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国内モバイル市場はこれから競争激化、IDCが予測レポート

 IDC Japanは、日本国内のモバイル通信サービス市場について、今後の動向を予測したレポートを発表した。競争が激しくなることで、売上高ベースでの成長は伸び悩むとの見通しが示されている。

 同レポートによれば、携帯電話やスマートフォン、タブレット、モバイルWi-Fiルーターといった端末を用いる国内モバイル通信サービス市場は、データ通信売上は順調に成長しているものの、音声通話の売上で減少傾向が続いているという。2012年の実績を見ると、音声売上は2006年からほぼ半減して、2兆5730億円となった。一方、データ通信の売上は4兆740億円で、2008年以降、データ通信は毎年13%程度の年間平均成長率を記録してきた。

 「音声売上の減少をデータ売上が支えきれなくなってきている」と分析する同レポートでは、全体的に「人口減少」「回線の飽和」「大手による市場の寡占化」が大きな要素になっているものの、大手から回線を借りてサービスを提供するMVNO/MVNEといった事業者やWi-Fiプラットフォームの影響力がにわかに高まっているとも指摘。2014年までは、国内のモバイル通信サービス市場の成長が続くものの、その後、事業者間の価格競争が激しくなってマイナス成長に突入すると予測し、2012年~2017年の年間平均成長率が0.2%に留まるとの見通しを示している。

関口 聖