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楽天、最短20分、24時間対応の即時配送サービス「楽びん!」

都内4区で開始

 楽天は、都内の4区にて、最短20分からお届け可能という即時配送サービス「楽びん!」を20日から本格的に開始する。到着時刻は15分間隔で案内され、配送可能な時間は対応エリア内で24時間を実現している。

楽びん!

 「楽びん!」が当初に対応する地域(配送可能な地域)は、東京都の渋谷区、目黒区、世田谷区、港区。4区内でも、一部には配送の対象外になるエリアがある。

 配送までの時間は最短20分を謳い、平均60分を想定。配送予定時刻は15分間隔で案内される。営業時間は24時間。

 スマートフォンアプリ(iOS、Android対応)を使用し、GPSや地図で現在地周辺から配送場所をまず指定、配送予定時刻を確認してから商品を注文する。勤務先や公園などの外出先も、配送場所に指定できる。注文後は、アプリ上で配送スタッフの名前や顔写真、現在地をリアルタイムに確認できる。

 商品は、楽天市場の人気商品や、楽天カフェのスイーツやコーヒー、酒類、ドラッグストアやコンビニエンスストアで取り扱うような商品など、18ジャンル、450商品を取り扱う(8月20日時点)。ターゲットは、忙しいビジネスユーザーや家事・育児で出かけづらい主婦など。

 注文は、1回の注文の合計が980円以上から利用が可能。決済はクレジットカードのみ。

 商品の受け取り方法は2種類あり、ユーザーの手元までスタッフが届けるタイプは、配送料が770円(税込、以下同)。ユーザーが、付近に到着した配送車まで取りに行くタイプは配送料が390円になる。1回の注文が2500円以上の場合、到着した配送車まで取りに行くタイプの配送料、390円が無料になる。

 サービス運用面では、予め商品を積んだ配送車がサービス対象エリアを周遊。注文を受け取ると商品を配送する。楽天では7月から渋谷区、目黒区、世田谷区でテスト運用を開始しており、24時間の配送が可能なことや、ニーズの検証を行い、港区を加えて本格的なサービス開始に至った。今後はサービス対象エリアの拡大、商品の拡充を行っていく予定。

 eコマースサイトの「楽天市場」は、各店舗が商品を出品するショッピングモールの形をとるが、「楽びん!」で当初に取り扱う商品は、楽天が調達し販売する形。販売業者は酒類販売業免許を持つ楽天マート。配送サービスや配送車が商品を補充する拠点も楽天が運営する。

忙しい人の「今すぐ欲しい」に応える

楽天 新サービス開発室の中西勝也氏

 20日には都内で発表会が開催され、「楽びん!」の概要や本格展開の背景が語られた。楽天 新サービス開発室の中西勝也氏は、eコマースで受け取りに関する要望や不満、需要が大きいとして、調査や分析を行い、“「自分がいる時」にすぐきて欲しい”という要望に応えるサービスとした。

 具体的な想定ユーザーとして、疲れて出かけたくない人、家事や育児で手が離せない人、“自宅飲み”で外に出かけたくない人、オフィスで仕事中の人などが挙げられている。これらは、テストサービス中の実際の利用例に基いているという。中西氏はまた、「安さよりも、1分でも大事にしたいビジネスマンなどに利用されるのでは、というのが仮説。タイムセンシティブなユーザーが中心になるだろう」とも予測している。当初の対応エリアの4区については「スマートフォンを使っている人が最も多いのがこのエリアだった」と説明し、「サービス特性である、早く届く、夜中でも届くという属性に合う人が多い」と分析している。

 「他社との違いを意識してサービスを作っていない。お客様しか見ていない。どうしたらいいのか、どれぐらいなら待ってもらえるのか、丁寧に研究してきた」と、中西氏は同サービスを、あくまでユーザーの要望に応えるものと位置付ける。

 同時に、サービス開始まで素早く立ち上げてきたことも強調した上で、「自分たちで商品で調達しているが、ずっとこのモデルではない。楽天は(出店する)店舗とともに大きくなっていく会社。今後どういうふうにできるか、考えていきたい」と、「楽びん!」の中で楽天市場のようなモデルを検討していくことも明らかにされている。

「楽びん!」配送車の出陣式

太田 亮三