野村総研、モバイル市場はスマートフォンでV字回復と予測


 野村総合研究所は、国内のネットビジネス、モバイル、ハードの各市場について、2015年度までの予測を発表した。

 同社の調査では、ネットビジネス市場で6分野、モバイル市場で4分野、ハード市場で8分野を対象としている。このうちモバイル市場では、スマートフォンの台頭で事業構造が変革しつつあり、複数台所有やフォトフレームといった新たな用途の開拓で、回線契約が増加するとしている。

 モバイル市場のうち、キャリアの市場では、2015年度には1億3400万回線に増加し、低年齢層や高齢者、個人の複数台所有、法人契約、データ通信契約が増加するとしている。また、スマートフォンの普及によりデータ通信の利用が増加し、ARPUが回復基調に乗ればV字回復が見込めるという。

 ワイヤレスブロードバンドの市場は、WiMAXやHSPAの普及、LTEの登場で、2010年度の2400億円から2015年には4200億円程度の市場に成長する。

 モバイルコンテンツは、緩やかに拡大し、2015年度には約6700億円と予測。電子書籍やゲームが拡大する一方、情報サービス系市場は縮小し、長期的には市場の成長は鈍化すると予測している。

 企業向けサービスは2010年度の約3800億円から2015年度には約8800億円と急拡大すると予測し、スマートフォンや無線LAN対応端末の普及により、モバイルセントレックスやグループウェアなど法人向けサービス市場が活性化するとしている。

 

(太田 亮三)

2010/12/20 12:49