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Uber、日本でタクシー配車サービス「uberTAXI」をスタート
(2014/8/5 10:32)
Uber Japan(ウーバージャパン)は、日本国内での新サービスとして、新たにタクシーの即時手配サービス「uberTAXI」(ウーバータクシー)を5日16時より提供する。当初は東京都内で利用でき、料金は通常のタクシー会社のものと同じ。ハイグレードな車を手配する「uberTAXILUX(ウーバータクシーラックス)」も用意される。
「uberTAXI」は、一般的なタクシーの配車をUberのアプリから依頼できるサービス。これまでは黒塗りのハイヤー車両を手配するサービスが提供されてきたが、今回よりタクシーの配車依頼も可能になった。料金はタクシー会社が設定するメーター料金、迎車料のみとなる。
あわせて提供される「uberTAXILUX」は、トヨタクラウンロイヤルシリーズ、BMW7シリーズなどハイグレードな車両のタクシーを手配できるもの。メーター料金と迎車料に加えて、Uberの取り扱い料金(一律500円)がかかる。
利用時には、アプリの画面下部にある「TAXI」「プレミアムTAXI」を選び、配車を求める場所を指定する。依頼後、到着するまで、地図上で車の位置や到着までの時間を確認できる。アプリからドライバーに連絡したり、割り勘機能を利用したりできる。予約した段階で、ドライバーの名前や顔写真、評価もわかる。
支払いは、あらかじめUberアプリに登録して置いたクレジットカードで決済することになるため、降車時の手続きは必要ない。領収書はメールで届き、その後、ドライバーを評価することもできる。リクエストから5分以上経過してキャンセルするとキャンセル料(500円)がかかる。利用後の領収書は、タクシー運転手からもらうこともできる。
旅行代理店のUber、タクシー会社にとっては利用率アップに
6月まで10年以上、ソニーに勤務してテレビ事業のブランド事業や新興企業との折衝を担当してきた高橋正巳氏が新たなUber Japanの執行役員社長に就任。5日の記者説明会で、同氏は、Uberが42カ国158都市でサービスを展開しており、日本で会員登録するとそのまま海外でも利用できるとアピールする。「uberTAXI」は、Uberにとってはアジアで初めて取り組むサービスであり、「uberTAXILUX」は世界初のサービスであることも明らかにされた。
Uberでは、今回のサービス提供にあたり、パートナーとなるタクシー会社を明らかにしていない。対象となるタクシーの車両は、ドライバーが空車状態(客が乗っていない状態)のときにUberからの依頼を受けられるように設定を変更しておく。これにより、通常のタクシーとして営業しつつ、Uberからの注文を受けられるようになる。こうした仕組みから、「uberTAXI」「uberTAXILUX」対応のタクシー車両は刻一刻と変動し、対応のタクシー台数が○○台、と言うことはできないのだという。乗車した際には、基本的に通常のタクシー利用と同じく、乗客とタクシー会社の間で契約して料金が精算される。タクシー会社からUberには、送客の手数料が支払われる形。
既にタクシー会社自身の配車依頼アプリが数多く提供されているが、タクシー会社にとってはUberのサービスに対応することで、利用率の向上を見込める、というのがUber側の算段。高橋氏は東京のタクシーの実車率(タクシー業界における輸送効率の指標)が43%程度と説明、半分が空車状態でUberのサービスを導入するタクシー会社にはユーザーとの接触機会増加が見込めるとする。
高橋氏は、「Uberは輸送会社ではなく、テクノロジー企業」と述べ、車両と情報技術を組み合わせることで、付加価値が高く、より効率的に稼働できるサービス作りが強みと説明。タクシー配車サービスを展開することで、東京という街にとっても渋滞軽減や排ガスの低減などに繋がるとしたほか、ユーザーにとっては流しのタクシーを利用する際には、車両やドライバーの質が運で決まっていたところ、Uberを利用することで、より高品質なサービスを利用しやすくなり、Uberを通じたドライバーへの評価もあることから質の向上も見込めると解説する。さらに訪日外国人にとっても見知らぬ土地で便利に使えるサービスとした。