クアルコムは、低消費電力でGHzクラスの駆動を実現するチップセット「Snapdragon」の最新シリーズを発表し、搭載例としてノートパソコン型の端末を提案した。
クアルコムはSnapdragonのラインナップをアップデートするのに合わせて、搭載例として「Smartbook」(スマートブック)というコンセプトを提唱・提案している。これはスマートフォンとノートパソコンの間を埋めるカテゴリで、小型ノートパソコンのようにディスプレイとキーボードを搭載している。ネットワークに常時接続し、常時起動が可能で、3Gや無線LAN、GPS機能などをサポート。1回の充電で1日中利用できるとしている。
現在15社以上のメーカーが30以上のSnapdragon搭載製品を開発中とのことで、台湾で開催される「COMPUTEX TAIPEI 2009」では、ASUS、Foxconn、HTC、東芝など7社がSnapdragon搭載端末のデモンストレーションを行う。
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4月の「CTIA Wireless 2009」で展示されていた、Snapdragonを搭載した「スマートブック」の原型と思われる試作機。写真の端末はLinuxベースのOSを搭載していた
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「ネットブック」と同等のサイズ感で、より薄く、軽い印象
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■ 45nmプロセス、1.3GHz駆動「QSD8650A」
「Snapdragon」のラインナップについては、NTTドコモのT-01Aに搭載される1GHz駆動の「QSD8x50」(QSD8250など)に加え、HSPAとEV-DO Rev.Bのデュアルモードに対応した「QSD8650」、デュアルコアで1.5GHz駆動の「QSD8672」が発表されているが、今回新たに45nmプロセスで製造される1.3GHz駆動の「QSD8650A」が追加された。
「QSD8650A」は、スマートフォンや同社が提案する「スマートブック」でよりリッチな体験を実現するという位置付けのもの。マルチメディアや2D/3Dグラフィックス処理が強化され、従来のSnapdragonより30%のパフォーマンス向上と30%の消費電力削減を実現したという。2009年中にエンジニアリングサンプルが出荷される見込み。
このほか、ソフトウェア開発会社もSnapdragonに対応するソフトウェアを開発中で、マルチメディア系ソフトやOSなどが2009年の夏に製品化される見込み。
■ URL
ニュースリリース(英文)
http://www.qualcomm.com/news/releases/2009/090601_computex_taipei_2009.html
ニュースリリース QSD8650A (英文)
http://www.qualcomm.com/news/releases/2009/090601_Snapdragon_QSD8650A.html
「Smartbook」案内ページ
http://www.hellosmartbook.com/
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(太田 亮三)
2009/06/01 17:18
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