進化したWindows Live徹底研究

SkyDriveでケータイで撮った写真を整理・共有


ケータイ版SkyDriveのトップページ
専用アドレスにメールを送ってアップロードする仕組み

 Windows Liveには、SkyDriveと呼ばれるフォトストレージが用意されており、約25GBまでの写真をアップロードできる。このストレージも、ケータイに対応している。写真をメールに添付し、専用のアドレスに送信するだけと、アップロードも簡単。25GBもあるため、撮った写真を次々とアップしていけば、限りのあるケータイのデータフォルダの容量を節約できそうだ。そこで、今回は主にケータイからSkyDrvieを利用する方法を紹介していく。

フォルダを作成し専用アドレスを発行

 ファイルのアップロード機能を備えたケータイ用ブラウザは、まだ主流とは言えない。ドコモの一部最新機種などでは、PC同様データフォルダからブラウザ経由で画像をサーバーに送信できるが、それ以外の端末もいまだに多いのが現状だ。こうした問題を解決するために、ケータイサイトの世界では、メール添付によるアップロードが主流となっている。

 マイクロソフトのSkyDriveも、アップロードにこの方法を採用した。写真を公開する手順は次のとおり。まず、ケータイでWindows Liveの「フォト」にアクセス。メニューから「写真の追加」を選ぶと、ケータイからアップロードするための「携帯電話の写真」アルバムが作成される。次に、送信用の端末のメールアドレスを登録。ここで設定したメールしか受け付けない仕様のため、万が一投稿用アドレスが知られてしまっても、他人が勝手に使うことができず安心だ。複数のケータイにも対応し、アドレスは最大3つまで登録できる。最後に、画面に表示された送信用のアドレスを電話帳などに登録しておこう。あとはこのアドレスに写真を添付したメールを送信すれば、ファイルが「携帯電話の写真」に追加されていく。これが、SkyDriveの基本的な使い方となる。

 アップロードした写真は、「フォト」のトップページにアルバム別に表示される。利用開始直後は、「携帯電話の写真」というフォルダがあり、追加した写真を見る際には、ここをクリック。写真のサイズは自動的にケータイ用に最適化される。リサイズは表示時に行うため、PCからサイズの大きな写真をアップロードしても、そのまま見ることが可能だ。ケータイ用にリサイズする必要は一切ない。パケット代はかかるが、アップロード時もリサイズしないでおけば、PCなどを使って見ても十分なクオリティになる。

「携帯電話の写真」というアルバムが自動的に作成される画像は端末のディスプレイサイズに合わせて自動的に縮小

テーマ別にアルバムを作って写真を管理

旅行中の写真をアップするアルバムを作成してみた

 デフォルトでは、「携帯電話の写真」にアップロードされてしまい、大量の写真があると、目的のものを探すのに手間がかかる。そこで、写真の内容ごとにアルバムを作成しよう。例えば、旅行中の写真は全て「○○旅行」というアルバムに登録するようにすれば、あとで見返す際に分かりやすい。アルバムの作成はメニューの中にある「アルバムの作成」で行う。名前も付けることができるので、分かりやすくしておきたい。注意したいのが、「共有する相手」の項目。ここで「全員(パブリック)」を選ぶと、写真がほかのユーザーに全公開されてしまう。アルバム作成後の変更はできるが、うっかり忘れてプライベートの写真をアップし続けると大変なことになりかねない。人に見せたくない写真は、この場で「自分」にしておくようにしたい。

 アルバムの作成が終わると、専用のメールアドレスが発行される。SkyDriveでは、アルバムの仕分けをメールアドレスで行うというわけだ。こちらも電話帳などに登録しておけば、スムーズに写真を送信できる。送信先のアルバムを間違えないよう、電話帳の名称は分かりやすくしておくとよいだろう。

 アルバムにためた写真は、メールで友達などと共有できる。方法は、次のとおり。アルバムを開いた状態で、メニューから「リンクを友だちに送信」をクリックする。アクセス許可が「自分」になっている場合は、それを変更する画面が表示されるので、「OK」を選択。次の画面で、「リンクを電子メールで送信」をクリックすると、メーラーが起動する。本文にはURLが書かれた状態になっているので、通常のメールと同様、アドレスを指定し、件名などを書いたら送信しよう。これで、アルバムが共有された形となる。一時的に見せたいという場合は、あとでメニューから「アルバムの管理」を選び、アクセス許可を変更すればよい。

 このように、SkyDriveはケータイからでも簡単に使える。ネットワークにつながっているので、撮ったそばからアップロードすることもできるはずだ。とは言え、撮りためた写真を一括で登録したり、整理したりするのは、ケータイには不向きだ。PC版の方が機能も豊富なため、本格的に活用するなら、両方の使い方を覚えておいた方がよいだろう。そこで、最後に、PC版SkyDriveの活用方法を、主要な機能に絞ってレビューしていこう。


メールアドレスは、アルバム別に発行されるアクセス許可を変更してリンクを送信することも可能

PCならアップロードや写真の整理が簡単

ブラウザにドラッグ&ドロップするだけで写真のアップが完了

 大量の画像を一括でアップロードするなら、やはりPCが便利だ。ケータイで撮った写真をmicroSDカード経由でPCにコピーし、そこからSkyDriveに上げていけば、1枚1枚メールで送るよりもはるかに素早く処理できる。PC版のSkyDriveでは、マイクロソフトのSilver Lightをインストールしてあれば、ドラッグ&ドロップで画像を扱うことが可能。容量や利用中の回線にもよるが、500万画素の写真20~30枚程度なら1~2分でアップロードが完了する。

 PC版のSkyDriveはスライドショーの機能も備えており、撮った写真を大画面で楽しむのにも打ってつけだ。写真のアルバム間移動や名前の変更などは、PC版だけの機能。投稿用アドレスのルール変更なども行える。また、アクセス許可の変更は、PC版の方が柔軟にできる。パブリックと非公開の間に、「一部の友だち」「友だち」「自分の友だちと、友だちの友だち」があり、さらに表示と編集のアクセス権限も選べる。あくまでPC版がベースで発展してきたサービスだけに、できることの範囲はこちらの方がはるかに広い。SkyDriveはケータイ専用のストレージというより、PCと合わせて使うものだと考えておいた方がよさそうだ。

 さらに、マイクロソフトは、PC向けに「フォトギャラリー」というソフトを公開している。このソフトをインストールしておけば、写真の加工がさらにスムーズになる。編集機能も備えており、明るさやコントラスト、露出、色調整、トリミングなどが可能。顔を自動的に認識して、「人物タグ」を付けることもできる。もちろん、SkyDriveへのアップロードにも対応。Web版よりも、さらに踏み込んで写真を管理したい人にはオススメだ。


アクセス許可もケータイ版より細かく設定できるWindows Liveのアカウントと連携した「フォトギャラリー」

 このように多彩な機能を誇るPC版に対し、ケータイ版のSkyDriveは写真をアップロードして、閲覧するという基本に特化したサービスだ。撮ってすぐにアップロードできるというのは確かにケータイのメリットだが、一方で画面のサイズを考えると、必ずしも編集や加工に向いているとは言いがたい。だからこそ、ケータイ向けは、あえて機能を盛り込んでシンプルにしてあるのだろう。その分、操作性がよく、気軽に使える。まだ、ケータイでフォトストレージを利用したことがない人も、ぜひSkyDriveで最初の一歩を踏み出してみてほしい。

 



(石野 純也)

2010/9/21 06:00