国内携帯サービスの満足度トップはau、全体の満足度は低下


 J.D.パワー アジア・パシフィックは、日本の携帯電話サービスにおける顧客満足度調査の結果を発表した。調査は7月に行われ、全国を10の地域に区分し、有効回答数は、個人ユーザー3万1200人となっている。調査は「提供サービス」「通信品質・エリア」「各種費用」「電話機」「アフターサービス対応」「電話機購入経験」という6項目で評価されている。

 総合的な評価では、auが顧客満足度のトップとなった。昨年2位のauは今回、「各種費用」「提供サービス」で高く評価された。続く2位は、9ポイント差でNTTドコモとなり、継いで3位はソフトバンクモバイルで、1位のauとの差は33ポイントとなる。

 J.D.パワーでは、過去1年間で、スマートフォンの利用率が15%から30%に増加したと分析。特に10代~30代での利用は、前年の20%から、今回41%にまで拡大したという。40~50代、60代も増加傾向にある。大きく変化する一方で、業界全体での満足度は、前年から10ポイント下落した。「通話品質・エリア」への満足度が下がった背景には「データトラフィックの増加に対して、通信インフラの拡充が追いついていない」と分析しており、「インターネットの接続に異常に時間がかかる」という経験をしたユーザーは、前年の39%から46%に増えた、としている。

 スマートフォンに関する調査も行われており、多機能への期待感が高い一方、動作が遅かったりバッテリーの持ちが悪かったりする点で不満があることが示されている。今後もスマートフォンの普及が続くと見られるなかで、J.D.パワーではアフターサービスの重要性を指摘し、「担当者の知識や説明スキルなどの応対面、顧客を待たせないなどの体制面の強化は喫緊の課題」としている。

(関口 聖)

2012/10/30 16:46