゴロつきますが)。

 ヒッジョーに簡単に丸棒を吊せるようになりました。多くの丸棒に応用できる小技ですが、ポイントは「結束バンドの締め込み」です。丸棒に巻いた結束バンドの端を強く引っ張って締めるわけですが、このとき、片手で丸棒を持ち、もう片手でペンチを使って結束バンドの端を強く引くようにすると「ギギギ」と音がして完璧に締めることができます。

 それから、もうひとつ。ちょっとしたパーツがあると「より便利にヒモを活用できる」ようになります。そのパーツとは「コードロック」(コードストッパーなどとも呼ばれる)です。

「コードロック」「ストッパー」などと呼ばれるパーツです。写真はニフコの「FCL2」で、穴の直径は4mm。今回使った3mmのヒモにちょうどいいサイズです。ヒモを通してループのサイズを調節したり、ヒモの余りをまとめたりできます。
コードロックを使うと、写真のようにループのサイズを調節できます。手首をループに通してコードロックを締めれば、落下防止のストラップになります。コードロックの近くを結んでしまえば、コードロックの移動を制限でき、ループサイズも制限できます。
こんなふうにヒモを取り付けてみました。握ったときにライトを落としにくくなって便利。また、指でマグライトを保持&照射しつつ、ほぼ両手を使って作業できたりします。マグライト用アクセサリーにこういう機能を付加する製品がありますが、ヒモと結束バンドで同様の機能を付加できちゃうわけですネ。
マグライト前方のループをコードロックより小さくしておけば、左写真にようにループサイズを調節できる取っ手を作り、マグライトを水平に吊したりもできます。大きなマグライトならヒモでショルダーストラップを作ることもできなすネ。当然ですが、結束バンドの色は丸棒の色と合わせると自然に仕上がります。

 と、いうわけでした。おわり。って、終わるにはちょっと早いですね~。というわけで、続いてもうひとネタ。

ヒモだけで丸棒を吊す方法

 今度は、ヒモだけで丸棒を吊す方法です。結束バンドなどは不要。一見「ちょっと不安」な方法ですが、実際に試すと「あら強靱!」と軽く驚けると思います。

用意するのは適当な長さのヒモです。ヒモを二つ折りにして、ループ側を丸棒に通して巻きます。
2~3回巻けばOK。ヒモの端をループに通します。
いったんヒモをキュッと締めます。この状態でヒモにテンションがかかっていれば、既に丸棒はヒモから抜けません。ですが、テンションがかからないと巻いた紐が緩みやすいので、写真のように「緩み止め」としてヒモを逆方向に1回巻きます。
そしてキュッと締めればできあがり。ちなみに、前述のコードロックを使えば、上の「緩み止め」の巻きが不要になってお手軽です♪

 この巻き方の、「緩み止め」の巻きの直前までは、「クレムハイスト」と呼ばれる結び方です。太いロープの途中に細めのロープを巻き付け、カラビナ装着用の取っ掛かりを作るときなどに使われる巻き方。要は、摩擦を利用して丸棒的なものをヒモでガッチリと掴んじゃうわけです。

 また、「緩み止め」は「ハーフヒッチ」という巻き方で、ヒモのほつれ止めや補強などイロイロな目的で補助的に使われる結びです。ハーフヒッチを何度か繰り返すと、ヒモがさらに緩みにくくなります。ハーフヒッチだけを何度も繰り返して「丸棒をヒモで編むように包んで抜けなくする」こともできます。

 ともあれこの巻き方、実際にちょっと試すとわかりますが、そーとー頑張っても丸棒は抜けません。強靱!

 続いてもう1パターン。今度の巻き方は「プルージック」です。そして最後に「ハーフヒッチ」も加えています(コードロックを使えば不要)。

やはりヒモを二つ折りにして、ヒモの端をループの内側へ通すように巻きます。
2~3回巻けばいいでしょう。そしてヒモの端をループに通します。
いったんヒモをキュッと締めます。そして「緩み止め」を巻きます。
最後にヒモを締めれば出来上がり。コードロックを使えば「緩み止め」の巻きは不要です。

 この「プルージック」という巻き方は、前述の「クレムハイスト」よりもさらに強い固定力があると言われています。ただ、今回の例の場合、ヒモにかかる力があまり大きくないので、どちらの巻き方でも「十分に強い」と感じられると思います。ので、お好みのほうを。

 なお、これらの巻き方のポイントは、ヒモがねじれたりしないよう、キレイに巻くことです。丸棒とヒモの摩擦を活用するわけですから、丸棒とヒモが最大限に密着するようにします。ヒモの種類により、ヒモと丸棒の間に隙間が増えてしまう場合、ヒモを巻き付ける回数を増やすことで摩擦力を稼ぐことができます。

 最後にもうひとつ、縦向きの棒にヒモを巻いて、重めのモノを吊せるようにする方法を。やり方は簡単で、前述の「クレムハイスト」や「プルージック」を垂直の丸棒に施すだけです。そしてヒモの端に荷物を結ぶなどする感じ。

わりとツルツルした垂直ポールに、クレムハイスト(左)とプルージック(右)でヒモを巻いてみました。今回は手抜きをするためにコードロックを使っていますが、ハーフヒッチで緩み止めをしてもOK。この状態で、下方に思いっ切り力を加えても全然ズレません!

 上の写真のように丸棒にヒモを巻き、残ったヒモにバッグなどを吊してみてください。「数回巻いただけなのに、こんなに強い!」てな感じで吊せます。丸棒は、鏡面光沢のある手すりなんかでも大丈夫。もちろん、丸棒が木だったりすれば、摩擦力はより強くなりますのでさらに安定的に吊せるでしょう。

 これらの「ヒモの小技」を使えば、きっと「棒状のモノが邪魔!」問題の多くを解決できると思います。アレコレと応用の利く小技でもありますので、ぜひ一度試してみてください♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。