4.3インチ液晶搭載、防水防塵の薄型モデル「Xperia VL」


 「Xperia VL」(SOL21)は、厚さ8.7mmで背面が弧を描くような形状のしなやかなボディラインを採用した、ソニー・モバイル製のAndroid 4.0対応スマートフォン。ベースのグローバルモデルは、同社が8月にドイツ・ベルリンで開催されたIFAで発表した「Xperia V」。ソニーの技術をふんだんに盛り込んだ機能が特徴で、ディスプレイ、カメラ、音楽再生機能などに優れた1台となる。発売日は11月2日で、割引適用後の価格は3万円台前半から半ばになる見込みだ。

 薄型モデルながらIPX5および7相当の防水防塵仕様で、Pink、White、Black、Blueのボディカラーは、光沢感のないマット仕上げを採用する。背面の質感はカラーごとに異なり、BlackやBlueはしっとりした手触り、PinkやWhiteはサラっとした仕上げになっている。

 OSはAndroid 4.0に対応。「Android 4.1へのバージョンアップは未定」(説明員)だという。

 ディスプレイは4.3インチ、720×1280ドットの液晶を搭載。タッチセンサー層がなく薄型化できる「Direct Touch」を装備する。「モバイルブラビアエンジン2」が搭載されており、コンテンツによって自動的に画像を調節することが可能。従来の「モバイルブラビアエンジン」は、データ自体のコントラストや解像感を調整していたが、「モバイルブラビアエンジン2」は映像をフレームごとに処理して最適な見栄えを実現している。

 カメラは約1300万画素でソニーの裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R for mobile」を採用。1080p/30fpsの動画撮影にも対応する。ソニーのデジタルカメラ「Cyber-shot」などに搭載される、「プレミアおまかせオート」に対応し、9パターンのシーンを自動で認識できるほか、逆光の場合は2枚、暗所の場合は4枚の写真を合成して、絞りや露出を自動的に補正する。プレミアおまかせオートをオフにすると、HDR撮影などの機能も利用できる。また、「ピクチャエフェクト」を備え、撮影時に9種類のエフェクトをかけられる。効果はリアルタイムで反映されるため、仕上がりを確認しながら撮影できるのが特徴だ。撮った写真を編集、加工する機能も搭載された。サブカメラは約31万画素のCMOSとなる。

 音楽再生には、「WALKMANアプリケーション」を利用する。楽曲にあわせたビジュアライザを表示でき、ボタンなどの配置もソニー製品に共通した仕様を採用。楽曲に合わせた補正を行う「Clear Audio+」に対応しているのも、Xperia VLからとなる。音楽関連の機能では、ほかにもスピーカーの音質を最適にする「Clear Phase」や、大音量の再生を可能にする「xLoud」などを搭載する。

 CPUは1.5GHzのデュアルコア、クアルコム製の「MSM8960」を搭載。アプリケーションチップとベースバンドチップをまとめた、1チップ構成となる。ストレージ(ROM)は16GB、メモリ(RAM)は1GB。ただし、ストレージは16GBはあらかじめアプリ用に領域が切り分けられており、展示されていた実機では約3.6GBが空いていた。外部メモリは最大32GBのmicroSDHCカードに対応する。

 ユーザーインターフェイスは、ドコモが発表した「Xperia AX SO-01E」に近く、Xperiaシリーズのクールなイメージを踏襲しながら、通知パネル上に2段のボタンが配置されるなど機能は進化している。キーはAndroid 4.0の標準仕様に準拠した形で、画面内にソフトキーを表示するスタイルだ。左から、「戻る」「ホーム」「最近使ったアプリ」が割り当てられている。なお、ドコモのXperia AXは最近使ったアプリの画面に「スモールアプリ」を呼び出すボタンがあり、他のアプリの上に電卓やタイマーなどを重ねて表示することができた。Xperia VLは、この機能には対応しない。

 赤外線通信機能やおサイフケータイ、NFC、外付けアンテナながらワンセグに対応する。Bluetooth 4.0、DLNA(DTCP-IP)、IEEE802.11a/b/g/n対応のWi-Fiなどをサポートする。Wi-Fiダイレクトを用いてテレビなどに端末の画面を表示する「Screen mirroring」にも対応。レコーダーに録画された番組を転送、再生できる「ワイヤレスおでかけ転送」も利用できる。家電連携機能としては、HDMI/MHL端子も用意される。

 データ通信は「4G LTE」に対応し、800MHz、1.5GHz帯が利用可能。音声通話は従来通り3Gで行う。国際ローミングについてはGSM/GPRS/W-CDMAに対応するが、CDMAは利用できない。最大10台までの機器を同時に接続できる、テザリングもサポートされる。また、卓上ホルダでの充電に対応し、ACアダプターも含めてメーカー専用のものが同梱される。約1分で1時間分の充電が可能な「急速充電」にも対応する。

 大きさはは65×129×8.7mm(最厚部は10.9mm)で、重さは約120g。3Gでの連続通話時間は700分。連続待受時間はLTEで320時間、3Gで490時間となる。ボディカラーは、Pink、White、Black、Blue。電池容量は1700mAhとなる。



 




(津田 啓夢/石野 純也)

2012/10/17 12:00