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スマホで分析、ソニーのラケット装着型「Smart Tennis Sensor」

 ソニーは、プレイヤーのテニスショットを分析し、スマートフォンやタブレット上で表示するラケット装着型の「Smart Tennis Sensor SEE-TN1」を5月下旬に発売する。価格はオープン価格で市場想定価格は1万8000円前後。同製品は先日ラスベガスで開催された2014 International CESで、同社ブースに参考出展されていた。

「Smart Tennis Sensor」を紹する、ソニー UX・商品戦略本部長 古海英之氏

 SEE-TN1は、対応するテニスラケット(YONEX社製の一部製品)のグリップエンドに装着して使用するラケット装着型のセンサーで、専用アプリをインストールしたスマートデバイスとBluetooth接続して利用する。アプリはAndroid版(Android 4.1以降)、iOS版(iOS 6.1以降)が用意される。

 フォアハンド・バックハンド・サーブなどのスイング種別や、ラケット上でボールをとらえた位置、ボールの回転、スイング速度などのデータを記録し、即時スマホで確認できる「ショット分析機能」を備えている。「ショット分析機能」は、ジャイロセンサー、加速度センサーを活かした、ソニーがもつセンシング技術や、オーディオ機器などの技術開発で培った音響解析技術の知見を用いて、新たに開発した振動解析技術により実現しているという。

センサーで捉えたデータが即時スマホで確認できる

 データは、即時スマートフォンに転送されるほか、内蔵されるメモリーに約1万2000球のデータを蓄積し、あとからスマートフォンに送信することも可能。スマートフォンに送信されたデータはクラウド上の専用サーバーで保存され、IDに紐づいているため、端末を機種変更しても、データは保存される。保存されたデータは、Facebookでの共有も可能。

 このほか、スマートフォンで撮影したプレイ映像で、フォームをチェックできる。プレイ映像は、ラケットでボールをとらえた位置や速度と合わせて確認できるほか、見たいスイング種別のみ再生する「ダイジェスト再生」も可能。例えば、“今日プレイしたフォアハンドのみを再生する”など、ピンポイントのプレイにおいて分析を行い、練習に活かせる。

効果的に打てるラケットの中心部分(スイートスポット)に当たっているか、センサーで感知して表示する
ボール速度、スイング速度などが、グラフで記録される
再生時にスイング種別を選んでダイジェスト再生が可能
撮影したプレイ映像と、データを合わせて確認できる

 なお、対応するラケット製品のパートナー企業は現状YONEX社のみ。今後も対応製品を増やしていく予定としている。

 開発を担当するソニーの中西吉洋氏は「日常生活のさまざまなシーンをより豊かにするため、新たな気づきを製品化していく中で、テニス好きのエンジニアによる発案で同製品を開発することとなった」と話す。また、ソニー社内のテニスサークルのメンバーの有志による応援も開発を助けたとのこと。

 同社では、今後の広がりとして個人のショットだけではなく、試合やチームのプレイを分析して、コーチングに活かすなど、ビジネス展開も想定している。テニス以外のスポーツにおいても、今後の市場規模やパートナーシップにより、検討していきたいとしている。

開発担当、ソニー UX・商品戦略本部 SE事業準備室 中西吉洋氏

川崎 絵美