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IIJ第2四半期決算、モバイル回線は「年内に100万契約突破が視野に」
タスクフォースは「結果として恩恵を受ける可能性がある」
(2015/11/9 16:36)
インターネットイニシアティブ(IIJ)は、2015年度第2四半期(7~9月)、および上期の連結業績を発表した。
IIJの2015年度上期の業績は、増収増益。売上高が前年同期比14.3%増の653億3000万円、売上総利益が7.4%増の117.1億円、営業利益が6.1%増の25.6億円、当期純利益が14.4%増の16.5億円になった。期初の見通しに対し、売上高、営業利益、四半期純利益のいずれもが予想を上回る結果だが、第4四半期の売上比率が大きいとして、通期の見通しは修正せずに据え置いた。
IIJが提供するサービスは、ネットワークサービス、システムインテグレーションの2つに大別される。第2四半期では、ネットワークサービスは売上全体の6割弱を占める。ネットワークサービスの売上高のうち、個人向けインターネット接続サービスは約18%、法人向けインターネット接続サービスは約22%を占めている。
MVNO事業などモバイルサービス
モバイルサービスは、2015年度上期の売上高が64.8億円で、「加速度的に伸びている」(常務取締役 CFOの渡井昭久氏)とし、期初の予想である通期130億円の売上目標を「軽く突破するだろう」(同)との見方を示している。
モバイルサービスの回線数は、第2四半期を終えた時点で累計93.4万件。
MVNOとして提供している「IIJmio高速モバイル」(個人向け)の回線は累計60.5万件、「IIJモバイル」(法人向け)は27.5万件になった。法人向け回線にはMVNEとして提供する回線数(hi-hoを除く)も含まれている。
第2四半期については、SIMロックフリー版もラインナップされたiPhone 6sが9月に発売されたことなどから、10月以降も回線獲得ペースが増加すると予測。一方で、春が大型商戦期であることから、第2四半期までは、第4四半期ほど伸びないともしており、回線数の伸びはこれからさらに加速するとの見方を示した。
法人向けについては、MVNEが引き続き活況であるとし、M2Mも伸びていくとしている。ただし、M2M領域はIoTとして参入が相次ぐと予想される今後、一時的に競争が激化して業績の下振れ要因になる可能性があるとも指摘した。
質疑応答
質疑応答の時間には、総務省で開催されているタスクフォースの議論の影響について多く聞かれた。
IIJ 代表取締役社長の勝栄二郎氏は、「キャリア(MNO)の価格が高いのでは? (競争環境を)公平にしましょう、というのがテーマ。その意味で、MVNOを優遇する感じではないと思う。ただし、例えば接続料などで、結果として恩恵を受ける可能性はある」との見方を示した。
タスクフォースへの要望について聞かれると「具体的にどうというのはないが、競争条件の公平化は求めていく」とする。一部MVNOがMNOの顧客リストの解放を求めている点については「我々は名簿の解放は求めていない。(意見陳述の)その場でも求めていない」(勝氏)とした。
競争条件の公平化については、具体的には「接続料について前広に教えてほしい。透明性についてもそう。(MNOの)端末の割引とか、そういう点」(勝氏)としている。
キャリアが格安のプランを出してきたら? という仮定の質問には、タスクフォースの結論が「どういう案になるか分からない」(勝氏)というスタンスは崩さないが、MVNOで提供されている価格帯での提供は、すぐには難しいとの見方を示す。「MVNOに対して、国民の理解が進んでいる。競争条件の公平化がきっかけになる」(勝氏)と、タスクフォースにより、結果としてMNO以外の選択肢としてMVNOに注目が集まることに期待を語っている。