「MEDIAS X N-07D」フォトレビュー

薄さ7.8mm、フルスペックのXiスマートフォン


 「MEDIAS X N-07D」は、NECカシオ製の薄型Androidスマートフォンだ。かつて、薄型の携帯電話の代表的な存在だった“μシリーズ”のコンセプトを継承したモデルとされる。

 薄さ7.8mmというボディサイズに、フルスペックの機能を搭載したところが大きな特徴だ。製品のコンセプトや開発秘話は、本誌に掲載した開発者インタビューをぜひご一読いただきたい。今回は、写真中心で「MEDIAS X N-07D」をご紹介する。

 約1年4カ月前に登場した、初代「MEDIAS N-04C」は薄さ7.7mmで、おサイフケータイなどに対応したスマートフォンとして話題になった。その後登場したMEDIASシリーズは、防水対応、大容量バッテリー、デュアルコアプロセッサなど着々と進化してきたが、「MEDIAS X N-07D」は、新たにXiをサポートし、これまでのMEDIASシリーズの集大成とも言えるスペックに仕上げられている。

 高速通信のLTE方式によるサービス「Xi」に対応したほか、約4.3インチディスプレイ、裏面照射型CMOSセンサーを用いた約810万画素カメラ、防水(IPX5/IPX8)、防塵(IP5X)、おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信などをサポート。さらにNECカシオならではの機能として、操作時に微小な振動で操作感を伝えるフィーリングタッチ、ワンセグを視聴しながらTwitterへ投稿できる機能、1.8Aの急速充電などが挙げられる。なお、パッケージにクレードル(充電ホルダ)が用意されており、ディスプレイを横長にした状態で机の上などに置けるようになっている。おくだけ充電には非対応だ。

 1.5GHz駆動のデュアルコアプロセッサを搭載するクアルコム製チップセット「MSM8960」を搭載する。これは今夏のハイエンドモデルの多くで搭載されているチップとなる。またストレージは8GB、メモリは1GBで、メモリカードはmicroSDHCカードに対応する。カメラは裏面照射型CMOSセンサーを採用し、今回、新たにHDR撮影機能(モルフォのMorpho HDR Ver.2.0)が利用できるようになった。

 これまでの「MEDIAS」シリーズの中には、際立った薄さを印象付ける外観となる一方で、手で持ったとき、手のひらに当たる部分が四角くなっているものもあったが、「MEDIAS X N-07D」は丸みを帯びた形状で、手に持ってみると、67mmという横幅よりもコンパクトにホールドできる印象を与える。画面下のボタンは、ホームボタンのみハードキーとなり、左にメニューキー、右にバックキーが配置されている。このメニューキーとバックキーの配置は、多くのAndroid 4.0搭載端末と逆だが、「MEDIAS」シリーズの配置を継承した格好だ。

通常モードで撮影したビルの入口HDRで撮影したビルの入口
リンク先は無修正、3264×2448ドット

 今春の「MEDIAS ES N-05D」の段階で相当の進化を遂げていた操作感は、「MEDIAS X N-07D」ではAndroid 4.0を搭載しつつ、滑らかでさくさく動作している。長期間、利用することでどういった変化が出てくるか、注目したいところだが、少なくとも「MEDIAS ES N-05D」では3カ月以上、常用しても操作性に影響は出なかったので、「MEDIAS X N-07D」も同様であることを期待したい。そのあたりは長期レビューコーナー「みんなのケータイ」でもお伝えできればと思う。初代「MEDIAS」から乗り換えるユーザーはその操作感、多くのアプリを導入できる環境に驚くだろう。

 ホームアプリとして、ドコモの「Pallet UI」に加え、Android 4.0オリジナルのユーザーインターフェイスに近いホームアプリ「ランチャー」が用意されている。このホームアプリでは待受画面でサブメニューを呼び出して、端末の設定メニューへアクセスできるなど、これまでのAndroid 2.Xユーザーにとって使いやすくなるよう配慮したカスタマイズと言えるが、今後どうなるか、気になる部分かもしれない。

 プリセットアプリについては、ドコモやNECカシオ独自のアプリもあれば、Google独自のアプリもある。たとえば国内の夏モデルとして登場したAndroid 4.0スマートフォンの中には、Google Play Music(旧Google Music)に対応した楽曲再生アプリ「Playミュージック」を搭載する機種がある。しかし「MEDIAS X N-07D」に同アプリはなく、代わりに「音楽」という名称のアプリになっていて、NECカシオ独特の仕上がりと言える部分がある。ちなみにクラウド型サービスの「Google Play Music」は、日本国内ではまだ提供されていないため、「音楽」アプリでも問題はないのだが、「Playミュージック」アプリには、再生中の曲に似た別の曲を探して、プレイリストを作る「インスタントミックス」といった機能もあるので、そうした最新の機能も楽しめる機会が来ることを期待したい。




(関口 聖)

2012/7/20 09:00