読者が選ぶケータイ10大ニュース

読者が選ぶ2013年ケータイ10大ニュース

読者が選ぶ2013年ケータイ10大ニュース

【結果発表】

 12月17日~24日にかけて、読者の皆さまに選定していただいた「読者が選ぶ 2013年 ケータイ10大ニュース」の集計結果を発表いたします。編集部でノミネートした主要ニュースに対し、1人3票までの投票を受け付けたところ、4626票(1734人)が集まりました。ご協力いただき、ありがとうございます。

  • 1(998票)

    ついにドコモ版iPhoneが登場

     日本時間、9月11日、米国西海岸での発表は日本の携帯電話市場へ大きなインパクトを与えるものだった。「NTTドコモとアップル、日本でiPhoneを提供」。ついに、ドコモでもiPhoneが利用できるようになった。


     この直前、ドコモのiPhone取り扱いについて報じる一部報道はあった。また本誌にも、予告するかのような検証記事も掲載された。ただ、多くの人は、本当にドコモ版iPhoneが登場するか、発表されるまで疑わしく思っていただろう。


     これで大手3キャリア全てでiPhoneが取り扱われることになった。3キャリアをあわせた家電量販店での販売実績ランキングでは、上位をほぼiPhoneが占める状況が続いている。またどのキャリアでも同じ端末、ということで、各社ではエリア品質を競い合う格好となり、特にauが攻勢を強めた。


     日本でのiPhone人気は、海外と比べても高いと言われる中、はたしてこの傾向は2014年も続くのか。1つの機種に人気が集中し過ぎてしまうと、ハードウェアやプラットフォームの選択肢が狭められることになりかねず、特定事業者の支配力が強まった結果、巡り巡ってユーザーへの不利益に繋がることもあり得なくはない。競合他社の奮起が求められ、なおかつキャリアの施策にも、引き続き、注目したいところだ。

  • 2(543票)

    NECカシオとパナソニック、スマホ事業から撤退

     一時代を築いたメーカーが、市場から去る。撤退報道が相次いでいたNECカシオとパナソニックが、冬モデルの発表を前に、コンシューマー向けスマートフォン事業から撤退した。ドコモファミリーとも称された両社の製品は、これからフィーチャーフォンだけに絞られる。


     ドコモのツートップ戦略、あるいはiPhoneの導入が、こうした状況を招いたのではないか、という見方がある。一方で、たとえばNECカシオについては2012年度の段階で、当初計画を大幅に下回る出荷実績になっていた。また両社ともに、他メーカーよりもスマートフォンへの取り組みが後手に周り、製品の完成度で遅れを取っていたところもある。そうしたことから、両社の撤退は、静かに受け止められたようにも思う。


     だが両社ともに先見の明を持って開発にあたっていた部分はある。薄型ボディでフルスペックをうたった初代MEDIASは市場の注目を浴びた。2画面のMEDIAS Wは、保守的な姿勢とは到底言えない、積極果敢な商品だ。パナソニックも当初から片手で扱えるスマートフォンの開発を志向し、たとえばオートでさまざまな場面に対応するカメラ機能を他社に率先して採り入れた。ただ、完成度という面からすると、他社製品のほうが地力が上だと感じることが少なくない。熱意を持って、ユーザーのことを思い開発された商品であることは間違いないのだが、あと一歩、及ばなかった。


     今、家電量販店を訪れると、iPhoneの売り場面積が他製品を圧倒している。その売場で、これからNECカシオとパナソニックの製品を見かけることはどんどん減っていく。個人的には、まだどちらかだけでも再起、あるいは一発逆転の一手をとらないか、と期待している。あらためて日本のメーカーとしてのスマートフォンや関連製品に触れる機会がやってくることを祈りたい。

  • 3(354票)

    ソニーの力を結集した「Xperia Z」シリーズが登場

     「One Sony」を掲げるソニー、そしてソニーモバイルは、2013年を通じて、「Xperia Z」「Xperia Z Tablet」「Xperia Z Ultra」「Xperia Z1」「Xperia Z1f」を立て続けにリリースした。「Xperia A」といったラインアップも揃えて、夏冬続けて、NTTドコモが注力する“ツートップ”や“オススメ3機種”に選ばれ、多くのユーザーの手に今、Xperiaがある。


     カメラ、液晶、楽曲サービスなど、グループ全体の力を結集することで、他社との違いを打ち出した。特に国内のスマートフォン市場は、iPhoneの独壇場になる気配もあるなかで、Xperiaシリーズはソニーグループならではの強みで、ユーザーを引きつける。レンズ型カメラ、スマーとウォッチなど、スマートフォンを軸とした周辺機器の提供もユニークな取り組み。Xperia Z Ultraこそまだ国内では登場しておらず、またSIMロックフリー端末の国内販売も行われていないが、来年もソニーならではの新たな提案を期待したい。


  • 4(274票)

    アップル、SIMロックフリー版「iPhone」を発売

     11月22日、ひっそりとオンラインのApple Storeにおいて、SIMロックフリー版の「iPhone 5s」「iPhone 5c」の販売が開始された。SIMロックフリー版の登場は、期待の声こそあれど、実際の登場をほのめかす噂もなかった。しかし、登場するやいなや、ソーシャルネットワークを中心に、ユーザーから大きな関心を呼んだ。


     どのキャリアでも利用できる、という点は、たとえば国内キャリアの期間拘束契約を避けたいユーザー、あるいは海外渡航の機会が多いユーザーにとってメリットになり得る。しかし国内キャリアならではの割引が適用されず、16GB版のiPhone 5sの端末価格が7万1800円と、初期費用がかかる点は購入に二の足を踏む要因。ITリテラシーが高い方々が多いであろう本誌読者であっても、キャリア版とSIMロックフリー版のiPhoneのどちらを買うか、という問いに回答は割れている。


    ただ、選択肢が増えたこと自体は歓迎したいポイント。後述するMVNOのサービスによってはおトクに使える場面もこれからグッと増えると期待できる。そして、いまだ登場していないiPadの国内SIMロックフリー版を求める声もあり、そちらも注目したい部分。余談だが、11位に入った「iPad」新モデルでは、Retina版mini(Wi-Fiモデル)の発売も、SIMロックフリー版iPhoneと同じく、オンラインストアでひっそりとスタート。iPad Airは店頭イベントが開催されたが、Retina版miniではそうしたセレモニーもなかった。

  • 5(259票)

    SIMだけ提供、MVNOの各種サービスが盛り上がる

     2013年、最も大きく変化した市場はMVNOではないだろうか。前年よりその兆しはあったものの、各社の競争が進み、“980円SIM”に注目が集まりつつある。手頃な料金と通信量のバランスで差別化を図る各社のサービス内容は、本誌読者の関心を呼び、主役の1人であるIIJが11月に行った記者説明会では、IIJだけに限っても、その契約数が法人をあわせて20万件を突破したとの推計が示された。Amazon.co.jpやイオンなど、大手流通で取り扱われていることから、SIMパッケージを入手しやすい環境も整ってきており、さらにSIMロックフリーの端末も徐々に増えてきている。メイン回線からMVNOの980円SIMに乗り換えるユーザーはまだ限られるかもしれないが、モバイル通信対応のタブレットでの活用も期待できる。料金やサービス面での進化、手ごろな価格の端末の増加など、2014年、もっとも注目する分野の1つだ。

  • 6(229票)

    ドコモ、夏モデルで「ツートップ」戦略

     今年、この業界でもっとも物議を醸した取り組みは、ドコモのツートップ戦略だった――そう言っても過言ではない。今夏のドコモは、「Xperia A」「GALAXY S4」をイチオシとして、他の機種との割引額で違いを打ち出した。その後のさまざまな取材、会見を通じて、ツートップの販売数はあわせて200万台に達したとされている。だがツートップの2機種では「Xperia A」のほうが「GALAXY S4」のほぼ倍、販売したとみられており、一方だけ販売数を伸ばしたようにも見える。


     ツートップ戦略の結果、ドコモユーザーの手に最新スマートフォンが数多くいき渡り、より快適な環境でサービスを利用できることなどは、メリットの1つかもしれないが、ユーザーにとっては選択肢が狭められた。そして、他メーカーにとっては割を食った状況だ。今冬には、さらに「お勧め」として3機種が選定され、さらにドコモ版のiPhoneが登場。今後、こうした施策が続けられるかどうかは不透明だが、スマートフォンを供給できるメーカーはある程度限られることになりそう。ユーザーにとってもさらに選択肢が狭められることになる危惧はあり、メーカーにとっても厳しい環境になるかもしれないが、一方で、モトローラがモジュール単位でスマートフォンをカスタマイズしよう、という仕組みを提唱している。ハードウェアとしてのスマートフォンがどういう形で進化していくのか。国内最大のドコモは、どのような提案をユーザーへ示していくのか。今後も議論は続く。

  • 7(214票)

    「iPhone 5s」発売、iOS 7に進化

     新型iPhoneの登場そのものは、ここ数年、最も注目が集まるトピックだった。しかし今回、「iPhone 5s」の発売というニュースが7位に沈んだのは、やや驚きを受けるかもしれない。もちろん、1位の「ドコモ版iPhone」の衝撃の強さに、ある程度票が集まった影響はあるだろうし、フラットデザインを採用した「iOS 7」は、既存のユーザーの日々の体験に大きな変化をもたらした。その一方で本誌レビューでも指摘があったように、「iPhone 5」から「iPhone 5s」への変化が乏しい、という印象を与えた面もある。また同時に発表された「iPhone 5c」が今回の投票で28位に沈むなど、「iPhone」というハードウェアは、これまでよりもややインパクトが弱くなってきた、と言えるかもしれない。果たして来年はどのような変化がもたらされるのだろうか。

  • 8(182票)

    イー・モバイルとウィルコムが合併へ

     12月に入って急遽飛び込んできたニュースは、多くのユーザーに衝撃を与えた。近年、両社ともにソフトバンクグループの一員となっていたが、ウィルコムは音声通話を、イー・モバイルはデータ通信をそれぞれ主軸に据えた上で、安価な料金プラン、サービスで魅力を打ち出そうとしていたが、スマートフォン時代となって、ウィルコムとイー・モバイルが果たそうとする役割に重なる部分が多く見受けられたのも事実。そして2014年にはPHSの070番号もMNP対象となり、PHSと携帯電話の垣根がどんどんなくなる。そこへ打ち出された合併への方針は、驚きつつも納得した人は少なくなかっただろう。一方で、PHSというサービスそのものが存続するかどうか、不安を与えた面もある。社名やブランドについてはまだ未定だが、PHS自体は継続して提供するとアナウンスがあった。両社の合併効果はどんな形で打ち出されるのか、2014年に最も注目すべきトピックの1つだろう。

  • 9(140票)

    au、LTEやiPhone向けメールで通信障害多発

     スマートフォン時代を迎え、各キャリアで通信障害がたびたび発生してきたが、今年はauでの通信障害が大きな影響を与えた。今春発生した障害は、まず4月中旬、iPhoneのEメールが利用できなくなるというものだった。その1週間後、別の原因でLTEの通信障害が発生。さらに5月下旬にもLTEの通信障害が起きて、多くのユーザーに影響を与えた。その後、対策を進めたKDDIでは、新しいiPhoneの登場時期にあわせるかのように、他社よりもエリア品質が秀でていることをアピール。一気に攻勢へと転じた。対するドコモやソフトバンクもそれぞれ自らの通信品質に自信を見せている。通信量がこれからも爆発的に増加することが見込まれるスマートフォン時代、高い品質レベルを維持することが各キャリアの生命線の1つになっている。

  • 10(130票)

    SIMロックフリーの「Nexus 5」が登場

     11月、グーグルの「Nexus 5」が日本でも登場した。イー・モバイルでも取り扱われる同機種は、最新のAndroid 4.4を搭載し、ハードウェアスペックも、いわゆる全部入りではないものの、最先端と呼べる形に仕上げられた。さらに価格も比較的安価で、先端ユーザーのみならず、かなりの魅力を備える機種だ。割引が用意された各キャリアのスマートフォンも入手しやすく、メリットは十分あるものの、海外渡航が多いユーザー、あるいは自らの生活にあった料金を選びたいユーザーにとって、SIMロックフリーが「Nexus 5」の魅力を高めた要素になっていることは間違いない。こうした機種が登場し、話題になってきたことは2013年らしいトピックだ。

以下、獲得票順

(127票)iPad が“Air”に進化、Retinaなminiも
(122票)「800MHzのLTE」「接続率ナンバーワン」、エリア品質競争が激化
(114票)ソフトバンク、割賦支払いで一部を滞納扱い
(110票)ドコモメール、ついに開始、オープン目指す「docomo ID」も
(94票)BlackBerryが日本から事実上撤退
(92票)スマホで「フルセグ」視聴可能に
(88票)「WiMAX 2 」スタート、免許割当時には孫氏が怒り
(81票)IGZO、ホワイトマジック、省電力アプリ――スマホ駆動時間は3日越えへ
(77票)LTEは無料通話分なし、各種IP電話アプリや通話サービスに注目
(71票)パワーアップした「Nexus 7」が登場、Kindleも新モデル
(64票)「歩きスマホは危険」、対策呼び掛け
(53票)“パズドラ2000万、黒猫とウィズ1000万”、スマホゲームはアプリで人気
(42票)らくらくスマホにも対応、3億人突破で「LINE」さらに飛躍
(40票)春に「INFOBAR A02」、冬に「isai」――auのオリジナルスマホ
(34票)ウィルコム、「だれとでも定額パス」を提供
(28票)ソフトバンクグループの3社間通話定額が実現
(24票)月額980円の聴き放題サービスが続々登場
(24票)カラフルな「iPhone 5c」、ラインアップ拡充
(13票)スマホ連携、ワークアウトなどスマートウォッチ型デバイスが話題
(5票)短時間だけ撮影、スマホ向けショートムービーアプリが続々