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3アクションでフォトメールができる「A1013K」
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CDMA2000 1x対応カメラ付きケータイのエントリーモデル
auはこの秋からフォトメール対応モデル4機種を市場に投入している。フォトメール対応機種の中で、最もシンプルでエントリー向けに提供されているのが京セラ製端末「A1013K」だ。実機を試用することができたので、レポートをお送りしよう。
使いやすさを考慮したカメラ付きケータイ

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au/京セラ『A1013K』。サイズ:48×96×26mm(折りたたみ時)、109g。アイスブルー(写真)、シルバーをラインアップ。
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昨年来、急速に普及が進むカメラ付きケータイ。この調子で普及が進めば、来春には2000万台を軽く突破するのではないかという分析もある。ただ、カメラ付きケータイが普及する一方で、端末が高機能化することで、ビギナーに扱いにくくなっているという指摘もある。カメラ付きケータイは本格的な普及が始まったばかりであり、カメラ機能をどのように端末の機能として確立していくか、どうすれば使いやすくなるかなどを試行錯誤している段階に近い。たとえば、「カメラ機能の呼び出し」「サムネイル画像の表示」「画像メール作成」などの機能は利用頻度が高いが、何ステップも操作しなければ、カメラが起動できなかったり、サムネイル画像の表示ができない端末も存在する。
今回紹介するauの京セラ製端末「A1013K」は、こうしたカメラ付きケータイの使い勝手にも配慮した端末として注目される。レンズカバーの開閉でカメラ機能のON/OFFをできるようにし、「カシャ!」「パシャ!」「ピッ!」というわずか3アクションでフォトメールを送信できるようにしている。つまり、カメラ付きケータイをいかにカンタンに使えるようにするか、ビギナーにも使いやすくするかにこだわった端末というわけだ。
auは今年4月からCDMA2000 1xによる次世代携帯電話サービスを開始しており、「eznavigation」「ezmovie」「ezplus」などのサービスが注目を集めている。A1013Kはこれらの次世代サービスに対応していない。しかし、カメラ機能を搭載することで、ライトな画像付きメールユーザーを取り込もうとしているようだ。こうした背景なども踏まえながら、A1013Kの出来をチェックしてみよう。
背面にカバー付きカメラを搭載
製品のスペックや細かい仕様については、auや京セラの製品情報ページ、「ケータイ新製品SHOW CASE」を参考にしていただくとして、ここでは筆者が試用した端末で得られた印象を中心に紹介しよう。
まず、ボディは折りたたみ式を採用し、ヒンジの部分にアンテナを備えるデザインとなっている。最近の端末としては標準サイズよりもややコンパクトな印象だ。液晶ディスプレイ背面にはカラーサブディスプレイとカメラを備え、カメラ部分はレンズカバーに覆われている。ボタン部背面には20mmの大口径スピーカーを内蔵しており、その隣にはストラップ取り付け口が備えられている。ボディ全体はなかなかスマートにまとめられているのだが、この取って付けたようなストラップ取り付け口だけはいただけない。アンテナ部と同じ高さにすることで、机に置いたときの安定感を考えたのだろうが、もう少しスマートにまとめられなかっただろうか。
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背面にはカラーサブディスプレイ、レンズカバー付きカメラを備える。アンテナはヒンジ側に装備される。
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背面に備えられたスピーカーとストラップ取り付け口。ストラップ取り付け口の突起はやや気になる。
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液晶ディスプレイは120×160ドット/6万5536色表示が可能なTFTカラー液晶を採用。
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液晶ディスプレイは6万5536色表示が可能なTFTカラー液晶を採用する。サイズは明らかにされていないが、実測では約2インチ程度で、120×160ドット表示が可能だ。背面のサブディスプレイは256色表示が可能なSTNカラー液晶を採用する。サブディスプレイには時刻や着信状態などを表示することができ、壁紙も設定することが可能だ。
ボタン類は決定キーと方向キーを組み合わせたフロントジョグを中心に、左右上には場面によって機能が変わる[F1]キーと[F2]キー、左下に[メール/文字]キー、右下に[EZ]キーをレイアウトしている。待受時は左上の[F1]キーでアドレス帳、右上の[F2]キーでカスタマイズ可能な「マイメニュー」を表示することが可能だ。メインメニューは待受時に中央の決定キーで呼び出すことができる。本体左側面に備えられた[サイド]キーは折りたたみ時にサブディスプレイのバックライト点灯、着信時に伝言メモ応答、開いているときには[メモ/小文字]キーと同じ機能を呼び出すことができる。カメラモード時にシャッターとしても利用することが可能だ。全体的に操作性は良好で、ボタン類のレイアウトは堅実と言えるだろう。
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ボタン類はフロントジョグを中心にレイアウト。テンキーと機能キーのキートップサイズが微妙に違うので、感覚もつかみやすい。
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中央の決定キーでメインメニューが表示される。バルーンヘルプのようなものを同時に表示され、わかりやすい。
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サクサク送れる「撮速(さっそく)メール」
機能面での注目は、やはりカメラ周りだ。前述のように、A1013Kのカメラ部は背面のレンスカバーの内側に隠れており、右側面のスライドスイッチを操作することで現われる。このスライドスイッチの切り替えは、カメラモードへの切り替えに連動しているため、本体を開いていれば、いつでもカメラの撮影体制に入ることができる。カメラ機能はメインメニューからも呼び出せるが、このとき、レンズカバーが閉じていると、画面上にその旨を知らせる警告が表示される。ただ、ボディを閉じた状態でレンズカバーを開けてもカメラモードには切り替わらない。
レンズカバーを付けた背景には、いくつかの要素があるだろう。ひとつはレンズ部の保護、もうひとつは撮影に対する明確な意思表示だ。以前、本誌でカメラ付きケータイに対する読者アンケートを採ったとき、盗撮に対するコメントが数多く寄せられたが、撮られることに対する不安と同様に、えん罪に対する不安も多く見られた。つまり、カメラ付きケータイのユーザーとしては撮っているつもりがないのだが、たまたまカメラ付きケータイを持っているために、他人に盗撮しているのではないかと思われてしまう不安だ。確かに、街中や電車の中でメールを作成しているつもりでも目の前に座っている人に、「この人、何撮ってるのよ」と誤解を受けてしまうシチュエーションは多い。しかし、A1013Kなら、こうしたえん罪に対する不安からも多少逃れることができる。もっともカメラ機能を使わないのに、レンズカバーを開けていると、それはそれで妙な誤解を受けるので、ユーザーは現在、閉じているかどうかを常に意識する必要がある。
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レンズカバーを閉じた状態。隙間もなく、なかなかの仕上り。
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カメラとミラーはやや奥まったところにある印象だが、撮影時は気にならない。ただし、ミラーはかなり小さめ。
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撮影した画像は撮影日ごとにサムネイル表示が可能。選択して、フレームやテキスト追加などの画像編集もできる。
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カメラは11万画素のCMOSイメージセンサを採用する。A5301TやJ-SH52など、ハイエンドの端末では30万画素以上が当たり前になっている現状を考えると、画像もやや粗い印象が残るが、エントリーモデルとしては十分だろう。撮影した画像はモノクロやセピア、版画などの特殊効果を加えたり、フレームやスタンプの追加、テキスト入力、画像の回転、他のケータイ向けの画像変換などができるようになっている。
A1013Kはカメラ機能を活かすために、いくつかの機能を追加している。まず、「カシャ!」「パシャ!」「ピッ!」という3アクションでメールを送るために、「撮速(さっそく)メール」という機能を用意している。これはあらかじめ登録しておいたメールアドレスに対し、撮影直後にワンタッチで添付メールを送ることができる機能だが、ホントにワンタッチで送ることができてしまうので、使うときは事前に動作を確認しておくことをおすすめしたい。撮速メールの宛先は1つしか登録できないが、日常的にフォトメールを送り合うようなカップルには、非常に便利な機能と言えるだろう。
もうひとつのカメラ機能を活かした機能は「絵日記機能」だ。カメラで撮影し、コメントを付けてカレンダーに貼り付けることで、端末で絵日記が作れるという機能だ。絵日記のデータは画像とテキストとしてメールに添付することも可能だ。なかなか面白い機能なのだが、欲を言えば、ASPサービスなどと連動し、サーバにアップロードして、一般に公開するといった展開も欲しいところだ。A1013Kではできないが、eznavigation対応端末で実現できれば、位置情報を付加した旅行記、あるいは行動日記なんていうことも実現できそうだ。ぜひ他の端末での展開も期待したい。
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撮影直後に左上のキーを押せば、「撮速メール」が送信できる。いきなり送るので、事前にテストしておくのがおすすめ。
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意外に可能性がありそうな「絵日記機能」。ASPサービスと連動すれば、面白い仕掛けができるかもしれない。
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お手軽にフォトメールするなら「買い」
さて、最後にA1013Kの「買い」を診断してみよう。カメラ付きケータイは今やケータイの絶対的なトレンドであり、これから購入するのであれば、まず外すことができない機能の1つだだろう。ただ、カメラ付きケータイに対して不安を持っていたり、機能そのものに疑問を持つユーザーも少なくない。また、予算的にハイエンドのカメラ付きケータイは手が出ないユーザーもいるだろう。A1013Kはこうしたユーザーに対して、ちょうどフィットするバランスのいい端末だ。
また、使い勝手の面でもワンタッチでカメラ機能を呼び出せたり、着実に進化をしてきた予測変換入力「モバイルWnn V2」の搭載でメールを作成しやすくするなど、使いやすさに対しても十分な配慮がなされている。A1000シリーズということもあり、次世代サービスの機能がないのは残念だが、そこに魅力をまだ見いだせないライトなユーザーにはオススメの端末と言えるだろう。
・ ニュースリリース(au)
http://www.kddi.com/release/2002/0826/
・ 製品情報(au)
http://www.au.kddi.com/phone/cdmaone/a1013/a1013.html
・ 製品情報(京セラ)
http://www.kyocera.co.jp/frame/product/telecom/keitai/au/a1013k/index.html
・ A1013K(アイスブルー)
・ au、動画メール対応機などカメラ搭載4機種を発表
・ au、1パケット0.1円になるオプションパックなどのサービスを追加
(法林岳之)
2002/10/17 13:42
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