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デンソー、中央に絵柄を配置できる新しいQRコード「フレームQR」

 デンソーウェーブは、QRコードを進化させた新しい2次元コードとして「フレームQR」を発表した。無料の読み取りアプリ「QR Code Reader “Q”」はAndroid版が9月10日から、iOS版が近日中に配信される。QRコードに関連した法人向けのクラウドサービスも発表されている。

「フレームQR」とキャンバス領域のテンプレート

 「フレームQR」は、意匠性を高めるために開発された新しい二次元コードで、四角のコードの中央部に、三角や丸、ハート型などの、予め決められた形の「キャンバス領域」を設定できるのが特徴。このキャンバス領域に、イラストや写真などを配置できるようになっている。将来的には、キャンバス領域の形状をテンプレート以外に自由に変更できるような仕様が検討されている。

 これまでは、QRコードの背景にロゴなどを埋め込める「ロゴQ」が提供されていたが、「フレームQR」は図柄のための領域が明確に分けられており、「ロゴQ」のように図柄にQRコードのドットが被らないようになっている。

 また、デンソーウェーブが提供するソリューションではないものの、誤り訂正が最大30%というQRコードの仕様を利用し、小さなイラストなどをQRコードの上に被せて表示したものも存在しているが、「フレームQR」のキャンバス領域はそれらよりも格段に大きくなっている。

「フレームQR」利用イメージ

 「フレームQR」に対応するアプリとして、デンソーウェーブとアララと共同既発した読み取りアプリ「QR Code Reader “Q”」が、iOS、Android向けに無料で配信される。同アプリでは、従来のQRコードに加えて新しい「フレームQR」の読み取りが可能。高速読み取りエンジンが搭載されるほか、ARコンテンツの再生機能も用意されている。

 なお、これまでのQRコードに対応した読み取りアプリでは、「フレームQR」を読み取ることはできない。

 法人向けには、クラウドシステム「Qプラットフォーム」も提供される。「Qプラットフォーム」では「フレームQR」を含む新しいQRコードの生成が可能で、専用機器でしか読み取れない「SQRC」をサーバーでコードで読み取る機能も用意。読み取られた履歴やデータの蓄積機能、アプリ用の機能モジュールなどが提供され、同社では、企業のマーケティングツールとして利用できるとしている。

太田 亮三