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天気予報にあわせて切り替え、ドコモがグリーン基地局の電力制御実験

 NTTドコモは、“グリーン基地局”の稼働用電力を天気予報にあわせて切り替える技術を開発、実証実験に成功したと発表した。

 グリーン基地局は、太陽光発電など環境負荷が少ない電力で稼働するドコモの基地局。東日本大震災のあと、電力会社kらの電力供給がストップしても稼働できるよう開発された。2014年度までに全国で商用のグリーン基地局が11局設置されており、2015年度末(2016年3月末)までには、新たに33の商用グリーン基地局が設置される。

 グリーン基地局にはバッテリー(リチウムイオン電池)が用意されており、停電時の活用と、ソーラー発電の充放電用と、2つの用途で構成されている。今回の実験では、当日18時の段階で、翌日の天気予報をもとにソーラー発電量を推計。もし晴れであれば停電時のバッテリー容量(バックアップ容量)は40%にする。曇なら60%、雨なら80%というように、天気が悪くなればバッテリー容量を増やす。この機能は「日照制御モード」と呼ばれ、2015年12月4日~2016年1月3日まで実験した。これにより、従来と比べて、商用電力の利用を10%削減した。

 また、大雨や台風のような災害がくるとの予報では、バックアップ容量を100%にする機能「自律・復活運転モード」も実験でテストした。このモードでは、停電時、ソーラー発電とバッテリーだけでグリーン基地局を稼働させることを目指しており、3日間継続したテストで、これまでより2倍以上の長さとなる63時間の運転を記録した。

 ドコモでは、2020年までに、現在の10倍となる2000kWの発電を目指してグリーン基地局の導入を進めていく。

関口 聖