ニュース

ソフトバンク、スマホで寄付できる「かざして募金」提供開始

 ソフトバンクモバイルは、あらかじめ用意された特定のロゴや文字列をスマホで読み込み、募金に参加できる寄付プラットフォームサービス「かざして募金」を提供した。専用アプリのAndroid版を無料で提供する。iOS版は現在のところ非対応で、2014年夏頃を目処に公開予定。

 同サービスは、ソフトバンクモバイルが東日本大震災の復興支援をはじめとする社会貢献活動の一環として、携帯電話事業者が提供するものとしては、日本初となる寄付プラットフォーム。専用アプリをインストールしたスマートフォンで、アプリを立ち上げ、名刺やポスターなどに掲載されている特定のロゴを読み取ることで、寄付ができる。2タップで簡単に募金できる点が特徴。

 ソフトバンクモバイルのユーザーだけではなく、他のキャリアのスマートフォンユーザーでも参加できる。募金額は100円~1万円まで6種類の中から選ぶ仕様になる。ソフトバンクユーザーは、携帯電話料金とまとめて支払うキャリア決済を採用し、それ以外のユーザーはクレジット決済となる。

 ソフトバンクユーザーは、毎月継続して募金する設定も可能。ひとり当たりの上限額は、都度寄付・毎月継続寄付それぞれ3万円ずつとなり、最大で6万円。限度額内であれば、回数は無制限となる。

 この取り組みには、公益財団法人東日本大震災復興支援財団、日本骨髄バンク、あしなが育英会などのNPO団体が参画している。これらの団体が配布するポスターやチラシを読み取ると、読み取ったチラシの団体へ寄付される仕組み。非営利団体の参画は、審査を経て、登録される。登録手数料は無料、月額利用料は1980円(税抜)、8月末までの6カ月間は無料で参画できる。なお、月額利用料は、寄付金の振込・クレジット手数料、業務運営費に充てられ、ソフトバンクモバイルが利益を得るものではないとしている。

 また、一般企業が支援するNPO団体と提携して、企業ロゴを登録することができる。登録した企業ロゴをアプリでかざすと、ユーザーは募金ができ、支援している特定の団体へ寄付される。すでに日本ケンタッキー・フライド・チキンが公益財団法人スペシャルオリンピックスと提携して、参画している。企業ロゴを入り口とすることで、募金活動の活性化に繋がるため、企業は無料で同プラットフォームを利用できる(支援団体と提携のうえ、ソフトバンクへの申し出が必要)。

「かざして募金」のロゴ

 その他、ユーザーはソフトバンクの「かざして募金」のロゴをかざすことで募金も可能。この場合は、アプリの画面上で寄付先の団体を、リストからユーザーが指定する形になる。なお、アプリに対応する環境でなくても、Webブラウザ上で募金できるフォームも用意されている。

 都内で開催された同サービスの発表会で、登壇したソフトバンクモバイルの孫正義社長は「東日本大震災のとき、我々の通信が使えなくなったことで、被災地の皆様に迷惑をかけ、責任を痛感させられた。3年経って、世界中の善意ある人々からの支援もあるが、我々もなにかしなければという想いがある。技術により仕組みを提供し、もっと安易に、気軽に、継続的に、人々が支援に参加できるようにこのプラットフォームを提供したい」と語った。

 発表会には、公益財団法人東日本大震災復興支援団体・発起人である、王貞治氏と中居正広氏、公益財団法人スペシャルオリンピックス日本理事長の有森裕子氏がゲストとして登場した。中居氏は「被災地では、まだ元の生活が送れていない方が8万人くらいいる。震災にかぎらずだが、支援したいときにすぐに支援できる環境が大事」とコメントした。

 ソフトバンクモバイルでは、寄付金の目標金額を明確に設けていないが、1000団体の参画と、将来的には月に1億円規模の寄付金になることを目指したいとしている。

川崎 絵美