東芝は、NTTドコモから発売されるWindows Mobile搭載のスマートフォン「T-01A」の製品説明会を開催した。東芝の担当者のほか、NTTドコモ、マイクロソフト、クアルコムジャパンの代表者が登壇してプレゼンテーションを行った。また、二部構成となった説明会の後半には、「T-01A」のプロモーションキャラクターに起用された中田英寿が登場。東芝と共に行う同氏の財団の活動が紹介された。
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左から、東芝 執行役常務 モバイルコミュニケーション社 社長の岡本光正氏、NTTドコモ 執行役員の永田清人氏、東芝 代表執行役副社長の能仲久嗣氏、マイクロソフト 代表執行役社長の樋口泰行氏、クアルコムジャパン 代表取締役会長兼社長の山田純氏
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T-01A
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■ 持ち運べるインターネット、グローバルに投入
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東芝 代表執行役副社長の能仲久嗣氏
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ノートパソコン「dynabook」の兄弟的な存在として「dynapocket」の名称が与えられた
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説明会では、東芝 代表執行役副社長の能仲久嗣氏が登壇し、プレゼンテーションを行った。「近年、モバイルインターネットに対する需要、外出先でもサクサクとインターネットにアクセスしたいという需要は高まっている」と市場のニーズについて指摘した同氏は、「持ち運べるインターネット」というT-01Aの基本コンセプトを紹介し、薄型化やビスの穴を隠したようなディテールへのこだわりを解説した。
同氏はまた、T-01Aの愛称として「dynapocket」(ダイナポケット)の名を披露。「ダイナブックの兄弟分」と語り、同社のノートパソコンの兄弟分にあたるような端末に仕上がったことをアピールした。T-01Aの大きな特徴については5つのポイントを挙げ、9.9mmのスリムボディ、4.1インチの大画面タッチパネル、新チップセット「Snapdragon」による高速処理、Windows Mobileによるパソコンライクなインターネット、使いやすさに配慮した独自のユーザーインターフェースを挙げた。
一方、市場環境については「スマートフォンなどのオープンプラットフォームは右肩上がりと期待されている」と市場への期待を述べ、「当社はこのカテゴリの商品群をグローバルで投入するもので、日本ではドコモに採用してもらった」と、世界展開を見据えて開発されていたことを明らかにした。
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T-01Aの位置付け
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5つの特徴
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■ スマートフォン市場で勝ちに行く
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NTTドコモ 執行役員の永田清人氏
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NTTドコモからは執行役員の永田清人氏が登壇し、同社のスマートフォン戦略を語った。永田氏は「販売数を増やすのは難しい状況にあるが、スマートフォンの市場は伸びており、数少ない有望な市場と考えている。法人市場でWindows Mobile端末は武器になっているが、コンシューマ市場でも、かっこいい、使いやすいといった端末が出ることで市場が膨らんでいく。スマートフォンの市場を日本でつくっていかなければならないが、ドコモはこの市場で強いとは思っていない。この市場をT-01Aで開拓し、大きなシェアを取っていきたい」と意気込みを述べ、ドコモが提供するサービスや料金プランについても解説した。
また、グローバル展開を行うという同端末に対し、「スペインのテレフォニカと協力し、同じ機種を導入する。キャリア間でも話し合い、競争力のある端末を市場に素早く投入し、市場で勝っていかなければならない。東芝のグローバル展開の一助になれば」と語り、「ぜひ手に取ってほしい」とその魅力を語った。
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スマートフォン市場の有望性を語った
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スマートフォン向けに提供するドコモのサービス
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■ 「My Phone」サービス、日本語ベータ版を開始
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マイクロソフト 代表執行役社長の樋口泰行氏
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マイクロソフト 代表執行役社長の樋口泰行氏は、Windows Mobileの展開について解説した。樋口氏はWindows Mobileで実現されるポイントとして、Windowsとの親和性やソフトウェア資産の継承、移植開発のしやすさを挙げ、これらが、「携帯がオープンになり、パソコンに近づいていくほど重要な要素になる」と語った。
同氏はまた、Windows Mobileで実現される「クラウドコンピューティング」(クラウド)をキーワードとし、「クラウド、パソコン、携帯の三角形でますます付加価値が高まり、IPベースではさらに連携が進むだろう」オンライン、オフラインを問わず柔軟に活用できる点や、クラウドがもたらす近未来の活用形にも言及。「フルキーボード、テンキー、タッチパネルといろんなものに対応できるのが利点」とフォームファクターを選ばない柔軟性も強調した。
樋口氏はさらに、クラウドを体現するサービスとして、同日に日本国内向けに発表した「My Phone」サービスの日本語ベータ版サービスを紹介。Windows Mobile端末を利用して予定表やアドレス帳、動画などさまざまなデータをサーバー上に保存できる特徴を示し、「本格的な開始は秋以降になるだろう」と今後のスケジュールも明らかにした。
同氏は「マイクロソフトのグローバルのネットワークも使いながら、日本から世界を席巻できるよう、ますます各社で密に連携していきたい」と意気込みを述べた。
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Windows Mobileとクラウド連携を強調。「My Phone」日本語ベータ版開始もアナウンスされた
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会場に展示されていた「My Phone」日本語ベータ版のパソコン側画面
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■ 低消費電力、ハイパフォーマンスを両立
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クアルコムジャパン 代表取締役会長兼社長の山田純氏
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クアルコムジャパン 代表取締役会長兼社長の山田純氏は、T-01Aに搭載したチップセット「Snapdragon」を解説した。同氏は、モバイル向けに特化して半導体などの研究開発を行う同社の特徴に触れた上で、「携帯電話、ノートパソコンの2つでは満たされないニーズがあると固く信じるようになった。それを満たすものとして、万を持してSnapdragonを投入する」と開発の背景を語り、「特徴はなんといっても低消費電力とハイパフォーマンスを両立させたところ。ノートパソコンの電源を入れっぱなしにするのは抵抗があるだろうが、一方で携帯電話は常に電源が入っている。そのギャップを埋めるのがSnapdragonで、数年かけて開発した」とSnapdragonで実現できる世界を語った。
同氏からは、ワンチップで3Gの通信機能やGPS機能、HD動画再生機能をサポートするスペックが紹介され、「近日中に、デュアルコアの製品も発表できるだろう」とラインナップのアップデートも予告された。
一方、Snapdragonの開発段階においては、東芝が協力したことが明らかにされ、「何カ月にわたって、カルフォルニアに来てもらって共同開発を行った。これは極めて異例なことで、ディープな協力関係を築け、今後も継続していきたい」と今回の開発体制を評価した。
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Snapdragonの特徴。既存のスマートフォンと比較しても高性能な仕様
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Snapdragonで多くの機能をまかなう
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■ 新市場を開拓に意気込み
質疑応答の時間には、今期の東芝の端末がスマートフォンなど「尖った」端末に集中しており、これまでの開発体制からの変化が問われた。東芝の能仲氏は、「携帯の事業が厳しいのは事実だが、快適に使ってもらいたい製品を、世界で提供したい、というのが出発点。ノートパソコンにもあるように、軽薄短小の技術には自信がある」と答えた。また、東芝 執行役常務 モバイルコミュニケーション社 社長の岡本光正氏は、「一昨年から欧州でスマートフォンを投入している。結果は期待通りではなかったが、いろんな要求をもらい、それを分析し反映させたのが今回の端末。音声中心から、マルチメディア向けの端末が拡大するという確信に基づいて、新しい市場を開拓していくために今回の端末を投入する」と語り、新市場の開拓に重点を置いていることを示した。
端末の生産体制について、中国に移行する理由を問われると、能仲氏は、「中国で生産するといっても、パソコンはすでに中国で生産しており、高密度な実装は中国の生産でも実現している。むしろ今回の端末は、その製造技術を活かし、最初から中国で生産したいと思っていた。日本国内の生産がどうとかいう前に、中国生産を決めていた」と語り、生産地の変更は既定路線であったことを強調した。
■ PRキャラの中田英寿が登場、クリック募金で東芝と協力も
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中田英寿がプロモーションキャラクターとして登場
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説明会では、T-01Aのプロモーションキャラクターに起用された元サッカー選手の中田英寿が登場し、同氏が理事を務める一般財団法人「TAKE ACTION FOUNDATION」の活動報告や、東芝と協力して実施する活動が中田氏自らのプレゼンテーションで解説された。
中田氏は、東芝と協力して行うクリック募金型の活動「+1クリックアクション」を紹介した。これは、6月17日から開始されるもので、パソコンや携帯電話からアクセスできる専用Webサイトでボタンをクリックするだけで社会貢献活動に参加できるというもの。1クリックがケニアの子供たちの食糧支援1食分に換算され、10万クリック、10万食の支援を目標に実施する。クリック数に応じた寄付は、費用を東芝が負担する。クリックしたユーザーから抽選で10名が選ばれ、12月に開催される活動報告会を兼ねたパーティーに招待される。
中田氏は「楽しみながら参加できる」と同氏の財団が活動主旨にも掲げるコンセプトを紹介。「今回の活動では、東芝の協力が大きなところになっている。多くの参加を期待している」と参加を呼びかけたほか、「誰にとってもメリット、意義があるようなものを発表していきたい」と今後の活動について抱負を語ったほか、サッカーの試合などを通じた活動も、第2回目の開催や、「海外でもやっていきたい」と新たな展開の可能性を語った。
一方、プロモーションキャラクターとなった「T-01A」については、北海道から沖縄まで日本中を旅する活動の中、沖縄で試用したことを明らかにし、「大きくて、軽くて、薄い。男性の中にはカバンを持たない人もいるが、ポケットに収まるのは大事だと思う。画面が大きく、使いやすかった」と感想を述べた。
同氏は今後の活動について、「個人や企業が、自分のメリットだけを考えていくのは難しい時代になっている。多くの人にメリットがあるように、パートナーがいるときにはそういった提案もしていきたい」と語り、「1人でやれる力は、それほど大きくはない。自分はサッカーのつながりがあるので、そういったつながりをどれだけ大きく作れるかが、活動として重要になる。この先も、サッカーのつながりや、選手、違う業種ともコラボレーションを行っていきたい」と展望を語った。
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東芝と協力した活動「+1クリックアクション」は、1クリックが1食分の食糧支援につながる
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参加者にもメリットがあるように、今回はパーティへの参加権が抽選でプレゼントされる
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財団「TAKE ACTION FOUNDATION」の活動を説明する中田氏
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質疑応答もこなした中田氏は、「活動の参加者すべてにメリットを」と語っていた
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■ 会場に展示されたT-01A
■ URL
製品情報(NTTドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/pro/t01a/
製品情報(東芝)
http://www.toshiba.co.jp/product/etsg/cmt/docomo/t-01a/t-01a_menu.htm
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(太田 亮三)
2009/05/28 19:17
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