ケータイ用語の基礎知識

第900回:スマートディスプレイ とは

 スマートディスプレイとは、AIアシスタントを利用できるディスプレイを意味する言葉として、ここ最近使われています。

 7インチ~10インチなど、タブレットに近い大きさのタッチディスプレイを備え、さまざまな情報を表示できます。

 最初に触れたように、対話型のAIアシスタントが採用されており、ユーザーが話しかけて操作することもできます。たとえば、家電を操作したり、音楽を再生したりできますし、「明日の天気は?」と話しかけると天気予報が表示されます。

 AIアシスタントを採用するデバイスには、これまで「スマートスピーカー」が登場しています。今回ご紹介する「スマートディスプレイ」は、いわば、スマートスピーカーにディスプレイを付け加えたものだと思えばいいでしょう。

 もちろんタッチパネルが付いていますので、ここからタッチで入力もできるのですが、操作方法は音声認識をメインの方法として、情報を音だけでなく目で見えるように表示できるようになったのが、この「スマートディスプレイ」なわけです。

スマートディスプレイの用途

 スマートスピーカーにディスプレイが付いただけ、と表現すると、あまり大きな進化はないように思えるかもしれませんが、用途はかなり広がっています。

 スマートスピーカーで利用できるものは、もちろんスマートディスプレイでも楽しめます。さらにディスプレイを活かして、写真や動画の再生、ビデオ通話ができるスマートディスプレイもあります。

 2019年4月現在、日本国内では、アマゾンの「Echo Show」、LINE Clovaシリーズの「Clova Desk」といった製品が発売されています。

Clova Desk
Echo Show

 Clova Deskの場合、Clova搭載のスマートスピーカーの一部で採用されていた赤外線リモコン機能が用意されています。「電気をつけて」「エアコンを冷房にして」と、声で命令して家電を操作できるのです。

 それだけではなく、ディスプレイを活かし、動画アプリを楽しめるようになっています。たとえばインターネットテレビの「AbemaTV」と連携しており、「AbemaTVをつけて」「AbemaTVで格闘技を観たい」というように命令することで、ディスプレイでそのままAbemaTVを視聴できます。

 一方、「Echo Show」は、Amazonのスマートスピーカー「Echo」にも使われているAIアシスタント「Alexa」が搭載されています。Echo Showには、10.1インチHDスクリーンとDolby対応スピーカーが搭載されていますので、たとえばEcho Showに向かって「Alexa、○○が見たい」と言えば、Prime Videoなどの動画をそのままEchoShowで楽しめます。

 Echo Showも、ほかのAlexa搭載スマートスピーカーと同じく、家電コントローラーを使って、照明のON/OFFや、テレビ、エアコンなどを操作できます。

大和 哲

1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)