ICT総研がスマホの仕事利用調査、総合首位は僅差でau


 ICT総研は、ビジネスでのスマートフォンの繋がりやすさを調査し、その結果をまとめた。音声とデータ通信の総合ポイントでは、auが僅差で首位、NTTドコモ、ソフトバンク、イー・モバイルの順に続いた。

 調査期間は10月1日~5日。調査に利用したスマートフォンは、NTTドコモが「SH-10D」、auとソフトバンクモバイルは「iPhone 5」、イー・モバイルが「GS03」。電車や高速道路、高層ビルなどの各地点で音声通話やデータ通信の繋がりやすさなどを測定した。音声通話の確認には時報(117)を、データ通信の確認には「USTREAM」を使った。なお、山手線や大阪環状線、名古屋市営地下鉄といった三大都市の基幹電車については、混雑時の状況をチェックするため17~21時の調査を行った。それ以外の高速道路や高層ビルなどは10~17時に測定したもの。

 総合ポイント首位のauは、音声通話で997.6ポイント、データ通信で927.5ポイントを獲得し、どの利用シーンにおいても3位以下にならなかった。混雑時間帯の大都市圏期間電車や首都高の音声通話ではトップとなった。高層ビルでは、ドコモと並び音声通話接続率が100%、データ通信成功率が98%とトップだった。

 2位のドコモは、音声通話で996.8ポイント、データ通信で885.4ポイントを獲得した。電車移動中のデータ通信は途切れることが多く、混雑時の山手線は接続成功時間は56.2%と厳しい結果となった。データ通信に限って言えば3位となる。その一方で高速道路は音声・データともに首位で、郊外でも接続は安定しており、ビジネス利用で重視される音声通話は良好だった。

 3位のソフトバンクは、音声通話が976.2ポイント、データ通信が899.7ポイントを獲得した。高速道路は音声・データともに3位で、高層ビルでもデータ通信の成功率が87%と上位2社に水をあけられた。一方、混雑時の山手線においては、データ接続成功時間が94.5%とドコモとauを大きく引き離した。地下鉄の銀座線や丸ノ内線、大阪環状線でもトップの接続成功時間となり、全体的に電車内でのデータ通信が安定している結果となった。

 なお、イー・モバイルは、調査に利用した「GS03」がWebサイト上からUSTREAMの動画視聴に対応しておらず、音声のみを測定した。高層ビルでの繋がりやすさは音声75%、データ通信接続成功率は71%と低い結果となっている。ただし、電車移動中の音声通話については、他社に劣らないとしている。

【お詫びと訂正 2012年10月10日16時30分】
 初出時、GS03について「USTREAMの動画視聴に対応しておらず」と記載しておりましたが、その後、ICT総研がリリースからこの文言を削除し、音声のみ測定したと修正しました。データ通信の測定において、Webサイト上のUSTREAMを視聴したが、イー・モバイルの「GS03」はFlash Playerが搭載されておらず、表示できなかった旨を説明しています。本文の記載を「Webサイト上からUSTREAMの動画視聴に対応しておらず」に訂正いたします。

 

(津田 啓夢)

2012/10/10 14:26