「Simply 603SI」ミニレビュー（編集部石井）

　「Simply」は、Y!mobileが8月10日に発売したストレート型端末だ。通話に特化した端末で、コンセプトは「The 電話」。VoLTEやHD Voice（3G）のクリアな通話を利用できる。編集部員それぞれの視点で「Simply」を紹介する。

編集部・石井

　「おお、懐かしいな！」が第一印象だった。かつてウィルコムのPHSで一大勢力を誇っていたバー型端末そのままの形状だ。質感が高いというほどないが、作りはしっかりしている。適度な厚みと重さのおかげででしっかりホールドできるし、テンキーはカチッとした感触で押しやすい。

レッドモデルはあのスマホと一緒に持つのによさそうだ

　“スマホ時代のガラケー”らしく、Androidをベースに作られている。とはいえ、かつてPHSやフィーチャーフォンを使っていたなら、操作で戸惑うことはまずなさそう。使える機能は通話、メール（SMS/MMS）、ブラウザ、カメラ。それに電卓やアラーム、ボイスメモといったツール類だ。

　通話はVoLTEに対応。3GでもHD Voiceをサポートする。3Gでの通話にしても、PHSよりもクリアに話せるのは間違いないだろう。

　地味な部分だが、連絡先のインポート方法が充実しているのは好印象。SDカードからの読み込みはもちろん、Yahoo!のクラウドストレージ経由でスマートフォンから移行したり、PHSからは赤外線通信で転送したりと、さまざまな方法で移行できる。

　LTEの速度の恩恵をもっとも感じるのがブラウザアプリだ。閲覧できるのはスマートフォン用のサイト。フィーチャーフォンの見た目から想像できなかった読み込みの早さが新鮮だ。

　細かいところではツール類が意外と充実していたり、遠隔サポート用のアプリが利用できたり、ウィルコムゆずりの「迷惑電話ブロック」を搭載していたりと、携帯電話としての作りこみもきちんとしている。スマートフォンのお供に持ち歩くには必要十分と言えるだろう。

　ちなみに、設定の中身はそれなりにAndroidライク。SIMロック解除の対応機種ということで、他キャリアで使うときに必要となる「APN」の設定もきちんと用意されている。

“ギガが足りない”とデータ残量を気にするこの時代、見かけなくなった「パケット通信料」

スマホライクにAPNの設定も用意されている

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