楽天Edy、おサイフケータイと連携できるサーバー型電子マネー


 楽天と楽天Edyは、プリペイド型電子マネーサービス「楽天Edy」で、サーバー上で扱えるようにする「楽天Edyオンライン」の提供を開始した。利用時には楽天の会員IDが必要となる。

 いわゆるプリペイド型電子マネーの1つである楽天Edyは、基本的にICチップに電子マネーのデータ(バリュー)を持つ形でサービスが提供されていた。一方、電子マネーにはインターネット上の決済での利用を想定した「サーバー型」あるいは「ネットワーク型」と呼ばれるタイプの電子マネーもある。後者はWebMoney、ビットキャッシュなどがその代表と言える。

 今回発表された「楽天Edyオンライン」は、サーバー型の電子マネーサービスにあたる。通販サイトなどでの利用が想定されており、楽天会員IDで決済できるサービス「楽天あんしん支払いサービス」対応サイトでは、今後、「楽天Edyオンライン」もサポートされる予定。

おサイフケータイと連携、機種変更でも利用可能

 IC型の「楽天Edy」では、上限5万円となっているが「楽天Edyオンライン」は上限なしでバリューを持てる。おサイフケータイと「楽天Edyオンライン」の間でバリューを行き来させることが可能で、銀行口座やクレジットカードなどでおサイフケータイの楽天Edyにチャージし、その一部、あるいは全額(1回1円~5万円)を「楽天Edyオンライン」にアップロードすると、「楽天Edyオンライン」上のバリューが増えて、決済に使える。

 逆に「楽天Edyオンライン」上のバリューをおサイフケータイにダウンロードできる。この仕組みを利用して、機種変更時に、おサイフケータイのバリューを一端アップロードして新たな機種でダウンロードする、という使い方もできる。もし全額アップロードしてしまうと、新たにチャージするまで、おサイフケータイ上の楽天Edyは0円になってしまい、店頭では利用できない。新たにチャージすれば、サーバー上の「楽天Edyオンライン」のバリューとは別に、おサイフケータイ上の「楽天Edy」が増えることになる。

 楽天Edyは、これまで機種変更時のバリュー移動で手数料105円がかかっているが、「楽天Edyオンライン」経由での移動で手数料はかからない。なお、手数料がかかる既存機能は、今後も提供され、楽天IDを持っていないユーザーも機種変更時にバリューを移動できるようになっている。

 楽天Edyオンラインへのチャージは、クレジットカードと銀行口座から可能。おサイフケータイでの銀行口座のチャージは、複数の銀行で利用できるが、「楽天Edyオンライン」での銀行口座からのチャージは当初、楽天銀行のみ。来年1月以降、三井住友銀行が対応する予定とのこと。

 楽天Edyの利用に会わせて、ポイントやマイルが付与される「Edyでポイント」について、「楽天Edyオンライン」では、楽天スーパーポイントとの連携のみサポートされる。ただしポイント付与率は、楽天カードを登録している場合で2%、その他のクレジットカードで1.5%(一部カード決済は1%)になるとのこと。

 通販サイトにとっては、楽天Edyユーザーの利用拡大が見込めるほか、売上確定後30日以降に決済代金を引き出し可能でスピーディな現金回収が可能とされている。

(関口 聖)

2012/11/14 15:25